1938年から毎年授与され続けている、アメリカの児童文学賞【コールデコット賞】。
受賞すれば作家としての地位は今後約束されたも同然と言われている賞です。
こちらの記事でもいくつか代表作を載せましたが、80年以上も続いている賞なので受賞作品も80作以上あるんです。
ここでは、今までの受賞作品を詳しく紹介していきます!
この記事では2000年以降の受賞作品を一挙ご紹介。
- コールデコット賞受賞作品一覧④ 2000年~
- 2000年 『ヨセフのだいじなコート』
- 2001年 『So You Want to be President?』
- 2002年 『3びきのぶたたち』
- 2003年 『はなうたウサギさん』
- 2004年 『綱渡りの男』
- 2005年 『まんまるおつきさまをおいかけて』
- 2006年 『こんにちは・さようならのまど』
- 2007年 『漂流物』
- 2008年 『ユゴーの不思議な発明』
- 2009年 『よるのいえ』
- 2010年 『ライオンとネズミ イソップ物語』
- 2011年 『エイモスさんがかぜをひくと』
- 2012年 『A Ball for Daisy』
- 2013年 『ちがうねん』
- 2014年 『走れ!機関車』
- 2015年 『ビークル ゆめのこどものおはなし』
- 2016年 『プーさんとであった日 世界でいちばんゆうめいなクマのほんとうにあったお話』
- 2017年 『Radiant Child: The Story of Young Artist Jean-Michel Basquiat』
- 2018年 『Wolf in the Snow』
- 2019年 『おーい!こちら灯台』
- 2020年以降の受賞作品
コールデコット賞受賞作品一覧④ 2000年~
過去のコールデコット受賞作品と一部のオナー受賞作品について取り上げています。
※日本語版が出版されているものは日本語版を紹介しています。
初回の1938年~1999年までの受賞作品はこちらからどうぞ!
2000年 『ヨセフのだいじなコート』
大事なコートをボロボロになるまで着込んだヨセフは、さすがに着られなくなるほど擦り切れてしまったコートをジャケットにします。
そしてそのジャケットはベストになり、そのベストがまた…というお話。
ファストファッションが根付いた今だからこそ、この大切に着ていく気持ちを大事にしたいですよね。
コラージュを使用した絵もお話に合っていて素敵です。
こちらもオススメ!
こちらは女の子が、成長と共に小さくなって着られなくなったドレスをママがリメイクしてくれるお話。
絵がスタイリッシュでカワイイので、女の子はこちらの方が気に入るかも!
オナーブックは『セクター7』
コールデコットのレジェンド、ウィーズナーの2作目のオナーブックです。
文字のない絵本なのですが、ストーリーは分かりやすいと思います。でもそこから何を読み取るかは人それぞれ。
空に浮かぶ雲を何かの形に見立てたことがあるお子さんにはオススメ。
2001年 『So You Want to be President?』
クリントン大統領までの過去の歴代大統領について書かれた絵本です。
大統領になったらできること、逆に大変なことなどや、歴代大統領に多かった名前など雑学的に楽しく読めそうです。
が、残念ながら日本語版は未刊行です。
2002年 『3びきのぶたたち』
ウィーズナー2作目のコールデコット受賞作品。
3びきのこぶたのお話かと思いきや、パロディなんて言葉では言い表せない展開になっていきます。
3びきのこぶたを楽しむ幼いお子さんよりは、小学生以上の方がより味わい深く楽しめるように思います。大人はもうウィーズナーの手腕に唸るだけw
2003年 『はなうたウサギさん』
力強い線の版画が印象的な作品です。
でも何よりウサギさんのポジティブさがスゴイ!
巻き込まれるのは勘弁してほしいけど…でもこのポジティブさは見習うところがあるかも!?
2004年 『綱渡りの男』
今はもうない、あの世界貿易センターのツインタワー。
あのタワーの間を綱渡りした人物がいるのをご存知でしたか?
これはそんな実話をもとに描かれた作品です。
大人の皆さんにも読んで欲しい!
マイタケの絵本レシピとしても紹介しています。
2005年 『まんまるおつきさまをおいかけて』
お月さまをミルクが入ったお皿だと思い込んで追いかけ続けるネコちゃん。
何度も何度も月をめがけてチャレンジする姿がほほえましい。
ラストはほっこり、かわいい作品です。
2006年 『こんにちは・さようならのまど』
おじいちゃんとおばあちゃんの住む家に預けられる、日常の中の幸せな時間を描いた作品。
台所の窓から二人の家を覗き、手を振ったり変な顔をしたり。いつもあたたかく迎えいれてくれる「まほうのまど」、いいですよね。
絵はストレートな言葉でいえば子どもが描いたような絵ですが、だからこそ温かみを感じます。
2007年 『漂流物』
浜辺に流れ着いたカメラを手にした少年。
そのカメラには想像もできない色々な世界が映されていた…
海の中には本当にこんな世界があるのかもしれないと思わせてくれる表現力。
大人にもオススメ、ウィーズナー3回目のコールデコット受賞作品です。
2008年 『ユゴーの不思議な発明』
最初に手にすると、その分厚さに驚くかもしれません。
中身は精密な鉛筆画、そして文章。
絵本というには…ですが、児童書なのは間違いありません。
原書は表紙が違うので、印象もかなり変わりますね。
ちなみに映画化もされており、日本語版もあるのですがこちらはタイトルが「ヒューゴの不思議な発明」となっています。
2009年 『よるのいえ』
マザーグースに着想を得た詩の絵本で、『これはおうこくのかぎ』がヒントになったそうです。
視点がどんどん高くなっていき、また戻ってくる。
おやすみ前の読み聞かせにもいいですね。
2010年 『ライオンとネズミ イソップ物語』
一度見たら忘れられないほどの迫力があるこの表紙!
良く知るイソップ物語のお話ですが、この絵本に文章はありません。
だけどこの絵ですべて伝わってくるのです。
ちなみに、うさぎとかめのおはなしもあります。
2011年 『エイモスさんがかぜをひくと』
動物園の飼育係でもあり、動物たちの友達でもあるエイモスさん。
そんなエイモスさんが風邪をひいて休んだ日、動物たちがとった行動にほっこり。
細い繊細なラインと版画の木目、色合いもとても素敵です!
2012年 『A Ball for Daisy』
自分にとっての特別なおもちゃ、誰にでも思い出があることでしょう。
そしてそれを失った悲しみも想像できます。
きっとお子さんもデイジーに共感しちゃうんじゃないでしょうか。
ほぼ文字のない絵本なので、英語版でも大丈夫!
2013年 『ちがうねん』
ジョン・クラッセンのぼうしシリーズと呼ばれる『どこいったん』『ちがうねん』『みつけてん』。
その2作目がこちらです。
ちいさなさかながぼうしを盗んでしまい、誰にもバレてないと思ったけど…?
関西弁とどことなくユーモラスな表情がよりシュールな怖さを醸し出していますね…
オナーブックは『アナベルとふしぎなけいと』
この年のコールデコットはジョン・クラッセン旋風でした。
こちらは編んでも編んでもなくならない毛糸と女の子のお話をカラフルで鮮やかに描いています。
ぼうしシリーズや、マック・バーネットとの別作品にもあるちょっとしたブラックさはない、素敵なお話です。
2014年 『走れ!機関車』
1869年、アメリカ大陸横断鉄道が完成し、東のオマハから西のカリフォルニアまで4日で行けるようになりました。
そんな鉄道の旅をする家族を通して、どんな旅だったのかが分かります。
いつの時代でも、大規模な工事には犠牲者もいたことを忘れないでいたいですね。
オナーブックは『ミスター ワッフル!』
高い文明を持った宇宙人でも、ネコの前ではおもちゃでしかない!?
宇宙船を壊されてしまった宇宙人たちが協力した地球の生き物は?
コールデコット3度受賞のレジェンド、ウィーズナーの発想に今回も唸らされます。
2015年 『ビークル ゆめのこどものおはなし』
イマジナリーフレンドという言葉で表すのは何か違う気もする、ゆめのこども。
何か夢中になれることが見つかった子どもに、ゆめのこどもは現れるのかもしれません。
絵が可愛らしくて、抽象的なお話だけどほっこりします。
オナーブックは『サムとデイブ、あなをほる』
サムとデイブがおじいちゃんの家の庭に穴を掘る。
掘って掘って掘り続けて行って行きついた先、なーんだ!と思って終わってませんか?
ぜひ掘り始めのページと見比べてみてください。
え?あれ?と気づいたとき、このコンビ作品にあるブラックさに気付くのです…
2016年 『プーさんとであった日 世界でいちばんゆうめいなクマのほんとうにあったお話』
くまのプーさんにモデルがいたことはご存知でしたか?
ハリー・コルボーンという獣医師が戦地に向かう途中で出合った一匹の小熊、ウィニーがそう。
そんなハリーの曾孫がつくったお話です。
最後には実際のウィニーの写真も載ってるんですよ~
2017年 『Radiant Child: The Story of Young Artist Jean-Michel Basquiat』
映画化もされた1980年代に活躍したアメリカ人画家・ジャン=ミシェル・バスキア。
日本では前澤友作氏が《無題》という作品をオークションに出し、110億円で落札されたニュースで知った方もいるかもしれません。
そんなバスキアの人生をコラージュ要素を取り入れた絵で描いた作品です。
残念ながら日本語版は未刊行となっています。
オナーブックは『なずず このっぺ?』
全編、さっぱり意味が分からない昆虫語になっています。
でも話を追いながらだとなんとなーくわかってくるような?
可愛い虫たちが微笑ましい、何度も読んで翻訳したくなっちゃう作品です。
この作品はこちらの記事でも取り上げています。
2018年 『Wolf in the Snow』
こちらはほぼ擬音語だけの絵本なので、絵だけでストーリーが分かります。
迷子のオオカミの子どもを抱いて鳴き声の方へ進む、同じく迷子になった女の子。
大人もグッときちゃうかも。
2019年 『おーい!こちら灯台』
2016年『プーさんとであった日』でコールデコットを受賞したソフィー・ブラッコール2度目の受賞作品です。
丁寧なところはそのままに、壮大な景色がより美しく鮮やかに描かれています。
今はもう機械化されている灯台ですが、こんなふうに人の手で守っていた時代も確かにあったんですね。
コメント