今日は気分に合わせた絵本のレシピを紹介します。
子どもに読み聞かせるより、大人のわたしがじっくり読みたい。
そんな大人のための絵本も世の中には溢れています。
絵本は子どものためのものだけじゃない!
大人だって絵本を楽しんでほしい。
そんな思いから、ピンポイントな気分に合わせた大人向け絵本をマイタケのレシピとして紹介します。
あなたのお口にも合いますように。
今日のレシピは…
同じ繰り返しの日常になんだかモヤモヤする時に読みたい絵本
同じ繰り返しの日常になんだかモヤモヤする時に読みたい絵本
毎日、育児・家事・仕事、お疲れさまです。
ほんとうにほんとうに頑張ってると思います。
いつもいつも時間に追われ、自分のことは後回し。
やることがたくさんありすぎて、やりたいことまで手が回らない。
そしてふと気付けば、また季節が変わっている…
育児中の皆さんは、きっと共感していただける思いでしょう。
でも、ちょっと嫌なことが続いたり、子どもの気になることがあったり、他の家族がキラキラ輝いて見えたりすると、なんだがこれでいいのかなあって思う日もありますよね。
この一年、わたしは何かを成しただろうか?
子どもはどんどん成長しているのに、周りはどんどんキャリアを伸ばしているのに、自分だけ置いて行かれているような。
ちょっとだけモヤモヤしちゃうとき、ありますよね。
分かってるんです、今、自分の周りに在るものは十分幸せなものだって。
きっと数年後には自分で自分が羨ましくなるくらい、輝いた時の中にいるんだって。
でもちょっと落ち込んで、モヤモヤしちゃう。
そんな時に読みたい絵本がこちら。
『綱渡りの男』
綱渡りの男
作 モーディカイ・ガースティン 訳 川本三郎
小峰書店
2005年8月発刊
対象年齢:10歳~
舞台はNY、ワールドトレードセンター
今は無き、ニューヨークのツインタワー。
その名を聞いて思い出すのは、あのショッキングな映像かもしれません。
でも、あのビルが出来る直前。
1974年のある日、あのツインタワー、高さ411mのビルとビルの間を綱渡りした男性がいたのをご存じですか?
ちょっと文字で見ても信じられませんよね。
でも、実際にいたんです。
この絵本は、そんな本当にあった話を描いています。
想像してみてください
あなたは通勤途中、地下鉄の駅から地上に戻りました。
今日の予定も詰まっていて忙しくなりそうです。
少しのうんざりした気分も、地上の光に照らされるとちょっぴり明るくなりますね。
「今日もいい天気だなあ」
明るい陽射しにそんなことを思いながら空を見上げます。
いつも通りの日常、いつも通りの高層ビルが立ち並ぶ狭い空。
その空に突然見えた、あり得ない光景。
遥か高くビルとビルの間に人影がある!
ロープ?まさか綱渡り?あんなところで?あり得ない!
思わず立ち止まって空を見上げるあなたの驚愕に気付いた人々が同じように空を見上げ、あなたと同じようにあんぐりと口を開けて立ち止まります。
いつしか街はパニックになり、警察までやってきました。
いつも通りだったはずの日常は、彼のおかげで特別なものに変わったのです。
非日常な出来事に気付ける余裕を
無許可で綱渡りを行っていた彼はもちろん逮捕され、裁判にかけられました。
その後彼がどうなったのかは作品を読んでいただくとして。(大丈夫、ハッピーエンドです)
破天荒なことをしでかした彼ですが、人を喜ばせることがだいすきなのです。
このとんでもない綱渡りを目撃した人々は、その後きっと、職場でも家でも興奮しながらこの話をしたことでしょう。
もしかすると、あなたの周りにも彼のような人がいるかもしれません。
いつも通りだと思っていた日が、パッと鮮やかになるような何かに遭遇するかもしれない。
そんな風に過ごすと、今まで気付かなかった何かに気付くことでしょう。
綱渡りの男は、誰かが空を見上げて気付かなければ、その偉業に気付かれないまま終わったかもしれませんよね。
わたしはきっと綱渡りの男にはなれないけれど、綱渡りをしている人に気付くことはできるかもしれない。
自分が大それたことをできるとは思えないかもしれないけど、誰かが何かを成していることに気付ける余裕はいつでも持っていたいなと思います。
同じような日常でも同じ日ではないですもんね。
ちょっと落ち込んだ時も、視線をあげて空を見れば、そこに綱渡りの男がいるかもしれませんよ。
でも、この作品はとりあえずワクワクしちゃうので、その気持ちのまま楽しんで欲しいです!
実は映画化もしてるんです
『マン・オン・ワイヤー』2008年
こちらは当時の映像や計画を支えた友人たちの証言を交えて作られたドキュメンタリー映画。
『ザ・ウォーク』2015年
こちらはロバート・ゼメキス監督による映画。
多くの創作物になっているという事実が、この実話がいかに人々の心を動かしたのか伝えています。
コールデコット受賞作品でもあります
アメリカの権威ある児童文学賞、コールデコット賞の受賞作品でもあります。
多くの方が誰かに読んで欲しい!知ってほしい!と思う作品なんですね。
コールデコット賞が気になる方はこちらの記事をチェック!
今日のレシピおさらい
同じ繰り返しの日常になんだかモヤモヤする時に読みたい絵本
『綱渡りの男』 作 モーディカイ・ガースティン 訳 川本三郎 小峰書店
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
あなたのお口に合う1冊でしたら幸いです。
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