(次女)
ママには思い出の絵本ってあるの?
いっぱいあるけど、読んでもらった『ちびくろ・さんぼ』とか『きんぎょがにげた』あたりは印象的かなあ。
皆さんにも思い出の絵本ってありますよね。
自分が小さいころに読んでもらった絵本、子どもがまだ小さかった時に読み聞かせた絵本。
それぞれの時代を代表するようなベストセラー絵本には、その時代が表れているかもしれません。
今回はそんな時代ごとのベストセラー絵本を紹介します!
【年代別】日本のベストセラー絵本
1950年代の絵本
この頃はまだ海外絵本の翻訳版が人気の主流でした。
今も読み継がれているロングセラーの大人気絵本ばかりです。
1953 ちびくろ・さんぼ
作 ヘレン・バンナーマン
絵 フランク・ドビアス
訳 光吉夏弥
岩波書店(瑞雲舎)
1953年発刊(2005年復刊)
対象年齢:3歳~
絶版からの復刊、大人が搔きまわした問題作
なんと今から70年以上も前に日本語版が発行された絵本です。
『ぐりとぐら』の作者・山脇百合子さんが、保育士時代に子どもたちが夢中になっていた絵本だとおっしゃっていました。
そしてこの中に出てくるおいしそうなホットケーキに対抗してあのカステラが出来たそうです。
トラのバターでできたあのホットケーキは、幼いながらに強烈だったことを覚えています。
子ども達に大人気だった絵本ですが、一時は黒人差別との批判から出版社の自主回収騒ぎがあり、著作権問題もあったのか、結果として絶版になりました。
読み聞かせで夢中になっていた子どもたちを置いて、大人たちが騒ぎ出した問題に巻き込まれてしまった作品です。
上記の岩波書店版は著作権が切れており、瑞雲舎が改めて再刊しました。
しかし上の経緯を知ってしまうと、単純に復刊を喜んでいいものか分かりませんね…
インドが舞台の原作が気になるなら
作 ヘレン・バンナーマン
訳 なだもとまさひさ
径書房
1999年5月発刊
こちらが原作を忠実に再現し、日本語版にしたものです。
サイズといい、絵といい、私たちにはかなり違和感がありますがこちらが正真正銘の原作です。
ただ、今は絶版となっているようですがKindle版はあるようです。
気になる方は図書館などでも探してみてくださいね。
フランク・ドビアス版が気になるなら
作 ヘレン・バンナーマン
絵 フランク・ドビアス
径書房
2008年6月発刊
こちらがフランク・ドビアスの絵を忠実に再現したものです。
出版された径書房さんのページにはその経緯が詳しく書いてあり、並々ならぬ想いも感じます。
色々と問題が起こった作品ですが、今なお読み継がれている作品であることも間違いありません。
1954 ひとまねこざる
作 H.A.レイ
訳 光吉夏弥
岩波書店
1954年発刊
対象年齢:4歳~
「ひとまねこざる」と「おさるのジョージ」
時代のせいなのか、昔の絵本は複雑な説明を必要とするものが多いです。
こちらの「ひとまねこざる」もそのひとつ。
アニメでは「おさるのジョージ」がお馴染みということもあり、絵本でも「おさるのジョージ」と名につくものもあり、混乱しますよね。
作者であるH.A.レイ、そして夫人のマーガレット・レイの二人で生み出した「ひとまねこざる」シリーズは、H.A.レイの死後、ヴァイパー・インタラクティヴが「おさるのジョージ」シリーズとして引き継がれました。
つまり、作者オリジナルは「ひとまねこざる」シリーズのみということです。
日本でいえば「アンパンマン」や「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」「サザエさん」なども作者の死後も続いていますよね。
「おさるのジョージ」もそういうことなのかもしれません。
大人の皆さんにはこちらもおすすめ
ひとまねこざるシリーズ作者のレイ夫妻は、ユダヤ人でした。
そして第二次世界大戦に巻き込まれていました。
おさるのじょーじというキャラクターが生まれた、波乱万丈な秘話がここにあります。
1954 ちいさいおうち
文・絵 バージニア・リー・バートン
訳 石井桃子
岩波書店
1954年発刊
対象年齢:4歳~
こちらも同じ内容で2種が存在する絵本
1950年代は戦後間もないということもあり、翻訳して発刊される絵本も縦書きに直していました。
この「ちいさいおうち」も他のシリーズとサイズを揃えたということも含め、縦書きに直したり開きを変えたりしていたようです。
1981年には横書きになったものに改訂されました。
それより遡って1965年には原書と同サイズのものも発売されました。
どちらの版も最近また改訂されており、訳や絵、文章の配置など見直されているようです。
違いを確かめてみても楽しいかもしれません。
1960年代の絵本
この時代は現・ダブルミリオン以上のモンスターが勢揃い!
名作が生まれすぎて、3冊しか紹介しないのが勿体ないくらいです。
1967 いないいないばあ
作 松谷みよこ
絵 瀬川康男
童心社
1967年4月発刊
対象年齢:0歳~
一番売れている日本の絵本
紹介するまでもなく、絵本を手にしていたなら誰もが通ってきたであろう絵本です。
なんたって750万部以上の累計発行部数!
ファーストブックとしてもお馴染みすぎますね。
実は我が家の子どもたちにはあまりハマらなかったんですがw
我が家のお気に入りは『のせて のせて』の方でした!
1967 ぐりとぐら
作 なかがわりえこ
絵 おおむらゆりこ
福音館書店
1967年1月発刊
対象年齢:3歳~
二番目に売れている日本の絵本
1967年は名作絵本が生まれまくった年と言っていいかもしれません。
現在日本の絵本で一番と二番に売れている絵本が登場した年でもあり、他にも「だるまちゃんとてんぐちゃん」「11ぴきのねこ」「スーホの白い馬」などが登場した年でもあります。
今でも大人気の名作絵本ばかりですね。
この「ぐりとぐら」もずっとずっとあの大きなカステラは子どもたちの憧れであり続け、それぞれの家庭ごとのぐりぐらの歌が歌われていくことでしょう。
ぐりとぐらのシリーズ一覧はこちらで紹介しています。
1969 ねないこだれだ
作・絵 せなけいこ
福音館書店
1969年11月発刊
対象年齢:1歳~
トラウマと言われ続けながらも愛され続けている絵本
『ねないこだれだ』で検索すると「トラウマ」「怖い」などのサジェストが出てきます。
かくいうわたくしも小さい頃のトラウマ絵本として強烈に印象に残っています。
だけど、怖いもの見たさなのでしょうか。
子ども達は怖がりながらも「読んで!」と持ってくるんですよね。
きっとわたしも同じようにたくさん読んでもらったから記憶に残っているんだと思います。
これからもきっと、同じように怖がらせながらも愛され続けていくのでしょうね。
1970年代の絵本
この頃には日本発の人気シリーズが出揃い始めました。
そして海外からはあの世界的人気作品が遂に日本語版として発刊。
1972 しろくまちゃんのほっとけーき
作 もりひさし、わかやまけん、わだよしおみ
こぐま社
1972年発刊
対象年齢:0歳~
ほっとけーきといえば、を塗り替えた
今も大人気のシリーズ「こぐまちゃんえほん」から生まれたこの名作。
それまでは“ほっとけーき”といえば『ちびくろ・さんぼ』のとらのバターでできたものを思い浮かべる方が多かったことでしょう。
ですが今やほっとけーきの絵本といえば真っ先にこの絵本を思い浮かべる人が多いはず。
ほっとけーきが出来上がるまでのあのページは、子ども達に強烈な印象を残します。
1976 はらぺこあおむし
1976 はらぺこあおむし
作 エリック・カール
訳 もりひさし
偕成社
1976年5月発行
対象年齢:4歳~
世界でいちばん売れている絵本がようやく日本に里帰り
はらぺこあおむしは1969年にアメリカで発刊されましたが、その絵本を印刷したのはなんと日本の印刷会社だったんです。
それから7年経ち、ようやく日本語版も発行されました。
日本でもたちまち受け入れられ、子どもたちの人気となっているのは皆さんご存知の通りです。
1976 ノンタン ブランコのせて
作 キヨノサチコ
偕成社
1976年8月発刊
対象年齢:3歳~
根強い人気のベストセラーシリーズ
親世代の方が懐かしがるかもしれません、ノンタンシリーズ。
なんとシリーズのうち12作品がミリオンセラーを記録しています。
生活に根付いたテーマが豊富なので、誰もがどれかは読んだことがあるでしょうね。
今も本屋さんに平積みされている人気のロングセラーです。
1980年代の絵本
幅広い名作が生まれた年代です。
その中でも赤ちゃん向けの絵本がよく売れている年代。
1982 きんぎょがにげた
作 五味太郎
福音館書店
1982年8月発刊
対象年齢:2歳~
みんなが夢中で探した1冊
未だに大人気のこの作品も、今から40年以上前に生まれた作品です。
時代を感じさせない絵なので、現在でもコラボグッズが出されるほど大人気です。
わたしも大好きだった絵本ですが、我が家の子どもたちも大好きでした!
1983 じゃあじゃあびりびり
作 まついのりこ
偕成社
1983年7月発刊
対象年齢:1歳~
赤ちゃんが食いつく絵本として定番の絵本
わたくしマイタケが初めて母になったとき、赤ちゃん向けとして最初におすすめされた絵本です。
わたしも読んでもらったのかもしれませんが、記憶にありませんw
イラストと擬音だけの赤ちゃん向けですが、確かにラテがじーっと見ていたのは覚えています。
今となってはファーストブックとしてお馴染みの存在ですね!
1988 いないいないばああそび
作 きむらゆういち
偕成社
1988年12月発刊
対象年齢:0歳~
縦開きが新鮮な今も続く人気しかけ絵本シリーズ
かわいい動物や恐竜の絵が印象的な、縦開きのしかけ絵本。
こちらも発売から40年近いロングセラーなんです。
2023年にも新作が出た、長く長く愛され続けているシリーズです。
確かに赤ちゃんウケ、めっちゃいいです!!
1990年代の絵本
この辺りは現在の親世代も懐かしく思える絵本かもしれませんね。
新作が出るたびにチェックしていた、なんて作品もあるかも。
1994 うずらちゃんのかくれんぼ
作 きもとももこ
福音館書店
1994年2月発刊
対象年齢:2歳~
探し絵本好きな子にはたまらない
『きんぎょがにげた』よりは難しいけど、ちびっこにもちゃんと探せる難易度。
そんなちょうどよさが人気の秘密かもしれません。
ハマると何度も何度も探したがる、中毒性のある絵本ですw
1994 バムとケロのにちようび
作 島田ゆか
文溪堂
1994年9月発刊
対象年齢:4歳~
漫画のようなコマ割が印象的な人気シリーズ
細かく描き込まれた絵が好きな方にはたまらない、バムケロの世界。
バムとケロの表情もいいんですが、部屋の中や風景などの細かい描き込みも見ているだけで楽しいです。
コマ割は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、好きな子は本当に大好きなシリーズです。
1999 そらまめくんのベッド
作・絵 なかやみわ
福音館書店
1999年9月発刊
対象年齢:3歳~
シリーズ350万部超えの大人気絵本
そらまめという存在が身近に感じるようになったのはこの作品のおかげかもしれません。
そら豆の皮をむくと、本当にあんなふうにふかふかなんですよね。
そらまめくんのベッドが憧れだった!という方も多いのではないでしょうか。
たくさんの豆たちが出てくるのもカワイイですよね。
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