
今度、劇で桃太郎をするんだよ!

そう言われると絵本を探しに行くのですが、昔話ってたくさん絵本があって迷いますよね~
一休さんやがらがらどん、ピーターパン、にんじんだいこんごぼう、オズの魔法使い…。
我が家の子どもたちも子ども園では毎年いろいろな昔話の劇を行ってきました。
そのたびに家でも読んでみようと絵本を探していたのですが、定番の昔話って絵本が多くてどれを選んでいいか分からないですよね。
今回はそんな定番の、みんながよく知る日本の昔話のロングセラー絵本をまとめてみました!
こんな方におすすめ
日本の定番昔話一覧表
日本の昔話のなかで、定番といえるお話たちを集めました。
一言あらすじもあるので、どんなお話か思い出すキッカケにどうぞ!
詳しく知りたいお話はタイトルをクリックしてくださいね。
| タイトル | あらすじ |
|---|---|
| 桃太郎 | 桃から生まれた少年が仲間と鬼退治するお話 |
| 浦島太郎 | 助けた亀に連れられ、竜宮城に行くお話 |
| 金太郎 | 山で育った力持ちの男の子が熊と相撲をとるお話 |
| 笠地蔵 | おじいさんが雪まみれの地蔵に笠を被せて報われるお話 |
| 一寸法師 | 一寸の法師が都へ行き、鬼を退治して成長するお話 |
| かちかち山 | ずる賢いタヌキをウサギが懲らしめるお話 |
| おむすびころりん | 穴に落ちたおむすびをきっかけにネズミに歓迎されるお話 |
| こぶとり爺さん | 踊りの好きな爺さんが鬼にこぶを取ってもらうお話 |
| 三枚のお札 | 和尚からもらった三枚のお札で山姥から逃げ切るお話 |
| さるかに合戦 | カニを殺した猿を仲間が協力して仇討ちするお話 |
| 舌切り雀 | 雀を助けた正直者が豪華な宝をもらうお話 |
| かぐや姫 | 竹の中から現れた姫が月に帰っていくお話 |
| 雪女 | 命を助けられた男が約束を破り恐ろしい罰を受けるお話 |
| 鶴の恩返し | 助けた鶴が娘に化け、機を織って恩を返すお話 |
| 花咲か爺さん | 灰を撒いて花を咲かせ、正直爺さんが褒美をもらうお話 |
| わらしべ長者 | わら一本から大金持ちになる、運が開けるお話 |
| ぶんぶく茶釜 | お寺の茶釜に化けたタヌキが芸を見せるお話 |
| 聞き耳頭巾 | 不思議な頭巾で動物の言葉を理解し、金持ちになるお話 |
| 三年寝太郎 | 三年間寝続けた男が、国を救うために活躍するお話 |
| 鼠の嫁入り | 世界で一番強い婿を探しに旅をするお話 |
| 力太郎 | 灰から生まれた怪力男が冒険に出て活躍するお話 |
| 天の羽衣 | 天女の羽衣を隠した男が、妻を失うお話 |
有名な日本昔話のあらすじ・教訓・代表作
一覧表の昔話をさらに深く掘り下げます!
いろいろなパターンがある昔話ですが、一般的なあらすじ・登場人物を紹介。
また、代表作ともいえる名作絵本を1冊紹介します。
さらに、昔話に含まれる教訓も解説!

ここでは1冊のみの紹介ですが、昔話はセットで欲しい~!という方のためにおすすめ5選を比較もしています!
桃太郎
桃太郎の一般的なあらすじ
昔々、おばあさんが川から流れてきた大きな桃を持ち帰り、割ると中から元気な男の子が出てきました。彼は桃太郎と名付けられました。
成長した桃太郎は、村人を苦しめる鬼ヶ島の鬼を退治するため旅に出ます。
道中、犬、猿、雉を家来にし、きびだんごを与えて仲間とします。
桃太郎と三匹は鬼ヶ島に渡り、鬼と戦い、ついに鬼を降伏させて宝物を持って村へ帰りました。
桃太郎の登場人物
桃太郎、お爺さん、お婆さん、犬、猿、雉、鬼
桃太郎の教訓
仲間との協力と、困難に立ち向かう勇気が成功の鍵ということ
桃太郎が一人ではなく、協力し合ったからこそ鬼という大きな困難を打ち破ることができました。
このお話は、目標達成のためには個人的な勇気だけでなく、仲間を信頼し力を合わせることの重要性を教えてくれます。
桃太郎の代表的作品『ももたろう』
絵本『ももたろう』のあらすじ
おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃が流れてきました。桃をもちかえって切ろうとしたら、なんと桃からかわいい男の子が生まれました。「桃太郎」と名付けられた男の子は、おばあさんとおじいさんが用意したおかゆや魚を食べて、どんどん大きくなり、立派に成長します。そんなある日、桃太郎は鬼が島の鬼が悪事をはたらいていると聞き、鬼退治にでかけることにします。力強い絵とともに、真の昔話の面白さが味わえる1冊。
福音館書店「ももたろう」
昔話といえば赤羽末吉さんの絵が思い浮かぶ方も多いかもしれません。
この方は本当にたくさんの昔話絵本を残してくださったので、赤羽さんの絵本を読めば日本の昔話は大抵網羅できます。
この『ももたろう』はその中でもミリオンセラーのロングセラーです。
まだ読んだことがない方は勿体ない!
ぜひ昔ながらのももたろうを読んでみてくださいね。
浦島太郎
浦島太郎の一般的なあらすじ
ある日、漁師の浦島太郎は、いじめられていた亀を助けます。
数日後、その亀が礼を言いに現れ、太郎を背中に乗せて海の中にある華やかな竜宮城へ連れて行きました。
竜宮城では乙姫様にもてなされ、夢のような日々を過ごしますが、浦島太郎は地上へ帰ることを望みます。
乙姫様から「決して開けてはいけない」と渡された玉手箱を持ち帰り、地上に戻ると、村も人も変わり果てていました。
驚いて玉手箱を開けると、中から白い煙が出て、浦島太郎は一瞬にしておじいさんになってしまいました。
浦島太郎の登場人物
浦島太郎、亀、乙姫様、鯛やヒラメなどの海の生き物たち
浦島太郎の教訓
良い行いには見返りがあるが、約束を破ると全てを失うということ
亀を助ける優しい心のおかげで、竜宮城という素敵な場所へ連れて行ってもらった浦島太郎。
良い行いには見返りがあるということを分かりやすく教えてくれています。
が、その後の玉手箱のくだりでは約束を破ってしまい大変なことに!
約束を守るということが信頼関係の基礎だということを教えてくれます。
浦島太郎の代表的作品『うらしまたろう』
絵本『うらしまたろう』のあらすじ
魚をとって暮らしていた浦島太郎は、ある日、家に戻る途中、村の子どもらにいじめられていた亀を助けて、海に逃がしてやりました。次の日、太郎が釣り糸をたれると、美しい娘が大きな亀をしたがえて現れ、自分が昨日助けられた亀で、実は竜王の娘、乙姫であることを告げ、お礼に竜宮に来てほしいといいます。おなじみの昔話を、古代の文献にまでさかのぼり精査して再話しました。
福音館書店「うらしまたろう」
やはり、福音館書店のロングセラーは信頼があります。
昔ながらの美しい絵が、不思議な世界と合わさって何とも言えない雰囲気。
秋野さんは日本画家でもあるので、より一層日本らしく感じますね。
昔話には地区によって語り継がれる話が違ったりします。
この絵本は助けた亀が乙姫さま自身だったバージョンです。
金太郎
金太郎の一般的なあらすじ
足柄山に、怪力の少年・金太郎がいました。
彼は成長が早く、いつもまさかりを担いでいます。
山で暮らし動物たちと仲が良く、熊を相手に相撲をとるなど、強い力と優しい心を持っていました。
その評判は都に届き、通りかかった武士の源頼光にその才能を見出されます。
金太郎は頼光の家来となり、のちに立派な武士「坂田金時」として名を上げるのです。
金太郎の登場人物
金太郎、雷、山姥、熊、猪、猿や兎など動物たち、侍、殿様
金太郎の教訓
生まれ持った才能を活かし、正直で素直な心で生きるべきということ
金太郎は山奥で生まれ育ちましたが、その天性の力と動物にも優しい素直な心が武士の棟梁に見初められるきっかけとなりました。
このお話は、与えられた能力や才能を隠さず正直な心で誠実に生きることが、やがて大きな道を開き周囲に認められることにつながると教えてくれています。
金太郎の代表的作品『きんたろう』
絵本『きんたろう』のあらすじ
天の雷の父親に世のため人のために大力を使えと教えられていた金太郎はある日、侍が狩りに訪れたのを機に野山を駆け回る生活に別れを告げ、侍の家来となり京に向かいます。童謡でも有名なお話を第一級の作画家で絵本化しました。
Amazon「きんたろう」商品説明より
桃太郎は良質の名作絵本がありますし、浦島太郎もいろいろ選べるんですが、金太郎は本当に少ない。
童謡は有名なのに、何故なんでしょうね?
これは『とべバッタ』など迫力のある絵でお馴染みの田島征三さんが絵を担当しています。
表紙からも分かるようにとってもダイナミック!!
金太郎ってこんなお話だったんだなーとイメージが変わりました。
笠地蔵
笠地蔵の一般的なあらすじ
雪の降る大晦日、貧しいけれど心優しいおじいさんが売れ残った笠を抱えて帰る途中、道端に並んだ六体のお地蔵様を見つけます。
地蔵様が雪に埋もれているのを見て可哀想に思ったおじいさんは、売れなかった笠を一体ずつ被せてあげました。
しかし笠は五つしかなかったため、最後の一体には自分が被っていた手ぬぐいを被せてやりました。
その夜、おじいさんの家にはたくさんのご馳走や宝物が届けられました。
笠地蔵の登場人物
おじいさん、おばあさん、お地蔵様
笠地蔵の教訓
見返りを求めない善行は必ず報われるということ
おじいさんは、売れなかった笠だけでなく、自分に必要な手ぬぐいまで差し出して、地蔵様に尽くしました。
これは見返りを一切期待しない純粋な善行です。
このお話は、貧しくとも他人を思いやり、優しく接する正直で謙虚な心こそが最も尊く、やがて思いがけない形で自分に返ってくるという善因善果教えを伝えています。
笠地蔵の代表的作品『かさじぞう』
絵本『かさじぞう』のあらすじ
編み笠を作って暮らしているじいさんは、正月の餅を買うために、笠を五つ持って町に売りに出かけましたが、さっぱり売れません。そのうちに日が暮れて雪も降ってきたので、しかたなく戻ってくる途中、野原に立っているお地蔵さまに雪が積もっているのを見て、持っていた笠を全部かぶせてあげました。翌朝、どこからか橇引きの声が……。赤羽末吉の最初の絵本。
福音館書店「かさじぞう」
かさじぞうといえば、雪が積もっていたお地蔵さまに笠をかぶせてあげたおじいさんへ、お地蔵さまたちが恩返しに来るというお話。
でも、笠が足りなくなった最後のお地蔵さまにかぶせたのは自分の笠?それとも手ぬぐい?
恩返しにやってきたのはお地蔵さまたち?それとも最後のお地蔵さまだけ?
などなど、細かな違いが日本中にあるんです。
絵本でもタイトル含めそんな違いが出ていますので、読み比べて楽しんでみてもいいですね。
一寸法師
一寸法師の一般的なあらすじ
昔、子供に恵まれない夫婦が一寸しかない小さな男の子を授かり、一寸法師と名付けました。
一寸法師の身体は成長しませんでしたが、都に出て立派になることを決意します。
お椀を舟に箸を櫂に針を刀代わりに持ち、都でお姫様の家来となります。
ある日、姫が鬼に襲われた際に一寸法師は勇敢に立ち向かい、鬼が落とした打ち出の小槌を手に入れます。
その小槌を振ると一寸法師は望み通り立派な大人になり、その後は姫と結婚して幸せに暮らしました。
一寸法師の登場人物
一寸法師、おじいさん、おばあさん、お姫様、鬼
一寸法師の教訓
知恵と勇気があれば夢や願いは叶えられるということ
一寸法師は生まれつき体が小さく力もありませんでしたが、知恵と強い志を持って行動しました。
鬼との戦いでは、その小さな体と針の刀で果敢に挑んだ勇気が勝利と、願いを叶える打ち出の小槌をもたらしました。
このお話は、諦めずに努力し勇気を持って行動すれば、必ず成功できるということを教えています。
一寸法師の代表的作品『いっすんぼうし』
絵本『いっすんぼうし』のあらすじ
子がいないおじいさんとおばあさんは、お天道様に「こどもを おさずけください」と拝んでいました。そのうち、おばあさんのおなかが痛み、小さな小さな男の子の赤ん坊が生まれました。赤ん坊の体の大きさは、手の親指くらいの大きさです。おじいさんとおばあさんは、お天道様の思し召しだと、たいそう喜びました。なじみ深い一寸法師のお話が、完全な再話と美しい絵で、子どもたちの心によみがえります。
福音館書店「いっすんぼうし」
一寸法師といえばこの絵本にあるような、愛らしい一寸法師を思い浮かべます。
だけど、室町時代に成立した『御伽草子』にかかれている一寸法師は、一目惚れした娘さんを陥れて自分の妻にしようとするような人物なんです…
昔話は時代によって語られ方が変わってきた部分もありますが、違いに驚きますよね。
とはいえこの絵本はスタンダードな一寸法師を楽しめますのでオススメです。
かちかち山
かちかち山の一般的なあらすじ
昔、畑を荒らすタヌキがおばあさんをだまして殺し、婆汁にしておじいさんに食べさせた後、嘲って逃げてしまいました。
悲しむおじいさんから話を聞いたウサギが仇討ちに出ます。
ウサギは柴刈りに誘ったタヌキの背負う柴に火打ち石で火を付け、大火傷を負わせました。
次に、タヌキを漁に誘い、泥でできた船に乗せるました。
沖で船が沈みだして助けを求めるタヌキに、ウサギは「婆様の仇だ」と沈めて退治したのです。
かちかち山の登場人物
おじいさん、おばあさん、タヌキ、ウサギ
かちかち山の教訓
悪事を働いた者は必ず報いを受け、罰を免れることはできないということ
このお話は、タヌキがおばあさんを殺すという卑劣な悪事を働いたことに対し、正義の味方であるウサギが知恵を絞って罰を与えるという因果応報の強いメッセージを伝えています。
悪行をすれば、最初は逃れられても必ず然るべき報いが下される、という正義の概念が根底にあります。
かちかち山の代表的作品『かちかちやま』
絵本『かちかちやま』のあらすじ
全国に分布しているたくさんの「かちかちやま」話の中から、昔話研究の第一人者である小澤俊夫さんが選んだ決定版です。おじいさんの大切なおばさんを殺したたぬきの仇をとるべく、勇敢で賢いうさぎは、あれよこれよとたぬきに仕返しをします。たぬきはうさぎの言うことを信じて、痛い目に遭い、最期は……。美しい自然を背景に、うさぎとたぬきの息をのむ対決がくりひろげられます。
福音館書店「かちかちやま」
このお話には昔話ならではの残酷さがあります。
だけど、個人的にはその残酷さも含めて語り継いでいってほしいなあと思います。
子どもにとっては、この怖さが楽しい、面白いという部分になることもあります。
むかしむかしあるところに…とぼかすことで、追体験ではなく覗き見のような感覚になれるのかもしれませんね。
おむすびころりん
おむすびころりんの一般的なあらすじ
おじいさんが山で昼食のおむすびを食べている最中に、誤って穴の中へ転がしてしまいました。
穴の底からは「おむすびころりん」という声が聞こえ、おじいさんはその穴へ降りていきます。
そこはネズミたちの住処で、おじいさんはネズミたちに歌と踊りでもてなされ、感謝の印としてたくさんの宝物をもらって帰りました。
これを聞いた欲深い隣のじいさんも真似をして穴に入りますが、宝物が欲しいためにネズミを脅し欲張りな行動をしたため、ネズミたちに懲らしめられ何も得られずに逃げ帰りました。
おむすびころりんの登場人物
おじいさん、おばあさん、ネズミたち、隣の欲深いじいさん
おむすびころりんの教訓
欲を出さず、正直で清らかな心を持つことが福を呼ぶということ
一人目のおじいさんは、ネズミをねぎらい感謝の心で接した結果、思いがけない福を得ました。
対照的に二人目の欲深いおじいさんは、宝物目当てでネズミを脅すという利己的な行動を取ったため罰を受けます。
このお話は、純粋な心と他者への優しさが幸福を呼び、強欲や利己主義は身を滅ぼすという人間の心のあり方を説いています。
おむすびころりんの代表的作品『おむすび ころりん』
絵本『おむすびころりん』のあらすじ
おむすびころりん すっとんとん。日本古来のねずみ浄土話を、リズミカルな語り口とおおらかでユーモアたっぷりの絵で描きます。
偕成社「おむすびころりん」
小学生のお子さんをお持ちなら、音読で死ぬほど聞かされているお話かもしれませんw
とてもリズミカルな「おむすびころりん すっとんとん」というフレーズは何度も言いたくなります。
教科書に載っているのは光村図書の書き下ろしらしく、絵本として読むことはできません。
いろいろ出版されていますが、偕成社さんのロングセラーを選んでみました。
こぶとり爺さん
こぶとり爺さんの一般的なあらすじ
右の頬に大きなこぶのあるおじいさんが山で迷い、夜中に鬼たちの宴会に出くわします。
おじいさんは恐れながらも、その場の雰囲気に合わせて楽しく踊りました。
鬼たちはその踊りを気に入り「また踊りに来い」と言い、担保としておじいさんのこぶを取ってくれました。
こぶが取れて喜ぶおじいさんを見た欲張りな隣のじいさんも、自分も左の頬にあるこぶを取ってもらおうと鬼の真似をしますが、彼の踊りは下手で鬼を怒らせてしまいます。
結果、隣のじいさんは右にもこぶを付けられて帰されることになりました。
こぶとり爺さんの登場人物
右にこぶのあるおじいさん、左にこぶのある欲張りなおじいさん、鬼
こぶとり爺さんの教訓
朗らかで優しい心は幸福を呼び、欲深い心は災いを招くということ
最初のおじいさんは恐怖よりも好奇心と朗らかさで鬼と接し、その場を楽しみました。
その素直な気持ちが、結果的にこぶを取ってもらうという幸運を呼び込みました。
一方、隣のじいさんは自分の利益(こぶを取る)だけを目的とし、心の底から楽しんでいないため鬼を不快にさせました。
このお話は、純粋な心と振る舞いが福を、欲深さが災いを招くことを教えています。
こぶとり爺さんの代表的作品『こぶじいさま』
絵本『こぶじいさま』のあらすじ
額に大きなこぶのあるおじいさんが、山へ木を伐りにいって日が暮れてしまい、お堂で寝ていると、鬼が大勢やってきて歌い踊りはじめました。おもしろくなったおじいさんが、いっしょになって歌い踊ると、鬼たちもよろこんで、明日も来い、額のこぶは預かっておくといって、こぶをとってくれました。翌日隣のおじいさんが真似をして鬼といっしょに踊りますが……。おなじみの昔話の絵本。
福音館書店「こぶじいさま」
こぶとり爺さんといえば頬にこぶのイメージですが、こちらの絵本では額にこぶができたおじいさんのお話です。
あとお隣のおじいさんもそんなに意地悪じゃないですw
こぶとりじいさんのお話もバリエーションが豊富で、鬼ではなく天狗が出てくるものもあります。
読み比べるのも楽しいですね。
三枚のお札
三枚のお札の一般的なあらすじ
ある寺に和尚とやんちゃな小僧が済んでいました。
山へ栗拾いへ行きたいと言い出した小僧を、和尚は山姥が出るから駄目だと止めていましたが、何度もせがまれ仕方なく許します。
和尚は三枚のお札を小僧に渡して送り出しました。
小僧は夢中になって栗拾いをしてしまい、山道で日が暮れてしまったので一軒の家に泊めてもらいました。
その家の女は実は恐ろしい山姥で、小僧は逃げ出しますが、山姥は猛スピードで追いかけてきます。
小僧は和尚からもらった三枚のお札を一枚ずつ道に投げました。
一枚目はお札が大きな川に、二枚目は燃える火に、三枚目はお札が小僧そっくりの木に変わり、その都度山姥の追跡を妨害しました。
小僧は知恵と機転、そしてお札の力で、ようやくお寺まで逃げ切ることができました。
三枚のお札の登場人物
小僧、和尚、山姥
三枚のお札の教訓
困難な状況でも、教えや知恵を信じ最後までやり抜くべきということ
このお話は、山姥という極度の危険から逃れるために、小僧が和尚の教え(お札)を信じ、その知恵と機転を最大限に活かした結果、命を救われたお話です。
どんなに絶体絶命な状況でも、信頼できる教えと最後まで諦めずに工夫する心が道を切り開くことを教えています。
三枚のお札の代表的作品『さんまいのおふだ』
絵本『さんまいのおふだ』のあらすじ
寺の小僧は山へ花を切りに出かけましたが、日が暮れて道に迷い、白髪のお婆の住む一軒家に泊めてもらいました。ところが夜中に目を覚ますとお婆は恐ろしい鬼婆になって小僧を食べようとしています。小僧は便所にいきたいといってその手を逃れ、便所の神様から3枚の札をもらって逃げだします。語り口調をいかした再話による、スリルとユーモアをかねそなえた昔話の絵本です。
福音館書店「さんまいのおふだ」
このお話は追いかけられるハラハラドキドキの展開に子どもたちも夢中!
お札をどのように使うのか、追いつかれてしまうんじゃないか。
食い入るように見つめてくる子どもたちです。
さるかに合戦
さるかに合戦の一般的なあらすじ
蟹がおにぎりを持って歩いていると、猿が柿の種と交換しようと言ってきました。
蟹は最初嫌がりましたが、猿は種を植えれば柿がなって得になると言って、交換しました。
蟹は柿の種を育てて実らせますが、猿は自分だけ高い木に登って熟した柿を食べ、蟹に青い柿を投げつけて殺してしまいます。
怒った子蟹は同じく猿の悪戯に困っていた臼、蜂、栗などと協力し、猿の家に押し入って猿を攻撃し、その悪行に報いを与えて仇を討ちました。
さるかに合戦の登場人物
猿、蟹、子蟹、臼、蜂、栗、牛の糞
さるかに合戦の教訓
弱い者でも団結し協力すれば、強い悪にも対抗できるということ
猿のずる賢さと暴虐さに対し、力の弱い蟹やその仲間が個々の特性を活かして協力し合うことで、ついに猿を懲らしめました。
このお話は、たとえ自分一人の力が弱くても団結と連携の力があれば、どんな困難や不正にも立ち向かい正義を貫くことができるということを教えています。
さるかに合戦の代表的作品『かにむかし』
絵本『かにむかし』のあらすじ
有名な日本民話「さるかに合戦」が木下順二氏の新解釈により,ユニークな絵本になりました.方言の味わいを生かしたリズミカルな再話に,清水崑氏ののびやかな墨の絵がぴったりです
岩波書店「かにむかし」
さるかに合戦といえば子ガニの仇討ちですよね。
これもいろいろなパターンがあって、上記の『かにむかし』は新潟県の佐渡に伝わるお話をもとに描かれています。
きびだんごで仲間を募るのが桃太郎ちっくです!
ちなみに子ガニの仲間はお馴染みの蜂、栗、うす、棒、そして牛の糞です。
なかなか壮絶な復讐劇なのですが、牛の糞が参加しているところが可笑しさとなって子どもたちの心を掴むのかもしれません。
舌切り雀
舌切り雀の一般的なあらすじ
心優しいおじいさんが、傷ついた雀を保護し手厚く看病しました。
しかし、それを気に入らない欲張りなおばあさんは大切にしていた糊を雀が食べたことに怒り、雀の舌を切って追い出してしまいました。
雀が心配になったおじいさんが探しに行くと、雀の宿に招かれもてなしを受けます。
帰る際、雀から重い葛籠と軽い葛籠のどちらかを選ばされ、おじいさんは軽い方を選び、中にはたくさんの宝物が入っていました。
これを知ったおばあさんは自分も雀の宿へ押しかけ、重い葛籠を強引に受け取りますが、家に着くまで開けてはならないという約束を破ってしまい、中からは恐ろしい毒虫や化け物が出てきて気絶してしまいました。
舌切り雀の登場人物
おじいさん、おばあさん、雀
舌切り雀の教訓
約束を守り、正直で人に優しくある行いが自分に返ってくるということ
おじいさんの雀への優しさと、欲を出さずに軽い葛籠を選んだ謙虚さが幸福をもたらしました。
一方、おばあさんの残酷な行いと欲に目がくらんだ選択が災いを招きました。
このお話は、善良な行いには報いがあり、悪意や強欲には罰が下るという因果応報を明確に示しています。
舌切り雀の代表的作品『したきりすずめ』
絵本『したきりすずめ』のあらすじ
じいさ(じいさん)は、1わのすずめを自分の子どもみたいに可愛がってしました。しかし、ある日、妻のばあさ(ばあさん)がつくったのりをすずめは食べてしまい、怒ったばさは、すずめの舌をちょん切ってしまいます……。それを知ったじいさはすずめに謝ろうと、「すずめやすずめすずめのおやどはどこじゃいな……」と探しに行きます。情感あふれる文章と素朴で美しい丹緑本風の絵が完璧な絵本の世界を作りあげます。
福音館書店『したきりすずめ』
このお話もいろいろなパターンがありますが、この絵本が読みやすいかなと思います。
赤羽さんの絵も昔話らしさ全開で趣があります。
石井さんの再話も、子ども向けに少しマイルドになっているように思います。
かぐや姫
かぐや姫の一般的なあらすじ
昔々、竹取のおじいさんが光る竹の中から手のひらサイズの美しい女の子を見つけました。
その子をかぐや姫と名付け、大切に育てます。
かぐや姫はあっという間に成長し、類まれな美しさから多くの求婚者が現れますが、彼女は難しい難題を出してすべて退けます。
遂には帝と和歌をやりとりするようになりましたが、かぐや姫は実は月の都の人間であり、やがて別れの時が来ました。
帝は軍勢を送り阻止しようとしたものの、全く敵いません。
おじいさんやおばあさん、そして都の人々の嘆きをよそに、姫は別れを惜しみながらも八月十五夜の満月の夜、迎えに来た月の使者とともに天へ昇っていきました。
かぐや姫の登場人物
かぐや姫、竹取の翁、嫗、五人の求婚者、帝、天の羽衣の使者たち
かぐや姫の教訓
お金や権力では、人の気持ちは手に入らないということ
美しく成長したかぐや姫のもとには数多の求婚者が訪れ、中には権力者やお金持ちも多数いましたが、誰一人かぐや姫と結婚することはできませんでした。
最も尊いとされる帝でさえ、かぐや姫の心を手に入れることは出来なかったのです。
かぐや姫が月に帰るその時まで大切にしていたのは、育ててくれたおじいさんおばあさんへの想い。
このお話は、お金や権力では人の気持ちまで手に入れることはできないことを教えてくれます。
かぐや姫のおすすめ絵本『かぐやひめ』
絵本『かぐやひめ』のあらすじ
竹取りのおじいさんが、竹の中で見つけた小さな女の子をおばあさんといっしょに可愛がって育てると、瞬く間に美しく成長します。かぐや姫と名づけられた娘に結婚を申し込む男性が次々現れますが、無理難題を言い、結局誰とも結婚しません。そんなある日、かぐや姫は月に帰らなければならないと言い出します。日本最古の創作文学の絵本版です。
福音館書店「かぐやひめ」
かぐや姫は知名度のわりに絵本としていいものがなかなかなくて…
岩崎書店さんのもロングセラーで素敵なんですけど、さすがに今の時代にあの姫様は子どもウケがあまりよくない…
そんな中で遂に!福音館書店さんが素敵なものを出してくれました!
とても美しいかぐやひめ、ぜったいぜったい単行本化してほしい…!!!
雪女
雪女の一般的なあらすじ
ある冬の日、木こりの茂作と弟子の巳之吉は吹雪にあって帰れなくなり、小屋で一夜を過ごします。
そこに恐ろしい雪女が現れ茂作の命を奪いますが、若く美しい巳之吉を見て「このことは誰にも話してはならない」と誓いを立てさせ、命を助けました。
数年後、巳之吉は美しい娘お雪と結婚し、幸せな家庭を築きます。
ある夜、巳之吉はお雪に過去の雪女との出来事を話してしまいます。
それを聞いたお雪は正体を現し、自分が雪女であると告げ、誓いを破った巳之吉に怒りながらも子どもたちのことを思い罰を与えずに姿を消してしまいました。
雪女の登場人物
茂作、巳之吉、雪女
雪女の教訓
命を救われた恩と誓いは重く、決して裏切ってはならないということ
雪女は、命を助ける代わりに「口外しない」という厳粛な誓いを立てさせました。
巳之吉がその誓いを破ったことが、最愛の妻との別れを招きました。
このお話は、命の恩義とその時に交わした約束の重さを説いており、時間が経ってもその約束を破ってしまうと悲劇的な結果を招くことを教えています。
雪女の代表的作品『雪女』
絵本『雪女』のあらすじ
ある寒い夕暮のこと、ふたりの木こりがひどい吹雪にあいました。ふたりはとりあえず、渡し守の小屋に逃げこんで、入り口の戸をしっかり締め、頭からみのをかぶってごろりと横になりました。いつとはなしに眠りこんだ顔に雪があたって、驚いた若い方の男が目をさますと、締めたはずの入り口の戸があいていて、白装束の女が、年老いた方の男の上にかがみこんで、白い息を吹きかけています。と、きゅうに、その女がふりむいて若者の方に身をかがめてきました。見れば女の目は、ぞっとするほど怖ろしい。だが顔は、ひじょうに美しい…。日本の伝説・奇談に魅せられた小泉八雲の傑作物語。伊勢英子が絵本化。
楽天ブックス「雪女」
長い&怖いお話なので、中・高学年以上におすすめしたい昔話。
伊勢英子さんの絵がまた美しくも恐ろしい…
長いけど聞き入ってしまう力がある、冬の読み聞かせ定番の昔話です。
鶴の恩返し
鶴の恩返しの一般的なあらすじ
貧しい老夫婦二人で暮らすおじいさんが、罠にかかっていた一羽の鶴を助けてやりました。
雪の激しい夜、老夫婦の家に道に迷ったので泊めてほしいという娘がやってきました。
快く泊めてやる老夫婦ですが、なかなか雪は止まず、その間も甲斐甲斐しく老夫婦の世話をやく娘をたいそう気に入り、そのまま一緒に暮らすことに。
ある日、娘は「決して中を覗かないでください」と言い機織り部屋にこもり、美しい布を織りあげました。
その布はとても高く売れ、織っては売って、老夫婦は裕福になりました。
しかし老夫婦はその秘密が気になり、ついに約束を破って部屋を覗くと、そこには助けた鶴が自分の羽を抜いて布を織る姿がありました。
秘密を知られた鶴はもう人間の姿ではいられないと、別れを告げて飛び去っていきました。
鶴の恩返しの登場人物
おじいさん、おばあさん、鶴
鶴の恩返しの教訓
自分で交わした約束には責任を持ち、他人の秘密はむやみに詮索しないということ
老夫婦は鶴を助けた恩返しを受けて幸せになりましたが、好奇心から約束を破り、恩人の秘密を暴いてしまいました。
その結果、娘は去り、幸福は失われます。
このお話は、相手の信頼の上に成り立つ約束を破ったり、立ち入るべきでない秘密の領域を覗いたりすべきではないという教訓を強く示しています。
鶴の恩返しの代表的作品『つるのおんがえし』
絵本『つるのおんがえし』のあらすじ
人間に命を助けられたつるが、自分の羽をぬいて美しい布を織るという民話を淡く美しく描きます。英米でも翻訳されて好評です。
偕成社「つるのおんがえし」
こちらは松谷みよ子さんといわさきちひろさんによる鶴の恩返し。
いわさきさんならではの美しい絵が儚さを感じさせます。
冬にぴったりの昔話、ぜひ冬の読み聞かせにどうぞ!
花咲か爺さん
花咲か爺さんの一般的なあらすじ
心優しい正直な爺さんと、意地悪で欲深い隣の爺さんがいました。
正直爺さんは、飼っていた犬の鳴き声に従って掘ると、宝物がザクザク出てきました。
これを見た意地悪爺さんは、正直爺さんの犬を借りて真似をしますが、宝ではなくガラクタしか出てきません。
腹を立てた意地悪爺さんは、その犬を殺してしまいます。
正直爺さんは犬を丁寧に供養し、その灰を庭に撒くと、なんと枯れ木に美しい花が咲きました。
この噂を聞いた殿様から褒美をもらった正直爺さんに対し、意地悪爺さんも真似をして灰を撒きますが、その灰が殿様の目に入り、罰せられました。
花咲か爺さんの登場人物
花咲か爺さん、意地悪爺さん、犬、殿様
花咲か爺さんの教訓
真心をもって善行を積む正直な者が幸せになるということ
正直爺さんは、犬に対しても亡くなった後も心からの優しさと愛情をもって接し続けました。
その純粋な心が枯れ木に花を咲かせるという奇跡を起こし、最終的に幸福を得ます。
一方、意地悪爺さんは利益と妬みだけを動機として行動し、善行を真似ただけの悪意ある行動で罰を受けました。
これは、心の清らかさと善意こそが本当の幸福をもたらす源であるという教えです。
花咲か爺さんのおすすめ作品『はなさかじいさん』
絵本『はなさかじいさん』のあらすじ
ある日、おばあさんは川で立派な箱に入った子犬を拾います。シロと名づけ、かわいがるうちに、シロは「おじいさん、わたしにのっておくれ」と話します。
Amazon「はなさかじいさん」
山でシロは「ここほれ、わんわん」 すると、大判小判がたくさん!
それを見ていた隣のなまけ者のおじいさんがシロを借りていき、山へおいたてます。
シロがなにも言わないのに、掘ってみると!
大ヘビやかえるがうじゃうじゃ。
怒ったなまけ者のおじいさんは、シロを打って殺してしまいます。
悲しんだおじいさんは……!?
おじいさんとおばあさんのやさしさが、満開の桜の花を咲かせる美しい日本昔話です。
これもみんなが知っている定番の昔話ですが、代表作ともいえる絵本がなかなか…
個人的にアニメ系のものはお出かけのお供などにはいいと思いますが、じっくり味わうのには向いてないと思うので勧めづらくて。
そんな中でもこちらは絵本としてしっかり味わえる1冊になっています。
シロが死んじゃうところはいつ読んでも悲しくなりますけど、だからこそ満開の桜が美しいのかもしれません。
わらしべ長者『わらしべちょうじゃ』
わらしべ長者の一般的なあらすじ
貧しいけれど信仰心の厚い若者が、まじめに働いても暮らしが良くならないので観音様にお参りし「最初につかんだものを大切にしなさい」というお告げを聞きました。
お参りの帰り道、彼は転んで一本のわらを掴みます。
そのわらをアブと交換し、アブを泣いている子供に与えてみかんと交換。
みかんをのどが渇いた旅の商人に与えて立派な反物と交換。
そしてその反物を馬と交換し、その馬を最終的に広い田畑と家と交換して、大金持ちの長者になりました。
わらしべ長者の登場人物
貧しい若者、観音様、泣いている子と母、侍、屋敷の主人
わらしべ長者の教訓
一見価値がないものでも工夫次第で大きな成果を得られるということ
わらしべ長者は、最初の一本のわらという取るに足らない小さなものしか持っていませんでした。
しかし彼はその後の交換の過程で、人の状況やニーズを的確に把握し、知恵を使って有利な取引を重ねていきました。
このお話は、今ある小さなものや機会を軽んじず、知恵と努力そして感謝の心をもって地道に積み重ねていけば、やがて大きな成功を掴むことができるという希望を与えてくれます。
わらしべ長者のおすすめ『わらしべちょうじゃ』
絵本『わらしべちょうじゃ』のあらすじ
あるところに、働いても働いても貧しい若者がいました。なんとか少しはらくになりたいと、観音様にお参りすると、「このお堂を出て、さいしょにつかんだものを持って旅に出よ」とのお告げ。びっくりして外に転がり出た若者が、思わずつかんだのは、わらでした。
Amazon「わらしべちょうじゃ」
「なーんだ、こんなものをつかんでしまった・・・」。それでも気を取り直し、わらに、つかまえたあぶをくくりつけて、歩いてゆくと・・・。
「あの、あぶほしい!」。往来の牛車の中から子どもの声がします。お供のものがやってきて、ゆずってほしいと言います。快く渡すと、かわりにみかんをくれました。
このように1本のわらから、つぎつぎ交換していって、ついには長者になるというお話。石崎洋司さんの文と西村敏雄さんの絵がお話にぴったりのひょうひょうとした味をだしています。おおよそ4分ほどで読みきかせできる長さです。
言葉として意味は知っている方も多い「わらしべ長者」ですが、お話を詳しくご存知の方はさほど多くないかも?
あまり馴染みのない牛車なども、西村さんのユーモラスな絵で気にならずにお話に集中できるはず。ちゃが
どんどんイイモノになっていく様子に子どもたちは大笑いしてくれます。
ぶんぶく茶釜
ぶんぶく茶釜の一般的なあらすじ
茶の湯が趣味の和尚さんが茶釜を買って持ち帰りました。
和尚さんが湯を沸かそうと火にかけると、なんと足が生えてきたので、怪しく思った和尚さんは古道具屋へ売り払ってしまいました。
そこで茶釜は自らタヌキが化けた姿だと正体を明かし、軽業や芸をするので養ってくれと頼みます。
古道具屋は見世物小屋を立ち上げ、茶釜の綱渡り芸は人気を博します。
一財をなした古道具屋は儲けの半分は寄付し、茶釜は元の寺に返しました。
ぶんぶく茶釜の登場人物
和尚さん、タヌキ、寺の小僧、古道具屋
ぶんぶく茶釜の教訓
貪欲にならないこと、感謝の心を持つこと
古道具屋は、茶釜の力で儲けたお金の半分を寄付し、茶釜を寺に返しました。
儲けに目がくらむのではなく、感謝の気持ちを忘れずに行動することの大切さを伝えています。
ぶんぶく茶釜のおすすめ『ぶんぶくちゃがま』
絵本『ぶんぶくちゃがま』のあらすじ
茶釜に化けたたぬきのかるわざをごらんあれ
お寺に迷い込んだたぬき、人に見つかりそうになり茶釜に化けたのはよかったが、火にかけられて熱い熱いところげまわるうちに、もとのたぬきに戻れなくなってしまいます。
Amazon「ぶんぶくちゃがま」
古道具屋の親父さんに拾われたたぬきは、お礼に軽業の芸を見せて大人気。大もうけした後は、お寺でのんびりと暮らしたということです。
館林市の茂林寺に伝わる伝説をもとに、動物の恩返しのお話が融合して、愉快な昔話になって伝わってきたということです。
茶釜という存在自体があまり見かけないものになってしまいましたが、『ぶんぷく茶釜』の名前だけは知っている人も多いでしょう。
きつねやたぬきが化ける話も定番ですが、これはそんな中でも一味違って面白いですよね。
アニメ系以外の絵本が少ないお話なので、比較的最近ですが富安陽子さん&植垣歩子さんコンビの作品をおすすめします!
聞き耳頭巾
聞き耳頭巾の一般的なあらすじ
おじいさんが山道を歩いていると、一匹の子ぎつねが木の実をとろうと懸命に飛び上がっていたので、子ぎつねのために木の実をとって渡してやりました。
しばらく経って子ぎつねに再会したおじいさんは、母ぎつねからお礼として不思議な頭巾をもらいました。
その頭巾をかぶると、動物たちの会話がすべて理解できるようになりました。
ある日鳥たちが長者の娘の病気がクスノキの祟りだと話しているのを聞き、実際に長者の家に行ってみると、娘は臥せっており、クスノキの上に蔵が建てられていることがわかりました。
そこで蔵をどかすように長者に言い、実際に蔵がなくなるとクスノキも娘もすっかり元気になりました。
長者からお礼をもらったおじいさんは、きつねたちのおかげだと油揚げを買って帰りました。
聞き耳頭巾の登場人物
おじいさん、きつねの親子、鳥たち、長者、長者の娘
聞き耳頭巾の教訓
小さな優しさも巡り巡って、多くの人を助ける力になるということ
おじいさんがしたことは、困っていた子ぎつねに木の実をとってあげたことだけ。
こんな小さな親切が、聞き耳頭巾という不思議なものを介して、病に臥せっていた長者の娘や苦しんでいたクスノキ、娘の病気に心を痛めていた長者を助けたのです。
小さな善行も、巡り巡って大きな助けになることもあるということを教えてくれます。
聞き耳頭巾の代表的作品『ききみみずきん』
絵本『ききみみずきん』のあらすじ
おじいさんおばあさんから代々語りつたえられてきた日本民話のなかから,働きものの若者と娘を主人公にした2編「ききみみずきん」「うりこひめとあまんじゃく」を選んで,美しい絵本にしました.
岩波書店「ききみみずきん」
かわいい鳥さんの表紙が印象的な、超ロングセラーです。
頭巾も今や古典的道具になってしまいましたが、だからこそ今の子どもたちにはより不思議なものに思えるのかも。
語り継いでいきたい名作ですね!
三年寝太郎
三年寝太郎の一般的なあらすじ
ある村に、三年もの間ただひたすら眠り続けた三年寝太郎という青年がいました。
周囲からは怠け者と思われていましたが、三年後、目を覚ました寝太郎は「村に水を引く方法」という知恵を持っていました。
寝太郎は、村の皆を指揮して大きな池から水を引くための用水路を作り上げ、それまで水不足に苦しんでいた村を豊かにしました。
三年寝太郎の登場人物
寝太郎、村の人びと
三年寝太郎の教訓
一見無駄に見える時間も、何かを成すための準備期間になり得るということ
三年寝太郎が眠っていた時間は、人からは怠惰に見えましたが実は熟慮と思索のための大切な時間でした。
彼はその間に、村の長年の問題であった水不足を解決する独創的なアイデアを生み出していました。
このお話は、他人から見て無駄に見える行動や地道な準備期間も、実は大きな成功のためには欠かせない大切な時間であるということを教えています。
三年寝太郎のおすすめ『三ねんねたろう』
絵本『三ねんねたろう』のあらすじ
「うちのむらには、ねたろがござる」とこどもらがうたった。しかし、そのねたろうが村のためにはたらくというお話。
ポプラ社「三ねんねたろう」
子どもの頃は、寝太郎は怠け者のようなイメージで考えていた記憶がありますが、大人になってから思うと大事な人を亡くしてやる気をなくす寝太郎の気持ちも分かりますよね。
昔話はながーく語り継がれてきただけあって、本当に大人も子どもも惹きつけられるお話になっているなあと感心しちゃう。
こちらは1967年からのロングセラー絵本なので、親御さんも覚えがあるかも?
鼠の嫁入り
鼠の嫁入りの一般的なあらすじ
裕福な鼠の両親が、自分の娘を世界で一番強い者に嫁がせたいと考え婿探しに出かけます。
最初は太陽に頼みますが、太陽は雲に遮られると言います。
次に雲に頼みますが、雲は風に吹き飛ばされると言います。
風は壁に阻まれると言い、壁は最後に鼠に穴を開けられると言います。
結果として鼠こそが世界で一番強いと気づいたお父さんは、最終的に立派な鼠を娘の婿に選びました。
鼠の嫁入りの登場人物
鼠の両親、鼠の娘、太陽、雲、風、壁、婿となる鼠
鼠の嫁入りの教訓
どんなものにもそれぞれの長所・短所があるということ
最愛の娘を託したいからこそ、強さを基準に婿を探す両親。
ですが、絶対的強者というものは存在しません。
みんなそれぞれ、長所や短所があり、立場によって強さが変わるということを教えてくれるお話です。
鼠の嫁入りのおすすめ『ねずみのよめいり』
絵本『ねずみのよめいり』のあらすじ
ねずみの両親が娘のむこ探しを始め、ねずみよりも強い太陽、雲、風、かべ…と候補者をあげていくが結局、ねずみのむこをとる話。ねずみの家屋、家財道具、着物、農村風景などが細やかな筆で描かれた民話絵本の傑作。
Amazon「ねずみのよめいり」商品説明
こちらも子ども園などで劇をしたことがある子も多い、幼児からお馴染みの昔話。
結局はそこに落ち着くんかーい!となりますが、そんなものですよね。
親が婿探しはなかなか今の時代にそぐわない設定ですが、昔の風習を学ぶきっかけにもなります。
力太郎
力太郎の一般的なあらすじ
お風呂に入るのすら面倒な老夫婦の身体からは、面白いように垢がこすれ落ちていきました。
おじいさんが面白がってその垢で人形を作り、神棚にまつると、その人形に魂が宿り動き出しました。
あかたろうと名付けられ、お腹が空いたというあかたろうに老夫婦がせっせと食事を与えていくと、みるみるうちに大きくなっていきました。
そのうちあかたろうは鬼退治をすると言って老夫婦に100貫目の大きな金棒を買ってもらい、それを軽々持ち上げたことでちからたろうと呼ばれるようになりました。
そして仲間を連れて鬼退治へ向かい、長者の娘を助けるのです。
力太郎の登場人物
力太郎、おじいさん、おばあさん、村の人びと、鬼、長者の娘
力太郎の教訓
普段捨てられてしまうものも大切にすると、思わぬ幸運が舞い込むこともあるということ
垢という、普段は汚いと捨てられてしまうものから、老夫婦はかけがえのない子どもという存在を得ることが出来ました。
何気なく捨てているもの、見過ごしていることでも感謝の気持ちを持って向き合うと、思わぬ幸運が舞い込んでくるということを教えてくれるお話です。
力太郎の代表的作品『ちからたろう』
絵本『ちからたろう』のあらすじ
百かんめの金ぼうをかた手に、のっしじゃんが、のっしじゃんがと力修行にでて行くちからたろうのゆかいなお話。
ポプラ社「ちからたろう」
こちらの作品も過去には教科書に載っていたこともあるお話。
なつかしい!となる方も多いのでは?
のっしじゃんが、なんて響きは一度聞いたら忘れられないですもんね。
でも垢から生まれていたこと、わたしはすっかり忘れていました…
天の羽衣
天の羽衣の一般的なあらすじ
ある男が、浜辺で水浴びをしていた美しい天女を見つけ、彼女が脱ぎ置いていた羽衣を隠してしまいました。
羽衣がなければ天に帰れない天女は、男に懇願し、仕方なく男の妻になります。
数年後、子どもが大きくなったある日、天女は男が隠していた羽衣を見つけ出します。
天女は羽衣をまとい、子どもたちに別れを告げながら悲しみを残して天へ帰っていきました。
天の羽衣の登場人物
男、天女、子どもたち
天の羽衣の教訓
欲に駆られて他人を自分の都合で縛ることは、不幸を招くということ
男は天女の大切なものを奪い、隠し、従わせることで手に入れました。
子どもも生まれ、一見幸せな家庭を築いたように見えることでしょう。
しかし大切なものを見つけた天女はすべてを捨てて帰ることを選び、残ったのは別れのみ。
自分の想いばかりで相手を縛り付けてしまうと、結局は相手も周りもみんな不幸になってしまうということを教えてくれるお話です。
天の羽衣のおすすめ『天女のはごろも』
絵本『天女のはごろも』のあらすじ
川で水浴びをしていた天女の羽衣を、男が家に持ち帰り隠していると、天女が訪ねてきてお嫁さんにしてほしいといいます。夫婦になって子どもが生まれますが、ある日天井にあった羽衣を見つけると、天女は天に帰っていきます。天女からもらったきゅうりの種を男がまくと、一夜でつるが天までとどきます。朝になって男は、子どもをおぶって、きゅうりのつるをのぼっていきます。男は天の畑を耕して、きゅうりをたくさんつくります。しかし、きゅうりを食べるなという禁を破ったために、大水に流されてしまい、男は天女とともに七夕の星になってしまいます。
KUMONSHOP『天女のはごろも』
こちらは七夕伝説のように描かれているお話。
羽衣伝説はいろいろパターンがあるので、読み比べてみると面白いと思います。
このくもん出版のセットはいろいろな昔話が読めておすすめです!

ここで紹介した絵本も返礼品に!
ふるさと納税で絵本をもらってみませんか?

わたしはだいこん、イチゴはにんじんをやった昔話劇。
幼児にも分かりやすいので初めての昔話にぴったり!




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