かこさとしさんって、何冊の絵本を描かれたご存知ですか?
膨大な作品を残されているかこさとしさん。
その数なんと600以上!
これだけあると、どれを選んでいいのか迷っちゃいますよね?
大丈夫!その中でも特におすすめの絵本を対象年齢別に計10冊選びました。
かこさとしおすすめ絵本【0歳1歳2歳】赤ちゃん向け
かこさんは赤ちゃん向けの絵本が少なめ。
その中でも我が家のおすすめを紹介します!
1.あさですよ よるですよ
「あさですよー」お母さんの声に、エンドウ豆の子どもたちが起きてきます。顔を洗って朝ご飯を食べ、園に行っていっぱい遊びます。家に帰ってお風呂に入り晩ご飯を食べ、ピアノを弾いて楽しい時間を過ごしたら、「さあ よるですよー ねるじかん」。豆の一家の一日を描いた絵本です。場面ごとに情景が細かに描かれ、一つ一つ見ているだけでお話がふくらみます。かこさとしさんならではのユーモアのセンスあふれる、愉快な絵本。
福音館書店「あさですよ よるですよ」
赤ちゃん向け作品で思い浮かぶのはやっぱりこれ。
エンドウ豆のお子さんたちの1日を描いたカワイイ絵本です。
書き込みが細かくて、見ているだけで楽しめます!
リアルなまめちゃんえん
福井県越前市にある武生中央公園にはこの作品がもとになった「まめちゃんえん」という幼児専用の公園があります。
めちゃめちゃかわいいんですよ!!
越前市 武生中央公園 だるまちゃん広場 まめちゃんえん
2.あかですよ あおですよ
ここは海の中。たこたこ学校の生徒たちは、たこ先生と一緒に絵の勉強です。たこ先生が「はじめは、あかですよー」と言うと、みんなはりんご、いちご、トマトなど赤い絵を描きました。喜んだ先生は子どもたちをほめ、子どもたちは紫、青、緑、黄色……と、次々といろいろな色の絵を描いていきます。最後のお題は「黒」。おやおや、面白いもので黒い絵を描いている子がいますよ……。思いもかけない形で学校はおしまい!
福音館書店「あかですよ あおですよ」
同時に出版されたシリーズですが、こちらは海の中のたこたこ学校が舞台。
色が楽しい絵本です。
みんなと一緒に授業を受けている気分になれますね。
最後、何でたこたこ学校が舞台なのか分かるオチもいいですよ。
番外編
おかおいろいろ あかちゃんいろいろ
こちらは2008年にこどもちゃれんじの付録だった絵本です。
今、手に取るにはメルカリしかないかもしれません。
でも赤ちゃん向け絵本として素晴らしいんですよ!
かわいい絵はもちろんのこと、色んな表情がとても可愛くて。長女はだいすきな絵本でした。
意外とこの時期のこどもちゃれんじの絵本は侮れない!
我が家の子どもたちは他にもお気に入りの絵本がいくつかありました。
今はどんな絵本があるのか、気になる方はチェックしてみてください。
→こどもちゃれんじの絵本を見てみる
かこさとしおすすめ絵本【3歳4歳5歳】園児向け
この辺から一気に候補が増えて、選ぶのが難しいですが。
厳選しました!
3.だるまちゃんとかみなりちゃん
雨の日、だるまちゃんが外に遊びにいくと、空から浮き輪とかみなりちゃんが落ちてきました。だるまちゃんは、木に引っかかった浮き輪を取ってあげようと、傘を投げますが、傘もいっしょに引っかかり、2人で困ってしまいました。そこに雲に乗った大きなかみなりどんが迎えにきて、お礼にだるまちゃんをかみなりの国に招待してくれました。未来都市のようなかみなりの国の楽しさも抜群の「だるまちゃん」シリーズ第2作。
福音館書店「だるまちゃんとかみなりちゃん」
個人的にだるまちゃんシリーズでいちばん好きな絵本です。
代表作『だるまちゃんとてんぐちゃん』に続く2作目のシリーズ作品。
特筆すべきはやはり、かみなりちゃんの住む世界の素敵さ!
ちょっとSFちっくで、移動手段が雲というファンタジックなところも子ども心を鷲掴みにします!
だるまちゃんシリーズの全作品についてはこちらから!
4.からすのパンやさん
いずみがもりのからすのまちのパンやさんは、子どもたちの意見を参考にして、すてきな形のパンをどっさり焼きました。
偕成社「からすのパンやさん」
これも言うまでもない定番ですね!
かこさんの代表作のひとつです。
見開きのパンのページは、大人になってもずっと覚えているくらいだいすきでした。
実際にあれらのパンを作ったことがある方も多いのでは?わたしもそのうちの1人です!
40年後に続編が!
発刊から40年経って続編が出たことでも話題になりました。
からすのパンやさんの子どもたちがそれぞれ大人になった様子を描いている4部作。
まだ読んでない方はぜひ!
からすのパンやさんがわたしはいちばんすき!
5.どろぼうがっこう
まぬけな校長先生と生徒たちの世にもおかしなどろぼう学校の話。ある真夜中、みんなは町で一番大きな建物にしのびこみました。
偕成社「どろぼうがっこう」
こちらも人気作なのは間違いないのですが、絵で避けてる方もいませんか?
わたしも最初にくまさかせんせいや生徒たちを見た時は驚きました!
どろぼうってデフォルメされてない、リアルなオジサン達。見た目は怖いけど、素直で“かわいい”生徒たちなんです。
宿題のダメっぷりもさることながら、お返事が良い。
へーい、ほーい、わかりやしたー!
我が家の子どもたち、めちゃめちゃ真似してましたね。
こちらも続編あり!
どろぼうがっこうにも続編が2作出ています。
どちらも楽しい作品になってますので、おすすめです!
ぼくのお気に入りはこれ!
はーい!へーい!ほーい!
6.おたまじゃくしの101ちゃん
まいごのおたまじゃくし101ちゃんを、やっと見つけたお母さんがえる。でもざりがにとみずかまきりに襲われ、お母さんは気絶。
偕成社「おたまじゃくしの101ちゃん」
かこさんはさすがの観察力だと感じるのがこの作品。
101ぴきも子どもがいるかえるのお母さん、ヒールなタガメとザリガニ。命がけのハラハラな展開はまさに自然界そのものです。
子どもに媚びるのではなく、しっかりと丁寧に描いてくれるところがかこさんらしくて。
ほのぼのしててかわいいだけじゃないところも大好きです。
続編もありますよ!
7.とこちゃんは どこ
赤い帽子と青い半ズボンの元気な男の子、とこちゃん。市場でお母さんがおしゃべりしているまに、とことこかけだして、どこかへいってしまいました。人ごみの中をさがしていくと、ああ、いたいた! 動物園、浜辺にお祭り、デパート……人ごみにまぎれたとこちゃんを探そう! 絵さがしの絵本の元祖ともいえる、子どもの大好きな絵本です。
福音館書店「とこちゃんはどこ」
こちらはかこさんが絵を担当された作品です。探し絵本として楽しい、細かい描き込みはさすがです。
探し絵本ってやっぱり絵の描き方によって楽しさが変わっちゃうと思うんですけど、子どもが頑張って探して見つかるちょうどいい具合!
とこちゃんのやんちゃっぷりも親としては大変だなあと見ちゃいますが、子どもたちにとっては共感できる楽しさなんでしょうね。
8.はははのはなし
歯が痛くなると、大人だって泣いてしまいます。そんなに痛いなら、いっそ歯なんかなければいい?いえいえ、歯がなければごちそうだって食べられません。歯がごちそうをかみきり、すりつぶして、体の中に送ることで、栄養がとれるのです。じゃあどうして虫歯になるのでしょう。虫歯にならないためにはどうしたらいいのでしょう。歯の役割、虫歯になるメカニズムや歯みがきの大切さを、子どもたちにわかりやすく伝えます。
福音館書店「はははのはなし」
虫歯の絵本は数あれど、こんなに丁寧に子どもに正しいことを解説しようとしている絵本は他にありません。
かこさんならではの優しい口調で、むしばの怖さ、歯の大切さに気づかされます。
歯磨きの大切さだけで終わらないのがかこさん。改めて読むと、大人でもハッとさせられます。
番外編
サン・サン・サンタ ひみつきち
※絵本ナビさんのアフィリエイト画像を利用しています
かこさんは意識的に日本のものを題材にされている方ですが、唯一、サンタクロースを扱った絵本がこちら。
1986年に描かれた絵本が2019年に復刊しました。
かこさんらしい、説得力と夢が両方ともある素敵なお話。細かい書き込みも楽しくて、わくわくしちゃいます!
こんなひみつきちが本当にあったら…なんて考えちゃう。
かこさとしおすすめ絵本【6歳~】小学生以上
かこさんの作品には大人でも面白く読めるものがたくさんあります。
小学生以上の方がより楽しめるであろう2冊を紹介します。
9.かわ
高い山の雪どけ水や、山に降った雨から生まれた小さな流れは、谷川となって山を下ります。小さな流れは、ダムに貯められて発電所で電気を起こしたり、激しい水の勢いで岩をくだいて小さな石ころにしたりします。そして、やがて平野に出るとゆるやで大きな流れになります。田んぼを潤し、水遊びや魚釣りの場となり、いつしか大きな川になって、最後に海へとそそぎます。一つの川をめぐる自然と人間の営みを横長の画面いっぱいに細部まで描き込んだ絵本です。
福音館書店「かわ」
かこさんの2作目の作品。とにかく描き込みが、情報量がすごい!
川の一生を追っているように、流れのままに進んでいきます。
対象年齢は4歳からとなっているので、読み聞かせはその辺りから楽しめます。
が、やっぱり小学生以上の方がこの情報量ごと楽しめると思います。特に理科で水のことや、社会で地図を習いだした小学3,4年生におすすめしたい。絵巻版もすごい迫力なのでぜひ見てほしい!
10.うつくしい絵
古今東西の名画を紹介し、作家の人間像と名画の深いからみあいをさぐります。「絵の見方、描く心」をやさしく説いた美術入門書。
偕成社「うつくしい絵」
古今東西いろいろな絵を、かこさんならではの優しい語り口調で解説してくれる絵本です。
表紙のモナ・リザをはもちろん、ゴッホのひまわりや北斎の富士山など見慣れた名画ばかり。でもその他の作品は知らなかったり、わたしも知らなかったレーピンさんという方の作品もあったり。
その絵画の注目すべき点などを優しく教えてくれるので、絵の見方が変わります。
多くの作品を残してきたかこさんが、唯一自ら望んで企画された絵本です。
かこさんの熱い想いがここにあります。
続編もおすすめ!
姉妹編となる『すばらしい彫刻』もおすすめ!
こちらは当時の世界情勢で取材がままならず、出版までに十年以上を要したそうです。
かこさとしさんってどんな作家さん?
日本を代表する絵本作家の一人!
かこさとしさんが絵本作家としてデビューしたのは32歳のとき。
それから2018年に92歳で亡くなられるまで、約60年ものあいだに残した作品数は600を超えるそうです!
かこさんが最期に手掛けたのはこの作品。『みずとはなんじゃ?』
この頃にはもう絵を描くことができなくなっており、絵は親交のあった鈴木まもるさんが描かれました。
最晩年まで絵本を手掛け続けたかこさんの情熱に頭が下がります。
こちらも本当に素晴らしい作品です!
だるまちゃんシリーズ、からすのパンやさん、どろぼうがっこう辺りは有名ですが、このように自然を扱った科学系絵本や伝承を伝える絵本も多くあります。
東大出身の理系作家!
かこさんは東京大学工学部を卒業された、理系の作家さんなんです。
工学博士号も取得されており、児童文学の研究者としても活動されていました。
科学系絵本が多いのも納得ですね!
子どもたちへ分かりやすく伝えるために様々な工夫を凝らした作品たちに愛を感じます。
人気作家のヨシタケシンスケさんのインタビューによると、かこさんは「やりたいことは何千もあるけど、やれたことはほんの少しだけ」だと仰っていたそうです。
これだけ精力的な活動で多くの作品を残されたかこさんでも、その頭にはまだまだアイディアがあったのでしょうね。
かこさんは本当に作品数が多く、選ぶのはとっても難しい…
10冊以上紹介しているというツッコミは受け入れますw
かこさんの絵本も大好きだけど、林明子さんの絵本も好き!
このランキングの絵本はぜんぶおすすめ♡
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