大雪の日?
ぜったい大雪になる日なの?
“おおゆき”じゃなくて“たいせつ”と読むんだよ。
本格的な冬の始まりを告げる二十四節気のひとつです。
二十四節気って、聞いたことがありますよね。
春分、夏至、秋分、冬至などは今も広く使われている二十四節気です。
昔の人たちが季節を把握するために使っていたこの言葉たちは今も季節と密着しているのです。
今回は“大雪”を、季節にぴったりの絵本とともにご紹介します!
二十四節気“大雪”について
二十四節気とは?
一年の季節を春夏秋冬、それをさらに6分割し、12の節気と12の中気に分類したものに、季節を表す名前をつけたものです。
今使用されている新暦で表すと、毎年日付が多少前後することがあります。
もともとは中国で発明されたものなんだって!
大雪ってどんな季節?
本格的に雪が降りだす季節です。
山地だけではなく平地にも雪が降ってきます。
動物たちは冬眠に入り、鮭は群がって川を上ってきます。
文字通り大雪が降る地域もあるかもしれませんね。
さらに細分化された七十二候では
二十四節気のひとつを初候、二候、三候と三等分したものが七十二候です。
大雪の中にも三つの候があります。
初候【閉塞成冬】そらさむくふゆとなる……天地の気が塞がって冬となる
二候【熊蟄穴】くまあなにこもる……熊が冬眠のために穴に隠れる
三候【鱖魚群】さけのうおむらがる……鮭が群がり川を上る
より具体的な描写で季節感が伝わりますね!
二十四節気“大雪”に読みたい絵本
“大雪”がどんな季節か分かったところで、そんな季節にぴったりの絵本を選んでみましょう。
お子さんと一緒に「今日は昔の暦で大雪っていう日なんだって~」という会話が生まれるといいなと思っています!
ゆきのひ
雪がつもった朝、ピーターは外へ飛びだした。雪で遊んだ一日の、新鮮な感動と素朴な喜びを貼り絵で描いた、心に余韻の残る絵本。
偕成社「ゆきのひ」
雪の絵本、世界的な定番といえばこちらの絵本でしょう。
雪の中に赤い服、赤いとんがり帽子の男の子が印象的ですね。
朝起きたら一面の雪、そんな光景に心躍っている様子が美しい色彩で描かれています。
大人には雪かきにうんざりしちゃうだけの雪でも、子どもたちにとっては宝物のようにうれしいもの。
そんな幼少期の感情を、わたし達にも思い出させてくれます。
アメリカの権威ある絵本賞・コールデコット受賞作品なんだって!
ゆきのひ
りっちゃんがすむ雪国の村に、空からふわりと白いものがふってきました。初雪です。お母さんは、野菜をむろ(室)にしまい、とよちゃんのおじいちゃんは、ゆきがこいをしました。雪合戦にスキーにかまくらあそび……。雪は楽しいひとときを運んできてもくれますが、吹雪で電線をきったり、線路をうめてしまったりもします。それでも雪国の人々はへこたれません。ページをめくるたび、あたたかな気持ちにつつまれる雪国のお話です。
福音館書店「ゆきのひ」
同じタイトル『ゆきのひ』ですが、こちらは日本の絵本作家かこさとしさんによる作品。
今はもうほとんど見られないような、古き良き日本の光景が詰まっています。
どこの国でも初雪に心躍る子どもたちは同じですね。
だけどさすが雪国出身のかこさん、心躍るだけではない雪国の現実も教えてくれます。
雪に馴染みのない場所に住んでいるお子さんにこそ読んで欲しい1冊です。
チリとチリリ ゆきのひのおはなし
初雪が降った日、チリとチリリは自転車で森へ出かけました。まっ白な森を進むと氷の扉があり、中に入るとそこには…。別世界のような雪の森での体験を描いたほっこりあたたかい物語。
Amazon「チリとチリリゆきのひのおはなし」商品説明より
ふたごの女の子、チリとチリリが自転車でおでかけするシリーズ。
このシリーズは本当にどの作品も可愛くて、わたしの中にある死にかけの乙女心を刺激してくれます。
このゆきのひのおはなしも、とってもカワイイ世界が待ってます!
そして出てくるごちそうがまた素敵なんです。
今回はリンゴとニッキのホットフルーツパンチなんていう名前だけでも美味しそうな飲み物。
大人のわたしも悶えちゃうくらいカワイイ、ゆきのひのおはなしです。
チリとチリリシリーズ大好きだった!
中でもこれは、お花の氷がとってもきれいで憧れたなあ…
大雪
ふりしきる雪のなか、ふもとの村までおつかいに行ったフルリーナがなかなか帰ってきません。兄のウルスリは心配して、妹をさがしに出かけます。アルプスの兄妹ウルスリとフルリーナの、心あたたまる物語。国際アンデルセン賞受賞のスイスの画家カリジェの美しい絵本。
Amazon「大雪」商品説明より
とにかくカリジェの絵が素敵!!なので見てみてください。
今から60年近く前の作品なのでレトロな感じはありますが、スイスの雪国での暮らしがあたたかく描かれています。
そり大会を前にワクワクしているお兄ちゃん、泣きながらも兄の為に雪の中出かける妹、そして大きなあらしの木。
ドキドキハラハラな展開ですが、日本だけでなく世界中で昔は子どもたちの扱いが大らかだったのだなあと思います。
今では考えられないですよね。
結局めでたしめでたしなので子どももホッとしていました。
お話はちょっと長めなので対象年齢は高めとなっていますが、うちの子は6歳7歳でも聞いていたのでよかったら参考にしてみてくださいね。
ここからは、二十四節気をさらに細分化した七十二候に関する絵本を紹介します。
初候【閉塞成冬】そらさむくふゆとなる
ふゆ
ある冬の日、空では雲があそんでいます。やがて雨が降り、雪になり、降り積もって大地をおおう白い雪。そこで見つけた足あとをたどると……?
絵本ナビ「ふゆ|こうのあおい」
イタリアで出版され、40年以上愛されている絵本の初の日本語版です。世界6カ国で翻訳。
日本人イラストレーターの絵本がイタリアから逆輸入!
50年以上前にイタリアで出版され、ロングセラーとなっていた絵本が40年の時を経て日本の子ども達の手に。
ヨーロッパで受け入れられただけあって、とってもオシャレな絵本です。
文字の少ないシンプルな絵本なので、小さな子も色々想像して楽しめますよ。
何より、表紙もおしゃれなのでこの時期は特に飾っておきたくなっちゃいます!
ふゆといえば…
はる、なつ、あき、ふゆ、みーんな、いいね!季節を楽しむ4冊の連想えほんシリーズ。
Amazon「ふゆといえば…」商品説明より
ふゆという季節から連想できるものがいろいろ出てきます。
はじめての冬を過ごす赤ちゃんと楽しむのにぴったり!
絵も分かりやすくてかわいいです。
二候【熊蟄穴】くまあなにこもる
たのしいふゆごもり
お母さんと暮らすこぐまは、一人で眠れません。「一緒に眠るぬいぐるみを作って」とお母さんにお願いします。次の日、こぐまとお母さんは、冬ごもりの用意をしに、朝から出かけます。りすの子と木の実をとり、おじいちゃんとはちみつとり、かえるの親子とさかなとり、やまねの親子と綿つみ、最後はきのこをとって、おうちへ帰りました。ごちそうを食べたあと、お母さんはぬいぐるみも作ってくれて、冬ごもりの準備ができましたよ。
福音館書店「たのしいふゆごもり」
冬ごもりという言葉の方が冬眠よりもなんだか楽しそうな感じがしますよね。
この作品でも、こぐまが冬ごもりの支度をしているのですが、とても楽しそうなんです。
実りの秋をじゅうぶんに楽しんで、お友だちとの思い出も作って。
コッコさんシリーズでおなじみ片山健さんの鮮やかな絵も楽しいです!
わがままくまさん
くまさんは、ふゆごもりをしなければなりません。しかし、くまさんは、まったく、その気がありません。まわりのどうぶつたちのほうが、しんぱいしています。はるになってしまいます。くまさんって、わがままなんだから。ユーモアえほん。
Amazon「わがままくまさん」商品説明
こちらのくまさんは、ふゆごもり?なにそれ?状態のくまさんです。
なんとか眠りにつかせようと周りの動物たちがアレコレお世話をしてくれるのですが、くまさんは何のその。
ねじめさんのお話も面白いのですが、高畠那生さんの絵がコミカルさを倍増させています!
動物たち、あんなに頑張ったのに…!!
これめっちゃ面白かったよ!!
ふゆごもりのまえに
吹く風が冷たくなり、雪の季節が近づいてきました。小さなハリネズミは、農場を歩きながら、いろいろな動物たちから雪景色の素晴らしさを聞かされます。ハリネズミは雪をみたいと願いますが、凍えるような夜がやってきて、自然と目がふさがってしまいます。ところが、その様子を農場の娘が見ていて、ハリネズミを暖かな家の中へ連れていきます。翌朝、目を覚ましたハリネズミが目にしたのは、見事な雪景色でした。それから毎日、ハリネズミは窓外の雪だるまや橇を見て過ごします。
福音館書店「ふゆごもりのまえに」
こちらはくまさんじゃないけど、同じく冬ごもりのカワイイ絵本です。
まず目を引くのは表紙の繊細な絵の美しさ。
農場に暮らす動物たちの風景がとても素敵なんです。
枠外の絵もしっかり描き込まれていて、じっくり見ているだけでも楽しい。
ハリネズミが眠ってしまっておしまい、じゃないところもいいですね。
三候【鱖魚群】さけのうおむらがる
かえってきたさけ
川で生まれて海で育ち、また川に帰ってきて卵を産み、いのちをおわる、さけの不思議な一生を描いた絵本です。
Amazon「かえってきたさけ」商品説明より
『ふたりはともだち』がまくんとかえるくんのお話でおなじみ、アーノルド・ローベルの絵で描かれた鮭の一生。
鮭が産卵のために川を上ることは知っていても、自分が産まれたその川を匂いで覚えていることは知っていましたか?
その川のぼりのあいだ、飲まず食わず必死な思いで上っていることは?
物語を通してそんな鮭の生態を詳しく知ることができます。
これを読んだ後は、鮭を食べる時のありがたみがより一層増すかもしれません。
ピリカ、おかあさんへの旅
海にすむさけのピリカは4歳。ある日、誰とはわからないふしぎな声に誘われて仲間と旅立ちます。途中、鮫やアザラシに襲われる者もいました。川に上ってからは熊や大鷲が待ちかまえています。湧き水の出る川底をさぐりあてたピリカは、おすと交わり三千個の卵を産み終えると死にました。死の直前にピリカが見たのは、おかあさんです。それはピリカを川に呼び戻した声の主であり、生命を育み続ける自然の摂理そのものでした。
福音館書店「ピリカ、おかあさんへの旅」
一人、多くても二人を一度に孕むことがほとんどの私たちには想像もつかない、魚たちの試練。
さけのピリカが産まれた場所に戻り、自分も産卵してお母さんになるまでの過程がダイナミックに描かれています。
がんばれ!と応援したくなるような、過酷な旅です。
その旅の終わりは、私たちにも重なるような気がします。
ピリカの壮大な旅、ぜひ見届けてください。
節気が変わると絵本もこんなに変わります。
【啓蟄】の絵本も覗いてみませんか?
秋の気配を感じる「白露」の絵本も!
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