アメリカのロングセラー人気絵本【コールデコット賞】受賞作品一覧①

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ラテ(長女)
ラテ(長女)

コールデコット賞がアメリカの権威ある児童文学賞なのは分かった!
でも今までどんな作品が受賞してきたの?

1938年から毎年授与され続けている、アメリカの児童文学賞【コールデコット賞】。
受賞すれば作家としての地位は今後約束されたも同然と言われている賞です。

こちらの記事でもいくつか代表作を載せましたが、80年以上も続いている賞なので受賞作品も80作以上あるんです。

マイタケ
マイタケ

ここでは、今までの受賞作品を詳しく紹介していきます!
この記事では初回の1938年から1959年まで!

こんな方にオススメ!

・アメリカの子どもたちが読んでいる絵本が気になる
・アメリカのロングセラー絵本が知りたい
・いろいろな良質絵本に巡り合いたい

コールデコット賞受賞作品一覧

過去のコールデコット受賞作品と一部のオナー受賞作品について取り上げています。
※日本語版が出版されているものは日本語版を紹介しています。

1938年 『Animals of the Bible, A Picture Book』

  • 文 Helen Dean Fish
  • 絵 Dorothy P. Lathrop
  • 対象年齢:4歳~

タイトルを日本語に訳すと「聖書の動物」でしょうか。
最も美しく魅力的な聖書の物語のいくつかを子供たちに紹介する絵本。
現在購入可能なものは1965年に再販されたものです。日本語版は未刊。

1939年 『メイリイとおまつり』

  • 文・絵 トマス・ハンドホース
  • 訳 いっしきよしこ
  • ポプラ社
  • 1967年年発刊

万里の長城近くに住む少女の生活を描いた絵本。
古い中国の風俗を知ることができる1冊ですがこちらは現在絶版となっているようです。
図書館には所蔵館もあるので、気になる人はお近くの図書館で所蔵検索してみてくださいね。

オナーブックは『アンディとらいおん』

  • 文・絵 ジェームズ・ドーハーティ
  • 訳 むらおかはなこ
  • 福音館書店
  • 1961年8月発刊
  • 対象年齢:5歳~

こちらは朝ドラ「花子とアン」の主人公にもなった村岡花子さんの翻訳作品。
60年以上前の作品ですが、今もなお読み聞かせ会などで出会うこともあるロングセラーの絵本です。
オレンジ色の2色刷り表紙が目を引きますね。
迫力のある絵とちょっとドキドキする展開は今読んでも色褪せません。

1940年 『エブラハム・リンカーン』

  • 著 イングリ・ドレオーア
  • 著 エドガー・パーリン・ドオレーア
  • 訳 光吉夏弥
  • 訳 進士盃太
  • 羽田書店
  • 1950年発刊
  • 対象年齢:6歳~

こちらはアメリカの初代大統領であるリンカーンの生涯を描いた絵本です。
絵本とはいえ漢字も多く、文章も長いので小学生以上向け。

現在絶版となっていますが、国会図書館のデジタルコレクションに所蔵があるので美しい挿絵を綺麗なカラーで見ることができます。

※デジタルコレクションは無料登録が必要です

オナーブックは『げんきなマドレーヌ』

  • 作・画 ルドヴィッヒ・ベーメルマンス
  • 訳 瀬田貞二
  • 福音館書店
  • 1972年11月発刊
  • 対象年齢:4歳~

この年のオナーブックにはこのロングセラーシリーズの最初の作品が選ばれていました。

ちなみにこのシリーズの『マドレーヌといぬ』がこの後1954年のコールデコット賞に選ばれます。

1941年 『They Were Strong and Good』

  • 著 ロバート・ローソン
  • 対象年齢:10歳~

とある一家の物語を通してアメリカの歴史を語っている絵本。
愛国心を呼び起こすような内容になっています。
日本語版は未刊なのも、まあ納得。

ロバート・ローソンの日本語版刊行作品といえば『はなのすきなうし』!

1942年 『かもさん おとおり』

  • 文・絵 ロバート・マックロスキー
  • 訳 渡辺茂男
  • 福音館書店
  • 1965年05月発刊
  • 対象年齢:5歳~

ほっこりニュースでお馴染みの、かもの親子のお引越し。
こちらの作品もまさにそう。
人間の方がドタバタしちゃう、心温まるストーリーです。

茶色1色でで印刷された絵は街並みもとっても素敵。
今見てもレトロで可愛いです。

ちなみにロバート・マックロスキーはこの後1958年にもコールデコット賞を受賞し、初の複数回受賞者となっています。

1943年 『ちいさいおうち』

  • 文・絵 バージニア・リー・バートン
  • 訳 石井桃子
  • 岩波書店
  • 1965年12月発刊
  • 対象年齢:4歳~

ちいさいおうちを通して移りゆく風景、そして変わっていく時代を描いた名作絵本。

ロングセラーの絵本を紹介する時には必ずと言っていいほど取り上げられています。
大人が読んでも感想を言い合いたくなる作品。

1944年 『たくさんのお月さま』

  • 作 ジェームズ・サーバー
  • 絵 ルイス・スロボドキン
  • 訳 なかがわちひろ
  • 徳間書店
  • 1994年5月発刊
  • 対象年齢:6歳~

この時代の絵本は文字数やページ数が多く、今なら児童書に分類されそうなものもあります。

この作品もその一つだったようで、徳間書店さんは2019年に『物語 たくさんのお月さま』として再刊しました。

美しい絵はそのままのようですので、新品をご希望の方はそちらが良さそうです。

1945年 『おやすみかみさま』

  • 文 レイチェル・フィールド
  • 絵 エリザベス・オートン・ジョーンズ
  • 訳 なかむらたえこ
  • 燦葉出版社
  • 2004年6月発刊

女の子が寝る前に周りのものに語りかけていく、「おやすみなさいお月さま」のような内容。

表紙でも分かるように、絵が優しくてとてもかわいいです。
でも信仰心を育てるような感じが日本人には馴染まないのかも?

オナーブックは『もりのなか』

  • 文・絵 マリー・ホール・エッツ
  • 訳 まさきるりこ
  • 福音館書店
  • 1963年12月発刊
  • 対象年齢:2歳〜

この年のオナーを受賞したのが『もりのなか』。
日本でも長く愛されているロングセラー絵本です。

マリー・ホール・エッツはこの後1960年にコールデコット賞を受賞します。

1946年 『The Rooster Crows』

  • モードとミスカ・ピーターシャム
  • 対象年齢:3歳〜

可愛らしい絵とともに有名な童謡、数えゲーム、縄跳びの歌、手遊びなどアメリカの古典的な詩が数多く掲載されている絵本。
日本語版は未刊のようです。

1947年 『ちいさな島』

  • 作 ゴールデン・マクドナルド(マーガレット・ワイズ・ブラウン)
  • 絵 レナード・ワイスガード
  • 訳 谷川俊太郎
  • 童話館出版
  • 1996年発刊
  • 対象年齢:14歳~(大人向け)

わたくしマイタケも今回初めて知りました、ゴールデン・マクドナルドはマーガレット・ワイズ・ブラウンのペンネームだそうです。
確かにこのなんとも言い表しがたい哲学めいた内容がらしいといえばらしいかも。

谷川さんの翻訳だからか詩的で、絵とともになんだか心に響きます。
大人の皆さんにもおすすめの1冊。

1948年 『しろいゆきあかるいゆき』

  • 作 アルビン・トレッセルト
  • 絵 ロジャー・デュボアザン
  • 訳 江國香織
  • BL出版
  • 1995年発刊
  • 対象年齢:3歳~

こちらは小説家の江國香織さんが翻訳された作品。
さすがと言うべきか、言葉選びが丁寧な感じがします。

絵も素敵で、今見てもオシャレ!
雪が降ってくる町の様子を生き生きと描いています。

1949年 『The Big Snow』

  • Berta & Elmer Hader
  • 対象年齢:4歳~

動物たちの暮らす森に冬が来る、そんな様子をリアルな絵で描き出した絵本。
変わらない自然の営みは、古典的名作をより輝かせています。

日本語版は残念ながら未刊のようです。

オナーブックは『サリーのこけももつみ』

  • 文・絵 ロバート・マックロスキー
  • 訳 石井桃子
  • 岩波書店
  • 1986年5月発刊
  • 対象年齢:4歳~

『かもさんおとおり』で既にコールデコット賞を受賞しているロバート・マックロスキーの作品がオナーも受賞。
小さい頃読んだという保護者の方も多いのでは?

日本でも長く愛されている、今読んでもちょっとドキドキしちゃうお話です。

1950年 『ツバメの歌』

  • 文・絵 レオ・ポリティ
  • 訳 石井桃子
  • 岩波書店
  • 1954年12月発刊
  • 対象年齢:4歳~
  • ※岩波書店のものにはノーラン・クラーク「ロバの旅」も収録されています

柔らかな絵が印象的な作品。

『生物と無生物のあいだ』でお馴染み福岡伸一さんがオススメの5冊にあげています。
興味がある方は図書館で手に取ってみてくださいね。

オナーブックは『はなをくんくん』

  • 文 ルース・クラウス
  • 絵 マーク・シーモント
  • 訳 きじまはじめ
  • 福音館書店
  • 1967年3月発刊
  • 対象年齢:3歳~

春を匂いで感じる動物たちの、心温まる絵本です。

この作品はこちらの記事でも取り上げています。

1951年 『イースターのたまごの木』

  • 作 キャサリン・ミルハウス
  • 訳 福本友美子
  • 徳間書店
  • 2018年2月発刊
  • 対象年齢:6歳~

こちらも徳間書店さんが児童書に編纂し直した作品です。

イースター、知ってはいてもどんな行事なのか日本ではあまり馴染みがありませんよね。
これを読んだ後はたまごの木を飾りたくなっちゃうかも。

1952年 『みつけたものとさわったもの』

  • 作・絵 ウィルとニコラス
  • 訳 晴海耕平
  • 童話館出版
  • 1997年
  • 対象年齢:6歳~

見つけて掘り出した骨は、見つけた方のモノが、触った方のモノか。
お互い譲らずに所有権を主張する姿は、今の大人たちに感じさせるものがあります。

こちらは1976年に『ナップとウィンクル』としてアリス館さんから出版されていましたが、現在手に入るのは再刊された上記本になります。

1953年 『おおきくなりすぎたくま』

  • 文・画 リンド・ワード
  • 訳 渡辺茂男
  • ほるぷ出版
  • 1985年発刊
  • 対象年齢:5歳~

野生の動物と共存する難しさを考えさせられます。

どうなってしまうのかハラハラしながら、ラストはハッピーエンドでホッとしました。

1954年 『マドレーヌといぬ』

  • 作 ルドウィッヒ・ベーメルマンス
  • 訳 瀬田貞二
  • 福音館書店
  • 1973年5月発刊
  • 対象年齢:4歳~

『げんきなマドレーヌ』でオナーを受賞した1940年から14年後、シリーズの2作目であるこの作品でコールデコット賞を受賞しました。

ジュヌビエーブという犬の名前が言いにくくて、読み聞かせの時いつもヒヤヒヤしますw

今見ても絵がオシャレで、パリの街並みが素敵です。

1955年 『シンデレラ』

  • 文・絵 マーシャ・ブラウン
  • 訳 まつのまさこ
  • 福音館書店
  • 1969年6月発刊
  • 対象年齢:5歳~

コールデコット賞を3回も受賞しているレジェンド、マーシャ・ブラウンの初受賞作品です。

お馴染みシンデレラの作品。
アニメっぽい絵本じゃない貴重な作品ですが、現在は絶版となっているようです。

1956年 『かえるのだんなのけっこんしき』

  • 作 ジョン・ラングスタッフ
  • 絵 フョードル・ロジャンコフスキー
  • 訳 さくまゆみこ
  • 光村教育図書
  • 2001年
  • 対象年齢:3歳~

アメリカで歌い継がれてきた歌をお話にした絵本です。
日本では馴染みのないものだから受け入れられにくかったのか、現在は絶版となっています。

巻末には楽譜もついているので、歌いながら読むと楽しいかもしれません。
絵も美しいので図書館などで手に取ってみてくださいね。

オナーブックは『わたしとあそんで』

  • 文・絵 マリー・ホール・エッツ
  • 訳 よだじゅんいち
  • 福音館書店
  • 1968年8月発刊
  • 対象年齢:3歳~

『もりのなか』に続いて『わたしとあそんで』もオナーブックに選ばれました。
日本人的にはコールデコット賞の作品より馴染み深い作品ですよね。

エッツが描く動物たちとの世界は今もとても魅力的です。

1957年 『木はいいなあ』

  • 作 ユードリイ
  • 絵 シーモント
  • 訳 西園寺祥子
  • 偕成社
  • 1976年4月発刊
  • 対象年齢:4歳~

素朴で優しい気持ちになれる作品です。

面白かった!という読後感ではありませんが、しみじみとした素敵な絵本。

オナーブックは『ねずみのとうさんアナトール』

  • 作 イブ・タイタス
  • 絵 ポール・ガルドン
  • 訳 晴海 耕平
  • 童話館出版
  • 1995年2月発刊
  • 対象年齢:8歳~

わたしの個人的お気に入りな作品です。
アナトールとうさんがとっても誇り高くかっこいい。

フランス国旗の色で描かれた絵もおしゃれ。

1958年 『すばらしいとき』

  • 文・絵 ロバート・マックロスキー
  • 訳 わたなべしげお
  • 福音館書店
  • 1978年7月発刊
  • 対象年齢:5歳~

『かもさんおとおり』とは全く違う印象を受ける作品。

夏のバカンスを一緒に過ごしたかのような気持ちになります。

1959年 『チャンティクリアときつね』

  • 作・絵 バーバラ・クーニー
  • 訳 平野敬一
  • ほるぷ出版
  • 1978年
  • 対象年齢:5歳~

14世紀のイギリス詩人ジェフリー・チョーサーの代表作『カンタベリー物語』に収録されているお話をもとに描かれたそうです。

バーバラ・クーニーの絵が14世紀を彷彿とさせます。

マイタケ
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