ねー、しょうわの日って何の日なの?
んー…昭和天皇のお誕生日?
あれ、でもみどりの日じゃなかったっけ?
なんて思ったこと、ありませんか?
4月29日といえば、親世代なら「みどりの日」ですよね。
それがいつの間にか「昭和の日」になっちゃって、改めて聞かれると何故なのかは答えられない。
親世代からも昭和が遠ざかりつつある今、昭和の日を通して昭和を感じてみましょう!
「昭和の日」についての基本
昭和の日とは?
内閣府の「国民の祝日について」によると、昭和の日は激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす日です。
昭和を生きてきた世代に感謝と、これからを担うわたし達の決意を感じる日でしょうか。
なぜこの日なの?
この日は昭和天皇のお誕生日です。
昭和時代は天皇誕生日として祝日になっていましたが、昭和天皇崩御の際に天皇誕生日ではなくなってしまいました。
それまでの時代は先帝のお誕生日も祝日とされていましたが、戦後、祝日法が制定され、先帝のお誕生日は祝日ではないことに。
しかしこの日はゴールデンウィークに絡む大型連休を形成する日となっており、平日にすると社会的・経済的に影響が大きいという懸念がありました。
そして結局、「みどりの日」として祝日のままになったそうです。
ちなみに「みどりの日」は自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ日でした。
昭和天皇が植物に造詣が深かったことから、そのように制定されたといわれています。
ちなみに「文化の日」は明治天皇のお誕生日なんだって!
みどりの日から昭和の日になったのはなぜ?
昭和天皇崩御の年から「みどりの日」として祝日となっていたこの日ですが、2007年からは「昭和の日」になりました。
そして「みどりの日」は祝日に挟まれ「国民の休日」となっていた5月4日になりました。
2005年の祝日法改正に伴うものですが、これは昭和という名前を残すことで、戦争を経験した時代を忘れないで欲しいという思いもあるようです。
昭和の日に行われていることは?
神社などで昭和天皇の誕生を祝う行事が行われている
一部神社などで昭和天皇のお誕生日に伴う祭事が行われています。
今後、昭和レトロを感じるイベントなどが開催されるようになるかもしれませんね!
昭和の日に読みたい絵本
昭和の日に読みたい、昭和時代を感じられるちょっとレトロな絵本を紹介します。
昭和の日常風景が描かれた絵本
今はもうほぼ見かけない、だけど昭和時代には当たり前であっただろう風景が描かれた作品を紹介します。
はじめてのおつかい
みいちゃんはママに頼まれて牛乳を買いに出かけます。自転車にベルを鳴らされてどきんとしたり、坂道で転んでしまったり、ひとりで歩く道は緊張の連続です。坂をあがると、お店につきました。お店にはだれもいません。みいちゃんは深呼吸をして、「ぎゅうにゅうください」と言いました。でも、小さな声しかでません。お店の人は、小さいみいちゃんには気がつかないみたい……。小さな女の子の心の動きを鮮やかに描いた絵本です。
福音館書店「はじめてのおつかい」
はじめてのおつかいといえばあのテレビ番組を思い起こす方も多いかもしれません。
こちらで描かれているのもそんなドキドキのはじめてのおつかい。
だけど、描かれている風景はとてもレトロで昭和の香りがします。
今はもう、こんなふうに子どもが一人で歩いていたら通報される時代になってしまいました。
でも、絵本の中でならこんなおつかいだって出来ちゃいます。
親になってしまうと親目線で見てしまうからこそ、子どものころに出会っていてほしい名作です。
おふろやさん
家族でお風呂屋さんに出かけたあっちゃん。立派な屋根と高い煙突のお風呂屋さんに入り、脱衣所で服を脱いでお風呂場へ。たくさんの人が身体を洗ったり湯船につかったりしています。湯船の上には富士山と松林の絵。あっちゃんは身体を洗い、ともだちと少し湯船で遊びます。お風呂を出たら、服を着て牛乳を一本飲みます……。子どもからおじいさんおばあさんまで、おおぜいで賑わうお風呂屋さんの様子を生き生きと描きます。
福音館書店「おふろやさん」
街中の銭湯の数もかなり減ってきています。
家にお風呂があるのが当たり前の時代、銭湯はもはやレジャーになりました。
でもここにあるのは、日常にある銭湯の風景。
生活の一部だった銭湯、古き良き時代の銭湯です。
昭和の日、この絵本を読んで一緒に銭湯へ行ってみるのもいいですね!
そしてお風呂上がりに最高の牛乳を飲んでください!
よーいよーいよい
お散歩するときのおじいちゃんの口ぐせは「よーいよーいよい」。いっしょに歩けば、のんびり楽しい時間が広がって…。愛情あふれるお話。
ひさかたチャイルド「よーいよーいよい」
「よーいよーいよい」が口癖のおじいちゃんと、孫のお散歩。
なんてことのないお散歩ですが、描かれている町並みに昭和を感じます。
のんびりじっくり、おじいちゃんのペースに合わせて。
合理的でスピード重視な現代だからこそ、このゆったりとした空気に時代を感じるのかもしれません。
こんなおみせ しってる?
ちょっと珍しいお店や、これから無くなってきそうな昔ながらのお店を取材して絵本にしたのが、実は25年前のことでした。駄菓子屋、サンプル屋、人形やロボットを売るお店など、細かく描き込まれた場面は、今も子どもたちの興味をひくことでしょう。人体模型や蛇屋など、少しこわさを含んだ場面も、ふしぎな世界をかいま見せています。登場する人々の指さきがみな生き生きとしているのは、作者が舞台俳優でもあったせいでしょうか。
福音館書店「こんなおみせ しってる?」
大型スーパーやショッピングモールが当たり前になった今、商店街が身近にある方の方が少ないかもしれません。
ここにあるのは、親世代のわたしでも「こんなお店本当にあったの?」と思わされるお店たち。
だって蛇屋さんや人体模型屋さんなんて知ってました!?
もはや異世界、だけど何故か懐かしさも感じるお店たちを堪能してください。
おみせ
あげたてのコロッケを売り、ケースに精肉やハムが並ぶ肉屋。白いタイルの台の上にさまざまな魚や切り身がびっしりと並ぶ魚屋。竹ぼうきやシュロのほうきが立てかけられた荒物屋。傘屋、本屋、呉服屋、菓子屋、たたみ屋……。全国各地に取材したスケッチにより、昔ながらの町並みを現在まで伝えてきたたくさんの店が登場する、文字のない絵本。『えんにち』に続く、五十嵐豊子の第2作。
福音館書店「おみせ」
鮮やかな表紙が目を引く絵本。
こちらも昔ながらのお店が並ぶ、文字のない絵本です。
一見しただけじゃ何屋さんか分からないものもあり、クイズ的にも楽しめます。
作者の五十嵐豊子さんが日本各地を取材しながらスケッチしたそう。
ということは、日本のどこかに実在していたお店たちばかりなんですね。
実は巻末にお店の所在地が載っているんです。
もしかするとあなたの近所のお店があるかも!
かわ
高い山の雪どけ水や、山に降った雨から生まれた小さな流れは、谷川となって山を下ります。小さな流れは、ダムに貯められて発電所で電気を起こしたり、激しい水の勢いで岩をくだいて小さな石ころにしたりします。そして、やがて平野に出るとゆるやで大きな流れになります。田んぼを潤し、水遊びや魚釣りの場となり、いつしか大きな川になって、最後に海へとそそぎます。一つの川をめぐる自然と人間の営みを横長の画面いっぱいに細部まで描き込んだ絵本です。
福音館書店「かわ」
谷川から海へと続く川を壮大に描いたかこさん渾身の作品。
細かく細かく描かれた中に、昭和初期の風景が残されています。
じつは2016年に記念刊行された絵巻版と、この絵本版では違いがあるんです。
かわが汚れてしまったという文が最新版には載っていません。
環境の変化とともに不必要だと判断されたそうです。
長く読み続けられてきた絵本でも、時代の流れとともに少しずつ変わっていくものもあるんですね。
旅の絵本Ⅷ
繊細な筆使いで、世界各地を舞台に旅の楽しさを描いてきた「旅の絵本」シリーズ。第8巻となる今回の旅の舞台は、待望の日本です。作者の安野光雅さんが生まれ育ったころの津和野をはじめとして、日本各地のなつかしい風景が、お花見や田植え、お祭りに紅葉などの、季節の移り変わりとともに描かれています。巻末には、「電気のなかったころのこと」と題して、東日本大震災後の日本を思う、著者のエッセイを収録。
福音館書店「旅の絵本Ⅷ」
こちらは精密な絵でお馴染みの安野さんが描いた昭和の日本です。
同じ国といえど、地方や時代が変わればまるで別の国のように旅をする気分を味わえます。
のどかで自然あふれる風景に癒されたり、移ろう季節にしみじみしたり。
旅人と一緒に、ノスタルジックな昭和を旅してみましょう!
昭和のちょっと特別な日
日常ではない、ちょっと特別な一日にも時代を感じるあれこれが残されている作品を紹介します。
なつやすみ
こうたくんの家に、いとこの家族が遊びにきました。みんなでプールで遊んだ後は、家でそうめんの昼食をかこみます。昼寝から覚めたらスイカを食べて、夜は神社のお祭りへ。夜店の金魚すくいに夢中になったこうたくん、気がつくと「あれ、みんなどこいっちゃったの?」……。ユニークな構図でえがく絵の中では、朝顔が咲き、セミが鳴き、祭りばやしの笛の音が聞こえるかのようです。かがやく夏の一日を、どうぞおたのしみください。
福音館書店「なつやすみ」
今も昔も、子どもたちにとって特別な日常になるのが夏休みですよね!
もしかすると今もこんなふうに帰省先で過ごす方もいるかもしれません。
おばあちゃん家にある!なんて喜ぶ子どもの顔が見えてきそう。
今に残る昭和と、もう存在しない昭和が両方感じられるような作品です。
えんにち
お兄ちゃんと妹が神社の境内に出かけてゆくと、縁日の準備をしています。やがてたくさんの夜店が並びました。わた菓子、いか焼き、お好み焼き、金魚売りに、ひよこ売り……。日が沈むとともに人出も多くなり、大人も子どもも目を輝かせて夜店をのぞいてゆきます。最初に登場した兄妹は、いったい何を買ったのでしょうか。お祭りの賑わいや時の流れを、丹念に描かれた絵だけで伝えます。“文字のない絵本”の傑作です。
福音館書店「えんにち」
上に出てきた「おみせ」の五十嵐さんの作品です。
独特な表紙ですぐ分かりますよね!
この絵本も文字のない、縁日の準備から始まる流れを丁寧に描いたものです。
屋台の形式は同じでも、やはり今はもう見ない屋台もたくさん。
この屋台は何だろう?って親子で盛り上がりますよ!
だいちゃんとうみ
夏休み、だいちゃんは海の近くに住むいとこのこうちゃんの家に行きました。朝早く、船着き場にいって漁師のおじさんから漬け物と交換に魚やエビなどをもらいます。朝ご飯が終わると、小川でカワエビをすくい、それを餌に海に出て魚を釣り、お昼には浜辺で“みな”という貝を採って“みなめし”を炊きます。作者の子どものころの夏の海辺の生活をいきいきと描きだします。
福音館書店「だいちゃんとうみ」
昭和初期ごろの海辺の風景でしょうか。
提灯や囲炉裏に時代を感じますが、子どもの遊び方は今も変わらないと感じます。
今はスマホやゲームに夢中な子どもたちも、きっとこういう場所に行けばこんなふうに遊ぶんだろうなあ。
ちょっと特別な夏の日常、いいなあ。
やこうれっしゃ
人々がホームから夜行列車に乗り込みました。乗客たちは車中でおかしを食べたり、トランプをしたり、思い思いのときを過ごします。やがて、夜がふけ乗客たちは、客席や寝台車両で眠りにつきます。そして、朝をむかえると夜行列車は目的の駅につくのです。上野から金沢に向かう夜行列車で過ごす一夜。見開きいっぱいに描かれた絵からは、まるで乗客たちの会話がきこえてくるようです。今では珍しくなった夜行列車と人々の旅の営みをつたえる文字のない絵本です。
福音館書店「やこうれっしゃ」
夜行列車、乗ったことのあるお子さんの方が少ないかもしれません。
今も現役の夜行列車は「サンライズ出雲・瀬戸」という列車のみ。
東京から島根県の出雲市、香川県高松市を結ぶこの寝台列車だけが定期的に運行しています。
他にはいくつか臨時の寝台列車があります。
たとえ今の時代に乗っても、この絵本のような光景に出会うことはないでしょう。
おびやかされた日常
昭和を語るには外せない戦争。突然脅かされた日常を描いた作品を紹介します。
はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま
原っぱは子どもの天国だ。戦中、戦後の原っぱを舞台に遊びと環境の移りかわりを克明に描く。
童心社「はらっぱ 戦争・大空襲・戦後…いま」
定点観測だからこそ、ある日突然奪われてしまった日常が心に刺さります。
だけど移ろう時間の中でたくましく遊ぶ子どもたちの姿に救われるような気持ちに。
今も世界ではこんなふうに日常が奪われている“はらっぱ”があるかと思うと胸が痛いです。
秋
倉庫に眠っていた、かこさとし未発表作品は、コロナでステイホームの期間中、
加古総合研究所の鈴木万里さん(かこさとし長女)が作品整理中に見つけたものです。
この作品の最初の原稿執筆が1953年、なんと構想から実に68年、
半世紀以上を経て初めて世に出るオリジナル作品です。テーマは、かこさんが終生、憎んでいた「戦争」です。
Amazon「秋」商品説明より
太平洋戦争のとき、高校生だったかこさんが体験した実話です。
戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、いつまでも忘れないようにと
子どもたちに伝えようとした作品です。
平和を願うかこさんの強い思いが込められています。
戦争体験者であったかこさんの、実体験をもとに描かれた未発表作品です。
いつもの日常に戦争が見える、だからこそ怖くてとてもかなしい。
どうすることもできずにたくさんの命が消えていった時代を繰り返してはならないという強い意志が見えます。
わたしは涙が出ました…
大人にも、大人にこそ読んで欲しい絵本です!
祝日シリーズは他にもあります!
こちらは勤労感謝の日に関するお米絵本とお仕事絵本。
閻魔賽日ってどんな日なのか知ってますか?
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