絵本の黄金時代に突入!次々と名作が生まれた1960年代の絵本

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マイタケ
マイタケ

日本の絵本売り上げランキングを見てみると、ベスト10のうち半分が1960年代が初版の作品です!

まさに絵本の黄金時代!!
ダブルミリオン、トリプルミリオンは当たり前というとんでもない世界ですが、ずーっと売れ続けているのもスゴイ!

今回は、今も愛され続けている名作絵本が次々と生まれていった1960年代の絵本をまとめてみました。
知っている絵本がありすぎて驚くかもしれませんよ。

こんな方におすすめ!

・とにかくロングセラーな絵本を知りたい
・自分が読んでもらった絵本を読み聞かせしたい
・懐かしい絵本を思い出したい

1960年代が日本初版の今も買える絵本

この時代の絵本はまだまだ現役で版を重ねているものばかり!
親世代のわたしたちもきっと懐かしくなっちゃう名作がずらりです。

100まんびきのねこ

  • 文・絵 ワンダ・カアグ
  • 訳 いしいももこ
  • 福音館書店
  • 1961年1月発刊
  • 対象年齢:3歳~
  • 1929年ニューベリー賞受賞

年をとったおじいさんとおばあさんは、寂しいのでねこを飼うことに決めました。ねこを探しに出かけたおじいさんは、たくさんのねこであふれた丘にたどりつきます。しろいねこ、しろくろのねこ、はいいろのねこ、どのねこもかわいく見え、おじいさんはみんなを連れてうちに帰ってきます。でも、そんなにたくさんのねこは飼えません。そこで、おじいさんとおばあさんは、どのねこを家に置くかをねこたちに決めさせようとしますが……。

福音館書店「100まんびきのねこ」

原作は1928年、アメリカ最古のロングセラー絵本

タイトルから想像するような、猫がいっぱいで幸せに満ち溢れたお話…ではありませんw
大人になった私たちからすればホラー以外の何ものでもないような。
わたしは子どものときに読んだ記憶が残っていないのですが、子どもたちの反応はそこまで怖がるものでもないんですよね。
アメリカでは最古の絵本とも言われる超ロングセラー、愛され続ける本当の理由は子どもにしか分からないのかもしれません。

アンディとらいおん

  • 文・絵 ジェームズ・ドーハーティ
  • 訳 むらおかはなこ
  • 福音館書店
  • 1961年8月発刊
  • 対象年齢:5歳~
  • 1939年コールデコットオナーブック

図書館からライオンの本を借りてきたアンディは、寝ても覚めても、頭の中はライオンのことばかり。ある朝、学校に行く途中で、アンディは本物のライオンに出会い、前足にささった太いとげを抜いてあげます。それから間もなく、町にやってきたサーカスに出かけたアンディは、檻から逃げ出したライオンとでくわしてしまいます。ところが、どうでしょう! そのライオンはアンディが助けたあのライオンだったのです。

福音館書店「アンディとらいおん」

ダイナミックな絵は今も子どもの心を惹きつけます

2色刷りの絵はどこかレトロな空気が否めません。
それもそのはず、原作の初版は1938年です。
90年近く前のアメリカで描かれた作品ですが、お話は今も色褪せません。
ダイナミックに描かれた絵は躍動感に溢れ、今も昔も子どもたちを惹きつけています。

いたずら きかんしゃ ちゅう ちゅう

  • 文・絵 バージニア・リー・バートン
  • 訳 むらおかはなこ
  • 福音館書店
  • 1961年8月発刊
  • 対象年齢:4歳~

ちいさな機関車のちゅうちゅうは、いつも客車や貨車を引いて小さな駅と大きな駅の間を走ります。ある日ちゅうちゅうは、みんなの注目を集めたくて、ひとりだけで走り出してしまいます。威勢よく走るちゅうちゅうに、まわりのみんなは驚き、怒り出します。やがて日が暮れて、石炭も水も少なくなり、古い線路に迷い込んでとうとう止まってしまったちゅうちゅう。そこに迎えに来てくれたのは、最新式の汽車にのった機関士でした。

福音館書店「いたずら きかんしゃ ちゅう ちゅう」

モノクロで描かれるレトロな列車

もはや実物を目にする機会はほとんどなくなってしまった機関車。
だけど絵本の中では今もこんなにも生き生きとしています。
モノクロの絵も石炭を連想させるうえに、躍動感に溢れています。
こちらもアメリカの古典絵本と呼ばれる名作です。

もりのなか

  • 文・絵 マリー・ホール・エッツ
  • 訳 まさきるりこ
  • 福音館書店
  • 1963年12月発刊
  • 対象年齢:2歳~
  • 1945年コールデコットオナーブック

ラッパをもって森に散歩にでかけた男の子は、ライオン、ゾウ、クマと、いろいろな動物たちに出会います。男の子はラッパをふきながら、みんなと行列をつくって森をお散歩。そして森の中で、かくれんぼをはじめますが、男の子が鬼をしているうちに、動物たちは姿を消していました。かわりに現れたのは、お父さん。「またこんどまでまっていてくれるよ」、お父さんはそういうと男の子を肩車にのせて、おうちに帰っていきました。

福音館書店「もりのなか」

森という不思議な空間の魅力

現代を生きるわたしたちには、森という空間はどこか非日常めいたものを感じます。
森の奥では、こんなことが起こってもおかしくないと感じるのはそのせいかもしれません。
最後、お父さんが出てくることで日常へと戻っていくラストが好きです。

どろんこハリー

  • 文 ジーン・ジオン
  • 絵 マーガレット・プロイ・グレアム
  • 訳 わたなべしげお
  • 福音館書店
  • 1964年3月発刊
  • 対象年齢:4歳~

ハリーは、黒いぶちのある白い犬です。なんでも好きですが、お風呂に入ることだけは、だいきらいでした。ある日、お風呂にお湯を入れる音が聞こえてくると、ハリーは体を洗うブラシを口にくわえて逃げだして、ブラシを裏庭に埋めました。それから、家の外に出て行ってしまいます。泥だらけ、すすだらけになったハリーが家に戻っても誰も分かってくれません。がっかりしたハリーが、裏庭でブラシを見つけ出し、わんわん吠えると……

福音館書店「どろんこハリー」

昔も今も愛らしいハリー

犬を飼っているご家庭ならきっとあるある!と頷きたくなるようなハリーの行動。
人間にとって一番身近な動物といえる犬の、愛らしくもやんちゃな姿にほっこりします。
長い間子どもたちに愛されてきたハリーには続編もありますよ。

ちいさなうさこちゃん

  • 文・絵 ディック・ブルーナ
  • 訳 いしいももこ
  • 福音館書店
  • 1964年6月発刊
  • 対象年齢:1歳~

うさぎのふわふわさんとふわおくさんはとっても仲良しです。あるひ、ふわおくさんのところに天使がやってきて、かわいい赤ちゃんが生まれました。ふたりは赤ちゃんに「うさこちゃん」という名前をつけます。太った牛ににわとり、たくさんの動物がうさこちゃんを見にやってきて、ふたりにお祝いの言葉を贈ります。「うさこちゃん」シリーズの代表作。

福音館書店「ちいさなうさこちゃん」

大人気ミッフィーシリーズのはじまり

今もなお大人にも人気のミッフィーシリーズは今から60年以上前の作品です。
これだけ年月を重ねても色褪せないグラフィックが素晴らしいですね。
お話としては“はじめてのえほん”としては難しい気もしますが、鮮やかな色遣いの絵は赤ちゃんも惹きつける力があります。

ももたろう

  • 文 松居直
  • 絵 赤羽末吉
  • 福音館書店
  • 1965年2月発刊
  • 対象年齢:5歳~

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。桃をもちかえって切ろうとしたら、なんと桃からかわいい男の子が生まれました。「桃太郎」と名付けられた男の子は、おばあさんとおじいさんが用意したおかゆや魚を食べて、どんどん大きくなり、立派に成長します。そんなある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、鬼退治にでかけることにします。

福音館書店「ももたろう」

日本の昔話といえばこれ

誰もが知っている日本の昔話の代表作といえるでしょう。
ふんわりとしか知らないなら勿体ない。
赤羽さんの迫力のある絵は古典的ながらも昔話にはぴったりです。
ずっと読み継いでいきたい日本の名作です。

しろいうさぎとくろいうさぎ

  • 文・絵 ガース・ウィリアムズ
  • 訳 まつおかきょうこ
  • 福音館書店
  • 1965年6月発刊
  • 対象年齢:4歳~

白いうさぎと黒いうさぎは、毎日いっしょに遊んでいました。でも、黒いうさぎはときおり悲しそうな顔で考えこんでいます。心配になった白いうさぎがたずねると「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」と、黒いうさぎはこたえます。黒いうさぎが願っていたのは、白いうさぎといつまでも一緒にいられることでした。それを知った白いうさぎはどうしたでしょうか?

福音館書店「しろいうさぎとくろいうさぎ」

大人ウケがとてもいい絵本

結婚祝いとしてプレゼントされることも多いというこちらの作品。
確かに、わたしも幼いころ読んだ記憶はありますがお気に入りという訳ではなかったですし子どもたちに読んでも反応はさほどでした。
大人こそ心に響くものがあるのかもしれませんね。

三びきのやぎのがらがらどん

  • 絵 マーシャ・ブラウン
  • 訳 せたていじ
  • 福音館書店
  • 1965年7月発刊
  • 対象年齢:4歳~

橋の向こう側の山で、たくさん草を食べようと考えた3匹のヤギ。小さなヤギ、中ぐらいのヤギ、大きなヤギ、みんな名前は「がらがらどん」。橋をわたっている途中に谷に住むトロル(おに)にでくわしてしまいます。小さなヤギの機転によって、小さなヤギと中くらいのヤギはトロルから逃げて橋をわたることができました。いちばん大きくて強いヤギはトロルに勝負を挑みます。3匹のヤギは無事に橋をわたることができるのでしょうか?

福音館書店「三びきのやぎのがらがらどん」

絵の迫力と言葉のリズムに夢中

がらがらどんって何なの?と思いながらも声に出さずにはいられない響きですよね。
マーシャ・ブラウンの絵は荒々しい迫力に溢れ、トロルの恐ろしさを引き立てますが、がらがらどん達の怖さも負けてない。
ドキドキしながらもう一度読みたくなっちゃう名作の力を感じる1冊です。

ラチとらいおん

  • 文・絵 マレーク・ベロニカ
  • 訳 とくながやすもと
  • 福音館書店
  • 1965年7月発刊
  • 対象年齢:4歳~

ラチは世界でいちばん弱虫です。犬をみると逃げ出しますし、暗い部屋には入ることができません。そんなラチのところに小さな強いライオンがやってきました。ラチはライオンがそばにいてくれることで少しずつ強くなっていきます。ある日、友だちのボールをとった男の子をラチは夢中でおいかけボールを取り返します。ふと気がつくとライオンの姿はありません……。ラチが家にもどると、ライオンからの素敵な手紙が残されていました。

福音館書店「ラチとらいおん」

一歩踏み出す勇気をくれる

ラチほどではなくても、みんな心に弱虫を飼っているはずです。
うちにもらいおんが来てくれたなら…と感じられるラストも素敵。
読むたびに勇気をもらえます。

てぶくろ

  • 絵 エウゲーニー・M・ラチョフ
  • 訳 うちだりさこ
  • 福音館書店
  • 1965年11月発刊
  • 対象年齢:3歳~

おじいさんが森の中に手袋を片方落としてしまいます。雪の上に落ちていた手袋にネズミが住みこみました。そこへ、カエルやウサギやキツネが次つぎやってきて、「わたしもいれて」「ぼくもいれて」と仲間入り。手袋はその度に少しずつ大きくなっていき、今にもはじけそう……。最後には大きなクマまでやって来ましたよ。手袋の中はもう満員! そこにおじいさんが手袋を探しにもどってきました。さあ、いったいどうなるのでしょうか?

福音館書店「てぶくろ」

鮮やかな色の表紙が目を引く

この絵本が超ロングセラーなおかげで、日本では知らない人はいないのでは?というくらいお馴染みの昔話です。
パッと目を引く表紙、丁寧に描かれた動物たちの描写…
何度も何度も読みたくなる名作ですね!

しょうぼうじどうしゃじぷた

  • 作 渡辺茂男
  • 絵 山本忠敬
  • 福音館書店
  • 1966年6月発刊
  • 対象年齢:4歳~

高いビルにはしごをのばして火を消すことのできる、はしご車ののっぽくん。たくさんの水で激しい炎も消すことのできる高圧車のぱんぷくん。けが人を運んで助ける救急車のいちもくさん。大きくて立派な働きをするみんなに、小さな消防自動車じぷたは「ちびっこ」あつかいされていました。ある日、山の中で火事が起こりました。このままでは山火事になってしまいます。そんなとき、出動を命じられたのはなんとじぷたでした……。

福音館書店「しょうぼうじどうしゃ じぷた」

働く車のロングセラー名作絵本

背表紙のタイトルで選んで表紙を見ると「これが消防車?」なんて思う子もいるかもしれません。
今となっては親世代でさえ見慣れない型のじぷた。
だけどそんなことはすぐに気にならなくなるほど、お話に力があります。
今も昔も、子どもたちは働く車に夢中です。

おおきなかぶ

  • 再話 A・トルストイ
  • 訳 内田莉莎子
  • 画 佐藤忠良
  • 福音館書店
  • 1966年6月発刊
  • 対象年齢:3歳~

おじいさんが植えたかぶが、甘くて元気のよいとてつもなく大きなかぶになりました。おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」とかけ声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おじいさんはおばあさんを呼んできて一緒にかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶは抜けません。とうとう猫はねずみを呼んできますが……。

福音館書店「おおきなかぶ」

教科書にも載っているお馴染みの絵本

年の差で育ってきた我が家も全員1年生のときは音読をしてきたこの絵本。
もちろんわたし自身もその記憶があります。
昭和後期からずっと教科書に採用され続けてきた昔話絵本。
このお話を知らない日本人はいないかもしれませんね。

かばくん

  • 作 岸田衿子
  • 絵 中谷千代子
  • 福音館書店
  • 1966年12月発刊
  • 対象年齢:3歳~

動物園に朝が来ました。かばの親子のところに、かめくんを連れた男の子がやってきます。「おきてくれかばくん」。水からあがったがかばくんが姿を現すと、動物園に来ていた子どもたちはびっくり。やがてご飯の時間、かばくんはキャベツをまるごと一口でぱくり。食べた後はごろんところがっておやすみなさい……。シンプルで詩的な文章と、ゆったりとした油絵が、大きくてユーモラスなかばの姿を生き生きと描きます。

福音館書店「かばくん」

かばくんへ会いに行きたくなる

大きな身体と口、だけどどこかゆったりとした時間の中にいるかばくん。
次はどんな動きをするんだろうと目が離せません。
そんなかばくんへ会いに動物園へ行きたくなります。

ぐるんぱのようちえん

  • 作 西内ミナミ
  • 絵 堀内誠一
  • 福音館書店
  • 1966年12月発刊
  • 対象年齢:4歳~

ぐるんぱは、ひとりぼっちの大きなぞうです。ビスケットやさん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、色々な仕事場で一生懸命に働きますが、つくるものが大きすぎて失敗ばかり。そんなときぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話をたのまれたぐるんぱは、とても素敵なものを作ります。それはぐるんぱが作った大きなものでたくさんの子どもたちが遊べる、すてきな幼稚園でした。

福音館書店「ぐるんぱのようちえん」

どこかに居場所があると信じて

これも大人にこそ響くお話かもしれません。
何をやってもうまくいかない、居場所がないように思える。
そんな時に読むとふっと心が軽くなります。

ぐりとぐら

  • 作 なかがわりえこ
  • 絵 おおむらゆりこ
  • 福音館書店
  • 1967年1月発刊
  • 対象年齢:3歳~

お料理することと食べることが何より好きな野ねずみのぐりとぐらは、森で大きな卵を見つけました。目玉焼きにしようか卵焼きにしようか考えたすえ、カステラを作ることにしました。でも、卵があまり大きくて運べません。そこでフライパンをもってきて、その場で料理することにしました。カステラを焼くにおいにつられて、森じゅうの動物たちも集まってきます……。

福音館書店「ぐりとぐら」

誰もが憧れたあの大きなカステラ

言うまでもない名作、大人気のロングセラーシリーズです。
ぼくらのなまえはぐりとぐら、あの歌はきっとご家庭の数だけメロディがあるはず。
そしてあの大きなカステラに憧れなかった子はいないでしょう。

そらいろのたね

  • 作 なかがわりえこ
  • 絵 おおむらゆりこ
  • 福音館書店
  • 1967年1月発刊
  • 対象年齢:4歳~

ゆうじが模型飛行機を飛ばしていると、きつねがやってきて「そらいろのたね」と模型飛行機を交換することになりました。そらいろのたねを植えて水をやると、なんと空色の家が生えてきたではありませんか! 空色の家はみるみるうちに大きくなり、たくさんの動物や鳥や子どもたちの楽しい遊び場になります。しかし再びやってきたきつねが、みんなを追い出して空色の家を独り占めしてしまいます。きつねが家にはいると、空色の家はさらに大きくなって……。

福音館書店「そらいろのたね」

種という存在の不思議さ

あんな小さな種から、大きな植物たちが生まれてくる。
そんな不思議さを絵本という世界に植えて生まれた夢いっぱいの素敵なお話。

はなをくんくん

  • 文 ルース・クラウス
  • 絵 マーク・シーモント
  • 訳 きじまはじめ
  • 福音館書店
  • 1967年3月発刊
  • 対象年齢:3歳~

冬の森の中、雪の下で動物たちは冬眠をしています。野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも……。でも、とつぜんみんなは目をさましました。はなをくんくんさせています。みんなはなをくんくんさせながら、雪の中をかけていきます。みんなとまって、笑って、踊りだしました。「ゆきのなかにおはながひとつさいてるぞ!」 やわらかいタッチの美しい絵と、詩のような文で、自然の摂理と喜びをやさしく子どもに語りかけます。

福音館書店「はなをくんくん」

嗅覚を研ぎ澄ましたくなる

匂いで季節を感じ取るって、人間にはなかなか難しいことです。
雨の匂いなら何となくわかるけど、春の匂いってどんなものだろう?
くんくんと鼻を動かしたくなっちゃいます。

いないいないばあ

  • 文 松谷みよ子
  • 絵 瀬川康男
  • 童心社
  • 1967年4月発刊
  • 対象年齢:0歳~

「いないいないばあ にゃあにゃが ほらほら いないいない……」
『いないいないばあ』の文章は、作者の松谷みよ子さんが子育ての中でわが子に語りかけていた言葉がもとになっています。
画家の瀬川康男さんは、あかちゃんと向き合い試作を重ねました。
「ばあ」の場面の動物たちは、あかちゃんと目があうように描かれています。
あかちゃんと一緒に読むと、言葉と絵がひとつになり、臨場感をもっておひざの上のあかちゃんに伝わります。

童心社「いないいないばあ」

日本でいちばん売れている絵本

発売からもうすぐ60年ですが、既に累計発行部数は700万部を超えている絵本です。
単独作品としては日本一の数字なんですよ。
ずーっと読み継がれている、赤ちゃん絵本の大定番です。

あおくんときいろちゃん

  • 作 レオ・レオーニ
  • 訳 藤田圭雄
  • 至光社
  • 1967年4月発刊
  • 対象年齢:1歳~

絵の具で描かれた青や黄色のまるが生き生きと動きまわり、絵本ならではの夢と感動をもたらしてくれる。作者が孫のために作ったという人間愛あふれる絵本。

至光社「あおくんときいろちゃん」

飾っておきたくなる表紙

色という概念を教えてくれる絵本ですが、今見てもオシャレ。
部屋に置いてあるだけでもオシャレなので、プレゼントとしてもよく名前が挙がります。

11ぴきのねこ

  • 作 馬場のぼる
  • こぐま社
  • 1967年4月発刊
  • 対象年齢:4歳~

11ぴきののらねこたちは、いつもおなかぺこぺこ。ある日じいさんねこに、湖に大きな魚がいると教えられ出かけていきます。大格闘の末、やっと怪魚を生け捕りにしますが…。あっと驚くどんでん返しが大人気。

こぐま社「11ぴきのねこ」

子どもたちに大人気のシリーズ

大人が読むと、ん?と思うような展開ですが、子どもたちは大好きになるシリーズ。
ちょっぴりズルくて、でも憎めないねこたちに夢中です。
わたしも大好きなシリーズです。

三びきのこぶた

  • 訳 瀬田貞二
  • 画 山田三郎
  • 福音館書店
  • 1967年4月発刊
  • 対象年齢:3歳~

貧しいこぶたの3兄弟が、それぞれの家を作ることになりました。最初のこぶたはワラで、2番目のこぶたは木の枝で家を作りました。しかし、オオカミがやってきて2つの家はふきとばされ、2匹のこぶたは食べられてしまいます。3番目のこぶたはレンガで家を作りました。レンガは重くて丈夫なので、オオカミがきてもへっちゃらです。さらに3番目のこぶたは、知恵をしぼってオオカミを退治しようと考えます。オオカミ退治はうまくいくのでしょうか?

福音館書店「三びきのこぶた」

劇などでもお馴染みの昔話

超有名な昔話ですが、絵本だとまた違った味わいができます。
昔話は改変されがちで、残酷なシーンがなくなっているものもあります。
この年代に発行されたものは語り継がれてきた昔ながらの展開が多いので個人的にはおすすめです。

おおかみと七ひきのこやぎ

  • 作 グリム
  • 絵 フェリクス・ホフマン
  • 訳 せたていじ
  • 福音館書店
  • 1967年4月発刊
  • 対象年齢:4歳~

おおかみを家にいれないよう注意しなさい。おかあさんやぎはこやぎたちにそういって森に食べものを探しにでけます。こやぎたちは、おおかみの「しわがれ声」や「黒い足」をしっかり見ぬいて、おおかみを追い払います。しかし、おおかみは知恵を働かせて「しわがれ声」を「きれいな声」に、「黒い足」を「白い足」に変えて再びこやぎたちの家にやってきます。こやぎたちは、とうとうおおかみに騙されて家の扉をあけてしまいます。

福音館書店「おおかみと七ひきのこやぎ」

騙し騙される展開にドキドキ

こちらも昔ながらの展開で読める絵本です。
おおかみがこやぎ達を騙していく展開、そして隠れてドキドキするところはきっと一緒にハラハラしちゃう。
絵本だからこそ味わえる怖さと面白さです。

スーホの白い馬

  • 再話 大塚勇三
  • 画 赤羽末吉
  • 福音館書店
  • 1967年10月発刊
  • 対象年齢:4歳~

昔、モンゴルの草原にスーホという少年がいました。ある日、道ばたに倒れていた生まれたばかりの白い子馬を世話し、大事に育てましたが……。馬と少年スーホの哀切な物語と、モンゴルに伝わる楽器「馬頭琴」の由来が描かれ、感情を揺さぶられるでしょう。

福音館書店「スーホの白い馬」

広い世界の一端を味わえる

モンゴルの草原で暮らす人々という存在を初めて知ったのがこの絵本だったように思います。
自分たちとはまったく違う暮らし、世界が印象的です。
悲しくも美しい音色が聞こえてくるようなラストシーンも忘れられません。
教科書にも載っている名作です。

だるまちゃんとてんぐちゃん

  • 作・絵 かこさとし
  • 福音館書店
  • 1967年11月発刊
  • 対象年齢:3歳~

だるまちゃんは友だちのてんぐちゃんの持っているものを何でも欲しがります。てんぐのうちわや素敵な履物、なんとしまいには鼻まで。お父さんのだるまどんは思いつく限りの物を集めてきますが、だるまちゃんのお気に入りはいつも意外なところに……。だるまちゃんとだるまどんはどんなアイデアを思いついたでしょう?

福音館書店「だるまちゃんとてんぐちゃん」

忘れたくない日本がいっぱい

日本のものを主人公に、というかこさんの思いで作られたこの絵本は、今や忘れたくない日本がそこかしこに見られるシリーズになりました。
だるまどんが出してくれる様々な道具たちはもう見慣れないものもあります。
だけど見ているだけでも楽しくなる!
ほのぼのとしただるまちゃんとてんぐちゃんのやりとりにもほっこりです。

ねないこだれだ

  • 作・絵 せなけいこ
  • 福音館書店
  • 1969年11月発刊
  • 対象年齢:1歳~

夜の9時です。「とけいがなりますボンボンボン」こんな時間におきているのはだれだ? ふくろう、くろねこ、どろぼう……。いえいえ、夜中はおばけの時間。あれ? まだ寝ていない子がいますよ。おばけになってとんでいけ!  おばけがなかなか寝ない子をおばけの世界に連れていってしまいます。シンプルなはり絵と独特のストーリーで、子どもたちをひきつけてやまない赤ちゃん絵本です。

福音館書店「ねないこだれだ」

とにかくみんなの心に残る絵本

トラウマになった絵本としても有名かもしれませんね。
でも、早く寝ないとおばけになっちゃうぞ~と脅す絵本ではありません。
ただ脅しているだけなら、子どもたちはこんなに惹きつけられないはず。
せなさんのおばけにしかない魅力があるからこそのロングセラーです。

わたしのワンピース

  • 絵・文 にしまきかやこ
  • こぐま社
  • 1969年12月発刊
  • 対象年齢:3歳~

空から落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。それを着てお花畑を通るとワンピースは花模様に、雨が降ると水玉模様に…、次々と柄が変わります。日本を代表するファンタジー絵本。

こぐま社「わたしのワンピース」

ワンピースに憧れた子も多いはず!

まさに夢のようなワンピースに憧れた思い出のある親御さんも多いのでは?
わたしもこのワンピースが欲しい!と母にねだって困らせた記憶がありますw
いつになっても子どもたちの憧れのお洋服ですね。

すてきな三にんぐみ

  • 作 トミー・アンゲラー
  • 訳 いまえよしとも
  • 偕成社
  • 1969年12月発刊
  • 対象年齢:3歳~

黒いマントに黒ぼうしのどろぼう三にんぐみは、夜になると、山からえものとなる馬車を探しにやってきます。どんな人もこの三にんぐみに出会ったら、ひとたまりもありません! 三にんぐみは、馬車からうばった宝を、せっせと山にはこんで集めていました。
ある夜、このどろぼう三にんぐみが出会ったのは、孤児のティファニーちゃん。これからいじわるなおばさんとくらす予定だったティファニーちゃんは、それよりこのおじさんたちの方がおもしろそう! と、よろこんでついていきました。そこで、宝がぎっしりつまった箱をみつけ、素直にひとつの質問をします。「これ、どうするの?」
そこで三にんぐみが考えた思いつきとは?

どろぼうってどんな存在?

どろぼうっていうと悪者で、だけどここにいるどろぼうは悪者なの?
大人の方が子どものまっすぐな質問に振り回される3人を面白く、少し苦い気持ちで見ることになるかもしれません。
装丁もおしゃれで目を引く、今も色褪せない名作のひとつです。

マイタケ
マイタケ

ここまで28冊を紹介しましたが、これでもかなり絞り込みましたw
この年代は本当に名作が多い!!

ラテ(長女)
ラテ(長女)

日本の絵本黎明期、1950年代の絵本も読んでみてね!

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