今年のオリンピックはパリだったね。
パリとかフランスって、なんかオシャレなイメージ!
だよね。
絵本もなんとなくオシャレなものが多いんです。
4年に一度のスポーツの祭典、オリンピック。
前回はコロナ禍の中でも東京で行われたことで、注目を集めましたね。
あれから3年、今年は再びパリでオリンピックが開催されました。
今回はその舞台、パリのあるフランスに注目して絵本を選んでみました!
フランスについての基本データ
フランス共和国/France Republic
- 人口…6804万人
- 面積…54万9,134平方キロメートル
- 首都…パリ
- 言語…フランス語
- 通貨…ユーロ
- 元首…大統領
フランスでは日本文化が人気!
「Japan Expo」というイベントをご存知でしょうか?
パリで開かれる、フランス人によるフランス発の日本文化と世界のエンターテイメントの祭典です。
日本が売り込んで開催した訳ではなく、日本文化を愛するフランスの方々が自発的に開いているイベントなんです。
2023年には25万人以上が集まったという、人気イベントなんですよ!
お馴染みのフランス昔話絵本
フランスの昔話といえば、お馴染みシャルル・ペローの童話たち。
後にドイツのグリム童話として重なっているものもありますが、違いを楽しんでみるのも面白いはず。
その他の昔話も含め、フランスで語り継がれてきたお話を紹介します。
シンデレラ
丁寧に描き出されたシンデレラは気高く、ガラスの靴はまるで本物のよう、宝石のような珠玉の絵本です。
Amazon「シンデレラ」商品説明より
ペローの童話を絵本で探すのは、実は難しいのです。
お馴染みシンデレラも、お話は知っていてもいざ絵本で!となるとアニメ調のものやディズニーのものしか出てこない。
この絵本はあのミキハウスが出版したもので、幼児向けではないのですが、そもそもペローのシンデレラ自体幼児向けではないお話なので…
こちらも小学生くらいからおすすめです。
ちなみに絶版なので中古か、図書館などで探してみてください。
お話に違いはあるの?
子どもが好きならディズニーのシンデレラも馴染みがあっていいですよね。
多くの昔話がそうであるように、死がもっと身近な時代に語り継がれてきたお話は残酷なものも多いです。
ですが、ペローのお話は貴族向けに書かれたものなので、生々しい描写はほぼありません。
逆にシンデレラのお話が怖いのはグリム版です。
これは一時話題にもなりましたよね。
長ぐつをはいたネコ
お父さんが死んでしまったあと、無一文になった若いご主人のために、機知に富んだ一匹の猫が大活躍。ご主人様をとうとう侯爵さまにしてしまう痛快なお話を華やかに描いた絵本。
Amazon「長ぐつをはいたネコ」商品説明より
こちらも人気のお話のひとつです。
日本でもアニメーションにもなり、多くの作家が描いている魅力的なお話。
上は岩波書店の出版ですが、福音館書店のものもいいと思います。
他にもたくさんあるので、絵が素敵なものをいくつかご紹介。
同じお話でも印象が全然変わってくるので、読み比べもおすすめです!
11ぴきのねこでおなじみ、馬場のぼるさん版も!
赤ずきん
ポターの語る少女とオオカミと赤いフードのお話は、シャルル・ペローのオリジナル・フランス版により近い結末。一度、オオカミに食べられてしまったらもう二度と…。イギリスの田舎の風景、オクセンバリーの描く挿絵が美しい。
Amazon「赤ずきん」商品説明より
ペロー童話には赤ずきんもあるのですが、こちらはグリム版の方がハッピーエンドです。
ペロー版には助けてくれる漁師は出てこないんです。
赤ずきんちゃんが食べられて終わり、バッドエンドなんですね。
漁師を登場させ、赤ずきんちゃんが戻ってくるハッピーエンドはグリム兄弟のものなんです。
ペローのお話は上流階級の女性向けに書かれているのですが、オオカミ=男性、赤ずきん=処女として性的警告を含んだお話となっていたようです。
上の絵本はピーターラビットのおはなしの作者、ビアトリクス・ポターが再話した、ペロー版により近いお話です。
より馴染みのあるグリム版はこちらがおすすめ。
きこりとおおかみ
ある冬、オオカミは食べ物をさがしてきこりの家に忍びこんだものの、熱いスープをかけられて、頭を大やけどして逃げていきました。1年後、きこりが森で木を切っていると頭のはげたオオカミが群れをつれてやってきました。きこりは木に登って逃げますが、オオカミは1ぴきずつ肩の上に乗って、迫ってきます。そこで、きこりは……。フランスの昔話を堀内誠一がダイナミックに描きます。
福音館書店「きこりとおおかみ」
こちらはペロー童話ではないですが、昔話だけあってお話が面白い!
復讐心を忘れないオオカミが怖くてハラハラドキドキ。
だけど最終的に描かれるオオカミの哀れなこと…
堀内さんの絵も臨場感があってとても良いのでおすすめです!
ふくろにいれられたおとこのこ
ピトシャン・ピトショがイチジクの木に登っていると、袋をかついだオニがやってきて、袋に入れられてしまいます。今夜のごちそうにされては大変と、ピトシャン・ピトショはハサミを使って袋から逃げ出し、袋の中に身代わりの石を詰めると、今度はオニの家に先回りして、屋根にのぼりました。帰ってきたオニと対峙したピトシャン・ピトショは、知恵を働かせてオニをやっつけます。明るく痛快なフランス民話を、堀内誠一が明快な絵で描きます。
福音館書店「ふくろにいれられた おとこのこ」
表紙の鮮やかなオニが印象的なこちらの絵本。
主人公の名前もピトシャン・ピトショというなんだかおもしろい名前なんです。
お話も痛快な鬼退治!
「きこりとおおかみ」のお二人が担当された、全く印象の違う絵とお話です。
フランス発世界的人気キャラクターたちの絵本
フランスから世界的人気となったキャラクターたちもまた、絵本の世界にはたくさんいます。
大人から子どもまで大人気のあのキャラたちの絵本を紹介します!
ぞうのババール
森で狩人におそわれ、にげだしたババール。どんどんにげて、とうとう人間の町までやってきた。はじめて見るものばかりで、ビックリの連続。そして…。ぞうのババールの、ゆかいな冒険と心温まる愛と友情の物語。世界中で半世紀以上も、親から子へと読み継がれてきた名作シリーズ。
評論社「ぞうのババール」
ロングセラーで人気のキャラクター絵本といえばババール。
こちらは親子で50冊以上のシリーズ作品が描かれ、アニメ化・映画化もされているお馴染みのキャラクターですね。
日本語版の絵本は評論社さんより出版されており、10冊の作品があります。
おばけのバーバパパ
作 アネット・チゾン、タラス・テイラー
訳 山下明生
偕成社
1972年6月発刊
対象年齢:3歳~
姿を自由に変形できるおばけのバーバパパは火事場で大活躍して、町の人気者になります。世界各国で愛読された軽妙な傑作絵本。
偕成社「おばけのバーバパパ」
バーバパパも、今も愛されている大人気のキャラクターですよね。
絵本もシリーズ化しており、何度かアニメ化もされています。
グッズは現在も豊富に出ていて、大人のファンも多いですよね。
絵本は続編以降、現在は講談社から出版されていて、サイズも違うのでご注意ください。
講談社ではミニサイズやコミック版などいろいろ出版されています。
リサとガスパールのであい
ぼくガスパール。夏休みになってリサからもう2回も手紙がきた。ぼくはまだ一度も出していないのにさ。リサとはじめて会ったのは、すごーくまえのような気がするけど、実は去年のこと…。
Amazon「リサとガスパールのであい」商品説明より
こちらも人気のキャラクター、リサとガスパール。
某パン会社のコラボで知った方も多いかもしれませんねw
パリに住んでいるオシャレなふたりはウサギでも犬でもないそうです。
風景も小物もとてもオシャレ!
パリを感じるのにぴったりなシリーズです。
2023年から出版社が変わっています
2002年にブロンズ新社から出版されていたこのシリーズですが、ブロンズ新社での発売は2021年で終了しています。
2023年に河出書房新社が引き継ぎ、訳は石津ちひろさんのままですが新訳となって出版されています。
まだ数冊の出版ですが、これからシリーズが増えていくことを祈りましょう。
オペラざへいくは旧版にもないラインナップです。
グッズも豊富!
世界的に人気のキャラクターだけあって、グッズも豊富です。
ぬいぐるみ系はもちろん、大人向けエコバッグやタンブラーなど世代を超えて愛されているのが分かります。
ペネロペ
コアラのあかちゃん、ペネロペが大活躍のしかけ絵本!
ペネロペは幼稚園で、絵の具を混ぜて絵を描いたり、おそとで遊んだり、お誕生日会をしたりと楽しいことがいっぱい!
Amazon「ペネロペ ようちえんへいく」商品説明より
しかけを動かしてペネロペを手伝ってあげてください。
こちらも「リサとガスパール」を手掛けた二人の作品です。
NHKで「うっかりペネロペ」としてアニメも放送されていたので、馴染みのあるキャラクターですね。
ペネロペは青色のコアラの女の子ですが、これはあえて中性的にするために青色にしたそうです。
絵本は子どもと一緒に遊べるしかけえほんシリーズや、日常の中で一緒にやりたくなるようなテーマのものが多め。
こちらもグッズ豊富!
ぬいぐるみはもちろん、お世話してあげられる玩具などもあります。
英語学習にもなるDVDなど、親としても与えてあげたくなっちゃうラインナップ。
知ってた?キティちゃんとのコラボ絵本
日本が誇るキャラクター、ハローキティとペネロペのコラボ絵本があるんです。
二人で一緒にりんごケーキを作るお話。
レシピもついているので、お菓子作りに興味があるお子さんにもオススメ。
フランス絵本の大人気シリーズ
ここではフランスから届いた大人気のシリーズ絵本を紹介します。
やっぱりどことなくオシャレなのはフランスならではでしょうか?
おばけパーティ
おばけのアンリが、ともだちみんなをおもてなし。どんなごちそうがでるのかな? おばけって、おりょうりたべたらどうなるの? さぁ、みんなでおばけのパーティをのぞいてみよう!
ほるぷ出版「おばけパーティ」
アニメーションにもなったおばけシリーズ。
おばけなのに全然怖くないんです!
みんな同じようなおばけなのに、個性豊かなのも楽しいですよね。
シリーズどれも楽しいお話ばかりですよ。
まるまるまるのほん
作 エルヴェ・テュレ
訳 谷川俊太郎
ポプラ社
2010年6月発刊
対象年齢:0歳~
「きいろいまるを おして つぎへ いこう」言葉に導かれて、ページをめくっていくと・・・? 読者が動かしていく参加型絵本は、まるで絵本がタッチパネルになったみたい! ? フランス発・ポップな色づかいがオシャレな絵本です。
Amazon「まるまるまるのほん」商品説明より
このオシャレな色使いはフランス発と聞いてなるほど!と思いました。
赤ちゃんも思わず手を伸ばしたくなっちゃう、楽しい参加型絵本です。
2010年に日本版が発刊されるや大人気になりましたね。
赤ちゃん向けとあって丈夫なボードブック版も出ています。
こちらの絵本はシリーズ化されており、「いろいろいろのほん」「おとえほん」も!
アートな絵本、ぜひ触れさせてあげたいですね。
うんちっち!
うさぎの子が言う言葉はただひとつ。いつでもどこでも、うんちっち。ところがある時・・・。子どもたちへの読み聞かせで大人気!フランスのロングセラー絵本。
あすなろ書房「うんちっち」
うさぎのシモンとしてアニメ化もされていたこの作品。
タイトルだけでも子どもウケ抜群ですよね。
字を読める子なら絶対に一度は手に取っちゃうやつです。
ちなみに原題は「Caca boudin」カカはフランス語でうんち、ブーダンは黒いソーセージ。
日本語訳が秀逸ですね!
げんきなマドレーヌ
パリの寄宿学校に12人の女の子が暮らしていました。いつも2列に並んで、パンを食べ、歯をみがき、ベッドに入ります。中でいちばんおちびさんで、いちばん元気なのがマドレーヌ。ネズミなんかこわくないし、動物園のトラもへいっちゃら。ところがある晩、マドレーヌがわーわー泣いています。いつもは冷静なミス・クラベルも大あわて。マドレーヌは盲腸炎で入院し手術することになったのです……。パリの香りいっぱいの絵本です。
福音館書店「げんきなマドレーヌ」
パリの絵本といえばこのシリーズが思い浮かぶ方も多いかもしれません。
パリの寄宿学校という日本ではあまり馴染みのない学校が舞台のお話ですが、おてんばなマドレーヌのキャラクターがとても魅力的。
原書での初版は1939年という古さですが、今もなお読み継がれているロングセラー絵本です。
こちらはフランスが舞台のアメリカの絵本ですが紹介しました。
初期の5作品は福音館書店から出版されていますが、作者の死後お孫さんが引き継いで描いた作品はBL出版から発売されています。
おしゃれだけどそれだけじゃない絵本
フランスといえばシニカルなユーモア。
絵本なのでそれほど皮肉ではないけれど、突き付けてくる何かがあるフランスの絵本を選んでみました。
すてきな三にんぐみ
黒いマントに黒ぼうしのどろぼう三にんぐみ。夜になると、山からえものとなる馬車を探しにやってきます。ターゲットが決まれば、手順はいつものとおり。まずはこしょう・ふきつけで、馬の眼をつぶし、お次はまさかりで、馬車の車輪をまっぷたつに。最後にらっぱじゅうで、乗客をおどせば……たちまちみな、降参! どんな人もこの三にんぐみに出会ったら、ひとたまりもありません! こうして三にんぐみは、馬車からうばった宝を、せっせと山にはこんで集めていました。
偕成社「すてきな三にんぐみ」
ある夜、このどろぼう三にんぐみが出会ったのは、孤児のティファニーちゃん。これからいじわるなおばさんとくらす予定だったティファニーちゃんは、それよりこのおじさんたちの方がおもしろそう! と、よろこんで山へついていきました。そこで、宝がぎっしりつまった箱をみつけ、素直にひとつの質問をします。「これ、どうするの?」
ところが、三にんぐみは宝をあつめることにばかり夢中で、その使い道は考えていなかったのです。そこで三にんが考えた、すてきなおもいつきとは?
1969年邦訳時から読みつがれる、ロングセラー絵本。
ほんのり怖い絵本って、子どもたちは大好きですよね!
お母さんやお父さんの膝の上で、大好きな声で体験するちょっとしたドキドキはくせになるのかもしれません。
この絵本も主役はどろぼうだし、序盤はちょっと怖い感じ。
でもそれだけじゃないところがとってもすてきです。
言わずもがなのロングセラーは今読んでもなんだかオシャレ!素晴らしい作品です。
ママはかいぞく
ぼくのママは かいぞくなんだ。
Amazon「ママはかいぞく」商品説明より
ふねのなまえは 〈カニなんてへっちゃら〉ごう。
もう なんかげつもまえから ママは たからのしまを めざして、
かいぞくなかまと そのふねで たびをしている。
たびから かえってくると、ママは いつも とてもつかれているみたい。
ママはかいぞく、の意味に気づいたとき、どうしようもなく胸が締め付けられます。
きっと世界中にかいぞくとなっているママさんはいることでしょう。
多くのかいぞくたちに、そして帰りを待つ家族たちに。
いつかかいぞくとなってしまうかもしれないわたしたちに。
みんなみんな、幸あれと願わずにはいられません。
そらいろ男爵
お手製の青い複葉機にのり、バードウォッチングを楽しんでいた「そらいろ男爵」ですが、戦争が起こり、お気に入りの飛行機を迷彩色にぬりかえて、戦いに参加せざるをえなくなります。
Amazon「そらいろ男爵」商品説明より
最初は、爆弾のかわりに打撃力のある12巻の百科事典を使い、一個大隊を撃破。
でも、戦争はつづきます。
旅行記や料理書、哲学書、天文書に歴史小説、男爵は大好きな『本』をどんどん投下します。
本を拾った将軍や兵士たちは、それぞれ本に夢中になり、戦いへの意欲がなくなってしまいます。
そして、男爵が戦争を終わらせるために最後に投下したものは……。
2014年に第1次大戦開始100年を記念して刊行され、フランスで児童書に贈られるサンテグジュペリ賞を受賞した良質の絵本。
日本でも終戦後70年になる2015年に、平和をもたらす『本の力』『ことばの力』をわかりやすく伝える貴重な一冊。
小学生から大人まで、幅広い年齢のかたに楽しんでいただける内容です。
今もなお、世界で戦争は続いています。
ここに描いてあるのは所詮きれいごとなのかもしれません。
だけど本好きとしては「本の力」を信じてみたい。
こんなふうに争いを終わらせることができたら、どんなにいいだろうと夢見たくなる。
いろいろと考えさせられる、大人にも読んで欲しい絵本です。
次回のオリンピックはロス!
ロスのあるアメリカの定番人気絵本はこちらからどうぞ~
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