安野光雅さんの「旅の絵本」シリーズは、世界各国の風景や文化を楽しめる文字のない絵本です。
このシリーズはどの巻から読んでも楽しめるため、読む順番を気にする必要はありません。
ですが、はじめて読むなら「旅の絵本Ⅰ」がおすすめ。
遊び心の感じる描写が多く、緻密な絵をじっくり楽しみながらシリーズの醍醐味を味わえます。
細かい描き込みを探して見つけるのも楽しいので、親子で「ここに〇〇があるね~」と会話が弾みます。

探し絵要素もあって楽しいよね!

ウォーリーを探せ!やミッケ!が好きな子はハマりそうですね
この記事では、旅の絵本シリーズを順番に、どの国・地域が描かれているのか、それぞれの巻に隠されたネタバレ的要素も一緒にまとめています。
旅の絵本ってどんなシリーズ?
それぞれの国の風景が細かく描写されていて、世界を旅するように楽しめる絵本として人気のシリーズです。
その国の文化、風習の描写だけでなく、ゆかりのある人物やお伽話の登場人物が描かれていることもあり、探し絵のようにも楽しめます。
文字もなく大きなストーリーもないので、どの巻から読み始めても大丈夫です。

安野さんはこの『旅の絵本』が世界的に評価され、国際アンデルセン賞を受賞しています!
➤ 国際アンデルセン賞って?小さなノーベル賞ともいわれる絵本賞を解説
旅の絵本 シリーズ一覧
旅の絵本Ⅰ 中部ヨーロッパ編
ヨーロッパを舞台に童話や名画のモチーフが数多く登場する、シリーズの原点となる1冊です。
旅の絵本Ⅱ イタリア編
明るく美しいイタリアの街並みを舞台に、聖書の物語や歴史的なモチーフが数多く登場する1冊です。
旅の絵本Ⅲ イギリス編
落ち着いたイギリスの風景を舞台に、童話や文学作品のモチーフが数多く登場する1冊です。
旅の絵本Ⅳ アメリカ編
広大なアメリカの風景を舞台に、歴史的な出来事や開拓時代の文化が描かれたスケールの大きな1冊です。
旅の絵本Ⅴ スペイン編
情熱的なスペインの街並みを舞台に、宗教や芸術にまつわるモチーフが印象的に描かれた1冊です。
旅の絵本Ⅵ デンマーク編
北欧の穏やかな風景を舞台に、童話や日常の暮らしがやさしく描かれた温かみのある1冊です。
旅の絵本Ⅶ 中国編
広大な中国の風景を舞台に、歴史や伝統文化、独特の生活風景が細かく描かれた1冊です。
旅の絵本Ⅷ 日本編
昔ながらの日本の風景を舞台に、昔話や身近な文化が散りばめられた親しみやすい1冊です。
旅の絵本Ⅸ スイス編
美しいアルプスの自然を舞台に、ヨーロッパの文化や暮らしが丁寧に描かれた風景豊かな1冊です。
旅の絵本Ⅹ オランダ編
運河と街並みが広がるオランダを舞台に、絵画や文化的モチーフが織り込まれた味わい深い1冊です。
初めて読む人向け!「旅の絵本」おすすめ選び方
最初に読むならⅠ中部ヨーロッパ編
どれにしよう?と思ったら、まずは最初の巻を手に取ってみてください。
異国感溢れる緻密な描写の中に、探し絵や隠し絵、騙し絵も豊富に描かれています。
まさにこのシリーズの楽しさを象徴する1冊ですよ!
続編は気になるものからでOK
このシリーズはどこから手をつけても大丈夫です。
大谷選手の活躍でアメリカに興味を持ったならⅣアメリカ編、サッカーが好きでバルセロナを知ったならⅤスペイン編。
今度中国へ行くならⅦ中国編、英語を習っているならⅢイギリス編。
そんなふうにお子さんの興味に合わせて選んでみるといいと思います。
探し絵として楽しみたいなら、アメリカ編やイギリス編がおすすめ!
全巻セットで揃える方も!
世界各国で翻訳版も出版されており、うちの国を描いて欲しい!とのリクエストも多かったという旅の絵本シリーズ。
安野さんの死後、全10冊セットも発売されました。
コツコツ揃えていた方も大人買いしちゃう方も多いシリーズなので、安野さんの作品が好きな方は専用ボックス付きの全巻セットもおすすめです。
旅の絵本の楽しみ方
旅人を追いかける
この絵本は、馬に乗った青い帽子の旅人が旅をする設定になっています。
なので、ほぼどのページにも旅人がいるんです。
ちなみに馬を繋いでお出かけしている場面もあったり。
ここでは何をしているのか?なんて考えながら読むと楽しいですよ!
その国の風習を味わう
旅人はその国で結婚式やお葬式を見たり、日常生活を覗いたりしています。
その国ごとに特徴的なものは描かれているので、知っているものとの違いを楽しめます。
また、日本ではあまり馴染みのない宗教的儀式も描かれているので会話が弾みますよ。
探し絵本として遊ぶ
このシリーズにはそれぞれの国の特徴的なモチーフが登場します。
例えば日本編には、浦島太郎や金太郎などの昔話の登場人物が描かれていたり、中部ヨーロッパ編には名画の「落ち穂拾い」やおおきなかぶのシーンが登場したり。
他にも、騙し絵になっていたり、隠し絵があったり、小さなストーリー性がある描写があったりと何度も楽しめる作品になっています。
各巻の探し絵的要素は下で詳しく解説しますね!
旅の絵本に隠された秘密
ここでは、安野さんの遊びゴコロを探し出せた分だけネタバレ的に教えちゃいます。
まだまだ見つけられていないものもあると思うので、随時更新していきます!

すべての巻に共通しているのは、「ANNO」と出版年の西暦が描かれている箇所があること!
ぜひ探してみてください。
中部ヨーロッパ編のひみつ
中部ヨーロッパとはどこを指すのか?
旅の絵本シリーズは、各巻それぞれでテーマとなっている国があり、Ⅰは中部ヨーロッパ編となっています。
ですが、シリーズ化を前提にしていたとは思えない上、アメリカやイギリスと思われる箇所もあるんです。
中部ヨーロッパ編とつけられたのは後日なので、この巻に関しては具体的な欧米を意識されていたのかも。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- お話シリーズ
- 名画シリーズ
イタリア編のひみつ
各所に聖書の物語が散りばめられています
イタリアにはカトリック総本山があるからでしょうか、このイタリア編には各所に聖書の物語が描かれています。
アダムとイヴのエデン追放から、受胎告知、キリスト誕生、ヨハネの洗礼…
知らないとスルーしてしまう描写ですね。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- お話シリーズ
- 名画シリーズ
イギリス編のひみつ
イギリスといえばマザーグースやシェイクスピア
この作品のあちこちに、マザーグースのお話やシェイクスピアの名場面が描かれています。
わたしはあまり詳しくないので、もっと見つけた方は教えてくださいね。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- お話シリーズ
- シェイクスピア
アメリカ編のひみつ
映画やキャラクターたちがいっぱい
アメリカといえばハリウッド映画、ということで有名映画のワンシーンが各所に描かれています。
わたしは映画も詳しくないので見落としも多々あると思います。
映画がお好きな方はぜひ探してみてください!
名作絵本も豊富なアメリカ、あのキャラクターたちもいますよ。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- お話シリーズ
- 名画シリーズ
スペイン編のひみつ
ドン・キホーテの物語が各所に
スペイン編では、スペインならではのお祭りやフラメンコ、闘牛などが描かれています。
その中で各ページごとにドン・キホーテの物語のシーンが多くあります。
ページごとに物語が進んでいますよ。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- お話シリーズ
- 名画シリーズ
デンマーク編のひみつ
アンデルセン童話の世界
デンマークといえばアンデルセン、この作品にはアンデルセン童話のワンシーンが多く描かれています。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- アンデルセン童話
中国編のひみつ
名画「清明上河図」のオマージュ
中国の旅は、川の下流から上流へと旅していきます。
そして開き方もこれまでとは逆、安野さんのこだわりが感じられます。
北宋時代の都・開封を描いた中国の名画「清明上河図」をオマージュしているので、探し絵的な遊び要素はほとんどありません。
その分、その地で暮らす人々の様子が丁寧に描かれています。
日本編のひみつ
古き良き田舎の風景
日本編は安野さんの故郷である津和野を始め、古き良き日本の田舎の風景が広がっています。
また、東日本大震災後に描かれたこともあり、奇跡の一本松など東北の風景も。
原発事故を受け、電気のないころの日本を意識的に描かれています。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?
- お話シリーズ
スイス編のひみつ
90歳を超えての作品
こちらは安野さんが90歳を超えてからの作品になります。
特徴的な緻密さは控えめになっていますが、90歳過ぎての作品と思えば凄すぎますよね。
登場人物もさほど多くないので、探し絵要素も控えめです。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにいる?

公式にはパウル・クレーやセガンティーニ関連のものも描かれているとあるんですが、わたしは知識不足で分かりませんでした…
オランダ編のひみつ
死後発見された遺稿
2020年に安野さんが逝去されたあと、アトリエから発見された原画がありました。
その原画をもとに編集して作られた作品です。
探してみよう!隠されたモチーフ
- どこにある?
旅の絵本で世界中を旅しよう
旅の絵本シリーズはどの巻からでも楽しめる絵本ですが、はじめて読むなら探し絵や物語のモチーフが豊富な「中部ヨーロッパ編」から手に取るのがおすすめ。
細かい描き込みの中に童話や名画、文化的な要素がさりげなく隠されていて、ページをめくるたびに新しい発見があります。
親子で会話しながら読んだり、自分なりのストーリーを想像したり、読み方によって楽しみ方が広がるのもこのシリーズの魅力。
何度も読み返しながら、お気に入りを見つけてみてください。

コメント