世界三大絵本賞って知ってる~??
絵本界には世界三大絵本賞と呼ばれているものがあります。
この3つの賞がそう呼ばれており、受賞すれば絵本作家として大成したも同然とも思われています。
実際、受賞者には名だたる作家たちがずらりと並んでいます。
今回はカーネギー画家賞について紹介します!
カーネギー画家賞について
カーネギー画家賞って?
2022年まではケイト・グリーナウェイ賞
ケイト・グリーナウェイ賞はイギリスの絵本作家であるケイト・グリーナウェイにちなんで1956年にイギリスの図書館協会(CILIP)によって設立された、1年でイギリス・アイルランドで最初に出版された絵本のうち、特に優れた画家に贈られる賞です。
近代絵本の流れを作った3人のうちの1人と言われています。
2023年からカーネギー画家賞に名称変更
1956年から続くケイト・グリーナウェイ賞でしたが、2023年にカーネギー賞のひとつ、カーネギー画家賞と名称が変更されました。
その理由は明らかにされていませんが、スポンサー的大人の事情なのかと推測してしまいますw
カーネギー賞とは?
アンドリュー・カーネギーの図書館界における業績を称え1937年に創設された、1年のうちイギリス・アイルランドで出版された児童書の中で最も優れたものに対して贈られる児童文学賞です。
2022年まではカーネギー賞は作家に対して、ケイト・グリーナウェイ賞は画家に対して同時に発表されていましたが、2023年からはそれぞれカーネギー作家賞・画家賞という名称に変更されました。
選考対象となるのは?
どのように選ばれる?
英国図書館協会から選出された児童図書館司書の審査員13名によって選ばれます。
しかし、候補作が選ばれるまでには子どもたちや教師の意見を反映すべく、慎重に協議が行われています。
子どもたちや教師の意見がちゃんと反映されているのが素晴らしいですね!
これまでの受賞作品抜粋
長い歴史があるので多くの作品がありますが、その中から日本語版も出版されているいくつかの作品を紹介します。
最初の受賞作品は『チムひとりぼっち』
記念すべき初回受賞作品
『チムとゆうかんなせんちょうさん』から始まるチムシリーズの6冊目が記念すべき初回受賞作品です。
『時計つくりのジョニー』など多くの作品を残したイギリスを代表する画家、エドワード・アーディゾーニの美しい挿絵が印象的です。
最初の複数回受賞作『ガンピーさんのふなあそび』
実は二度目の受賞作品
イギリスの絵本作家ならこの方のファンも多いでしょう、ジョン・バーニンガムももちろん受賞作家の一人です。
そしてこの『ガンピーさんのふなあそび』で初の複数回受賞者となった方でもあります。
日本でも人気!『さむがりやのサンタ』
クリスマスの定番名作絵本
日本でもお馴染み、クリスマスの定番絵本ですね!
漫画のようなコマ割りは最初見たときとっても斬新に思えましたが、それ以上にサンタさんの素?に笑っちゃう。
史上初のW受賞作品『ちがうねん』
コールデコット受賞作品が受賞
三大絵本賞のひとつコールデコット賞を2013年に受賞していた『ちがうねん』は2014年のケイト・グリーナウェイ賞に選ばれました。
この二つのW受賞は絵本史上初のことなんです!
大人のファンも多いショーン・タン『内なる町から来た話』
メッセージ性の強い短編集
毎回強烈なインパクトを残していくショーン・タンの、『遠い町から来た話』姉妹編。
読み解くのにこちらもパワーが削られるスゴイ作品ばかりです。
複数回受賞者はいるの?
作品に対しての受賞なので、コールデコットと同じように複数回受賞者も存在します。
というか結構たくさんいますw
追うのが大変かもしれませんが、全員載せてみたので興味がある方はぜひ。
3回受賞したレジェンドはクリス・リデル
2回受賞は結構いますが、3回も受賞したのは今のところこの方だけ。
最初の受賞は2002年
2作目は2004年
3作目の受賞は2016年
どの作品の絵も迫力があって、大人も楽しめるものばかりです。
2回受賞者は14人!
1963年『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』
1970年『ガンピーさんのふなあそび』
1965年『Three Poor Tailors』
1975年『バイオリンひきのミーシカ』『Horses in Battle』
1966年『マザーグースのたからもの』
1973年『さむがりやのサンタ』
1967年『チャーリーとシャーロットときんいろのカナリア』
1981年『The Highwayman』
1969年『カングル・ワングルのぼうし』『うちのペットはドラゴン』
1999年『ふしぎの国のアリス』
1971年『海の王国』
1979年『おばけやしき』
1977年『ぼくのワンちゃん』
2003年『Ella’s Big Chance』
1978年『もものきなしのきプラムのき』
1991年『ゆかいなゆうびんやさんのクリスマス』
1982年『ニョロロンとガラゴロン』『Sleeping Beauty and other Favorite Fairy Tales』
1989年『ウォー・ボーイ 少年は最前線の村で大きくなった』
1983年『すきですゴリラ』
1992年『どうぶつえん』
1995年『The Christmas Miracle of Jonathan Toomey』
1997年『When Jessie Came Across the Sea』
1996年『いやだあさまであそぶんだい』
1998年『かぼちゃスープ』
2005年『オオカミ』
2007年『Little Mouse’s Big Book of Fears』
2018年『うみべのまちで』
2021年『このまちのどこかに』
今年の受賞者は??
2024年6月、今年度のカーネギー画家賞が発表されました。
2024年の受賞作品は『The Tree and the River』
文字のない美しい絵本
アーロン・ベッカーはアメリカ人絵本作家で、『ジャーニー』はコールデコット賞のオナーブックにも選ばれています。
この絵本も文字のない美しい絵が印象的な作品ですが、残念ながらまだ日本語版は出版されていません。
50周年記念ベスト10作品
ケイト・グリーナウェイ賞の50周年を記念して、これまでの受賞作品の中からお気に入りを選ぶ投票がオンラインなどで広く行われました。
その投票で選ばれたベスト10作品を紹介します。
- 『チム ひとりぼっち』エドワード・アーディゾーネ
- 『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』ジョン・バーニンガム
- 『さむがりやのサンタ』レイモンド・ブリッグス
- 『ぼくのワンちゃん』シャーリー・ヒューズ
- 『もものきなしのきプラムのき』ジャネット・アールバーグ
- 『マグノリアおじさん』クェンティン・ブレイク
- 『The Highwayman』チャールズ・キーピング
- 『すきですゴリラ』アンソニー・ブラウン
- 『不思議の国のアリス』ヘレン・オクセンバリー
- 『ぜったいたべないからね』ローレン・チャイルド
得票率1位は『わたしのワンちゃん』!
でも2位の『もものきなしのきプラムのき』とは1%未満の僅差だったんだって!
世界三大絵本賞のひとつ、カーネギー画家賞を紹介しました!
もうひとつ、コールデコット賞と国際アンデルセン賞についてはこちらから~
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