1938年から毎年授与され続けている、アメリカの児童文学賞【コールデコット賞】。
受賞すれば作家としての地位は今後約束されたも同然と言われている賞です。
こちらの記事でもいくつか代表作を載せましたが、80年以上も続いている賞なので受賞作品も80作以上あるんです。
ここでは、今までの受賞作品を詳しく紹介していきます!
この記事では1960年から1979年まで!
- コールデコット賞受賞作品一覧
- 1960年 『クリスマスまであと九日』
- 1961年 『Baboushka and the Three Kings』
- 1962年 『もとはねずみ…』
- 1963年 『ゆきのひ』
- 1964年 『かいじゅうたちのいるところ』
- 1965年 『ともだちつれてよろしいですか』
- 1966年 『Always Room for One More』
- 1967年 『へんてこりんなサムとねこ』
- 1968年 『Drummer Hoff』
- 1969年 『空飛ぶ船と世界一のばか』
- 1970年 『ロバのシルベスターとまほうのこいし』
- 1971年 『おはなし おはなし』
- 1972年 『きょうはよいてんき』
- 1973年 『The Funny Little Woman』
- 1974年 『ダフィと小鬼』
- 1975年 『太陽へとぶ矢』
- 1976年 『どうしてカは耳のそばでぶんぶんいうの?』
- 1977年 『絵本アフリカの人びと―26部族のくらし』
- 1978年 『ノアのはこ船』
- 1979年 『野うまになったむすめ』
コールデコット賞受賞作品一覧
過去のコールデコット受賞作品と一部のオナー受賞作品について取り上げています。
※日本語版が出版されているものは日本語版を紹介しています。
初回の1938年~1959年までの受賞作品はこちらからどうぞ!
1960年 『クリスマスまであと九日』
最近は日本でも聞かれるようになったピニャータ。
もともとはメキシコのお祭り・ポサダで使われているものなんです。
そんなポサダのお祭りの様子が生き生きと描かれています。
クリスマス前におすすめな1冊です。
1961年 『Baboushka and the Three Kings』
ロシアの民話を美しく描いた絵本。
王さま一行を捜し歩くおばあさんがお菓子を持って訪ねてくるお話のようです。
ロシアではクリスマスに読まれる定番のお話だそうですが、日本では馴染みがないですね。
サンタクロースみたいな存在がロシアではこのおばあさんなのかな?
日本語版は残念ながら未刊です。
1962年 『もとはねずみ…』
こちらは日本でもタイトルを変えて何度か出版されている絵本です。
確かに誰かに読んでほしくなる、ちょっと哲学的な内容。
マーシャ・ブラウンの木版画がまたいいです。この方はほんとに作品によって作風が違いすぎてスゴイ…
1963年 『ゆきのひ』
日本でも定番となった、雪の絵本。
この鮮やかな色使いの表紙は一度見たら手に取らずにはいられませんよね。
表情が描かれずとも感情が伝わってくる子どもの絵も素晴らしい。
1964年 『かいじゅうたちのいるところ』
世界的な大ベストセラーがこの年のコールデコット受賞作品。
日本でもお馴染み、言うまでもない定番ロングセラー絵本です。
この絵本は世界のベストセラーランキングにもランクインしている大人気作品!
オナーブックは『スイミー』
教科書に載ってる絵本でお馴染みの名作がこの年のオナーブック。
どちらも甲乙つけがたく、わたしが審査員だったらこちらを選んだかもしれませんw
1965年 『ともだちつれてよろしいですか』
お茶会に誘われまくるぼくとは一体何者なのか。
でもこんなお友達を連れてきてくれるなら、何度も招きたくなるかも。
クラシカルな絵ですが、お茶会の雰囲気がとても良いです。
1966年 『Always Room for One More』
スコットランドに古くから伝わる歌がもとになったお話です。
なので英語で読むと韻を踏んでいるそうですよ。
日本語版は残念ながら未刊のようです。
1967年 『へんてこりんなサムとねこ』
サムという女の子はいつもへんてこなことを話す。
子どもって妄想を事実かのように話すことってありますよね。
我が家の長女ラテも一時期、姉がいる体で園でも外でも振舞っていましたことを思い出しました。
1968年 『Drummer Hoff』
大砲の発射準備から玉が発射されるまでがリズミカルに描かれています。
もとはフォークソングらしく、こちらも英語の韻を踏んだ言い回しなので日本語に訳すと面白さが伝わらないのかも。
残念ながら日本語版は未刊行です。
オナーブックは『フレデリック』
こちらは日本でも大人気の絵本ですよね。
絵がキャラクターとしても人気が高く、グッズもよく見かけます。
色彩が何とも言えずオシャレな、レオ=レオニの3冊目のオナー受賞作です。
1969年 『空飛ぶ船と世界一のばか』
ずっと語り継がれてきた昔話はそれだけでお話に力があるのはもちろんですが、ユリー・シュルヴィッツの絵がとても素敵。
お話自体は「王さまと九人のきょうだい」など各地に似たようなお話があると思います。
でもきっと万人受けするお話の展開だから、世界中に広まっているんでしょうね。
1970年 『ロバのシルベスターとまほうのこいし』
文章量が多めなのですが、その分満足感があります。
ハラハラドキドキ、本当に引き込まれてしまう作品です。
この新版では色がより美しく原画に近い形で印刷されているそうです。
オナーブックは『アレクサンダとぜんまいねずみ』
マイタケが個人的にいちばん好きなレオ=レオニ作品です。
優しいお話が優しい色彩の絵と相まって、最後の余韻もとても好き。
1971年 『おはなし おはなし』
アフリカの昔話には必ずと言っていいほどクモ男が登場する――という設定で、そのクモ男に関する物語の起源を描いた作品です。なんだかすごい説得力があるんですよね。
絵も鮮やかな色遣いで、アフリカの温度まで感じられそうです。
オナーブックは『まよなかのだいどころ』
『かいじゅうたちのいるところ』でコールデコット賞を受賞したモーリス・センダックの人気絵本がこの年のオナーブック。
ミッキーという主人公の名前には違う誰かを想像してしまいますがw
漫画のようなページもあって、引き込まれます。
オナーブックは『ふたりはともだち』
『スイミー』と並んで教科書でお馴染みの絵本として長い間読み継がれています。
がまくんとかえるくんの友情にほっこり。
他にもシリーズがあるので、読んでみてください。
1972年 『きょうはよいてんき』
アルメニアの昔話をもとにした絵本です。
キツネが不憫に思えるしょんぼり感が絶妙。
残念ながら絶版のようですので、図書館などで探してみてください。
1973年 『The Funny Little Woman』
表紙を見て分かるように、このお話の舞台はOld Japan!
もともとは小泉八雲が集めた『だんごをなくしたおばあさん』というお話です。
それも昔話『ふしぎなしゃもじ』などがベースになっていますが。
ともあれ、日本が異国ではこんな風に描かれているんだと新鮮に思えます。
1974年 『ダフィと小鬼』
イギリス・コーンウォール地方に伝わるお話をもとに描かれた作品です。
絵がクラシカルだけど楽しい。
残念ながら絶版のようです。
マーゴット・ツェマックの絵はみっつのねがいごとでも楽しめます。
1975年 『太陽へとぶ矢』
たいようのかみが飛ばした矢で身ごもった娘から生まれた男の子が父親探しの旅に出るお話。
模様のような鮮やかな絵は一度見たら忘れられません。
斬新すぎて正直よく分かんない絵もありますがw
今見ても斬新なのってスゴイですよね。
1976年 『どうしてカは耳のそばでぶんぶんいうの?』
初見では蚊についての科学絵本かと思いましたが、西アフリカの民話をもとにしたお話です。
童話館出版さんが復刊した際に改題され、『どうしてカは耳のそばでぶんぶんいうの?:西アフリカ民話より』と付け加えられました。同じこと思っていた方が多かったのでしょうかw
1977年 『絵本アフリカの人びと―26部族のくらし』
前年に引き続き、ディロン夫妻がコールデコット賞を受賞しました。
ですが全くと言っていいほど作風が違いますよね。
こちらは写実的で迫力を感じます。
ですが残念ながら絶版のようですので、図書館などで探してみてください。
1978年 『ノアのはこ船』
タイトルだけなら知っている方も多いのでは?
でも改めてどんな話なのか、絵本で読んでみるのも面白いですよ。
ピーター・スピアのダイナミックな絵が素敵です。
1979年 『野うまになったむすめ』
色彩が美しくて、馬がとっても素敵です。
どうあっても、子の幸せを願って送り出せる親でありたい。
1980年以降の受賞作品はこちらから!
コメント