朝学校へ行くときね、葉っぱが濡れてたんだよ!
雨は降ってないのにね~
昼と夜の気温差が出てきたのかな?
季節の変わり目は絵本選びのチャンス!
二十四節気って、聞いたことがありますよね。
春分、夏至、秋分、冬至などは今も広く使われている二十四節気です。
昔の人たちが季節を把握するために使っていたこの言葉たちは今も季節と密着しているのです。
今回は“白露”を、季節にぴったりの絵本とともにご紹介します!
二十四節気“白露”について
二十四節気とは?
一年の季節を春夏秋冬、それをさらに6分割し、12の節気と12の中気に分類したものに、季節を表す名前をつけたものです。
今使用されている新暦で表すと、毎年日付が多少前後することがあります。
もともとは中国で発明されたものなんだって!
白露ってどんな季節?
白露とは、朝晩、草木につく白い露のこと。
露ができるのは、空気が冷気に触れてできることから、朝晩の温度が下がってきたことが分かります。
朝の光を浴びてキラキラと白く輝く露を見て、先人たちは季節の変わり目を感じていたんですね。
さらに細分化された七十二候では
二十四節気のひとつを初候、二候、三候と三等分したものが七十二候です。
白露の中にも三つの候があります。
初候【草露白】そうろしろし……草に降りた露が白く光る
二候【鶺鴒鳴】せきれいなく……鶺鴒が鳴きはじめる
三候【玄鳥去】げんちょうさる……燕が南へ帰って行く
より具体的な描写で季節感が伝わりますね!
二十四節気“白露”に読みたい絵本
“白露”がどんな季節か分かったところで、そんな季節にぴったりの絵本を選んでみましょう。
お子さんと一緒に「今日は昔の暦で白露っていう日なんだって~」という会話が生まれるといいなと思っています!
これはなみだ?
花のはなびらのおくにたまっていた蜜が、雨つゆで希釈されて大つぶのしずくとなり、風にふかれて葉の上に落ちたとき、アリたちのドラマが始まりました。斬新な科学絵本。
福音館書店「これはなみだ?」
露の言葉で思い浮かんだこちらの絵本が白露にもぴったりかなと思います。
露というよりは花の蜜が薄まった露なのですが、そんな露に集まるアリたちをじっくり撮影した作品。
『キャベツくん』などナンセンス絵本でお馴染みの長新太さんが文を担当しています。
はなのしずく
こちらはお母さんの病気を治すために露草の露を探すカエルの子のお話です。
高畠さんの表紙がカラフルで楽しいのですが、お話はグッとくる系。
いじらしい子どもの気持ちに、お母さんの方が泣いちゃいそうです。
花さき山
山菜をとりにいって、山ンばに出会ったあや。
岩崎書店「花さき山」
やさしいことをすると美しい花がひとつ咲くという花さき山の感動のものがたり。
一度見たら忘れられない、滝平さんの絵。
子どもたちにとっては少し怖かったようですが、今ではすっかり大好きになりました。
こちらの絵本では涙が露となって花を咲かせる場面が印象的だったので…
表紙はなんか怖かったけど、面白い話だったよ!
ここからは、二十四節気をさらに細分化した七十二候に関する絵本を紹介します。
初候【草露白】そうろしろし
初候は白露と同じ意味なので、今回は割愛します。
二候【鶺鴒鳴】せきれいなく
セキレイは今も日本でよく見かける鳥ですが、その歴史は実はとっても古いんです。
なんとあの『古事記』にもセキレイが登場しているって知ってました?
でも絵本で見かけるのは少ないですね…
ことりのゆうびんやさん
キツツキが穴をあけた郵便受けに、巣をつくろうと決めたセキレイの夫婦。枯れ草や髪の毛など、いろんなものを運んできては、穴から中に入れていきます。本物の郵便屋さんがやってきて手紙を入れようとすると、セキレイの夫婦は大さわぎ。やがて「ぴいぴいぴい」とかわいらしい声が聞こえて……。ひな鳥は無事に育つのでしょうか。春の住宅街でくりひろげられる、ほのぼのと心温まるお話です。
福音館書店「ことりのゆうびんやさん」
セキレイといえばこちらの作品です。
原作はロシアの作家が書いた短編小説「セキレイの手紙」なんですが、舞台を日本に置き換えて絵本化されました。
郵便受けポストが巣になったセキレイ家族の成長を見守る微笑ましいお話です。
この羽だれの羽?
身近に落ちている鳥の羽が、何の鳥の羽なのかがわかる絵本図鑑。きれいな羽の紹介の他、鳥の羽にまつわるさまざまな話題も満載。
偕成社「この羽だれの羽?」
こちらにはハクセキレイの羽が載っています。
作者のおおたぐろまりさんは鳥の図鑑でイラストも担当されているスペシャリスト!
丁寧に描かれた絵が美しく、落ちている羽を探したくなっちゃう1冊です。
三候【玄鳥去】げんちょうさる
玄鳥とはツバメの別名です。
つまりツバメたちが暖かい南の島へ去っていく季節のことです。
ツバメのたび
鳥の行動について思いをめぐらす著者が、思いをこめて生命の尊さを描く壮大な絵本。ツバメといっしょに旅をしている気分になる。
偕成社「ツバメのたび」
ツバメの旅を描いた絵本といえばこちら。
ツバメを見送るこの時期にぴったりな絵本です。
来年、また会えた時、きっとこの壮大な旅を思い出すでしょう。
竹下文子さんとのコンビで乗り物絵本のイメージが強いですが、鈴木さんは鳥の巣の絵本など鳥に関する絵本もたくさん手掛けられています。
つばめのハティハティ
ハティハティはツバメの男の子。
Amazon「つばめのハティハティ」商品説明より
遠い南の国から海をこえ、日本へやってきます。
そして夏の終わりに、再び南の国へと帰るまでの物語。
身近な鳥のくらしを絵本にした「鳥のおはなし絵本」シリーズの1冊目。
箕輪さんの繊細でリアルテイストな絵がとても素敵です。
ハティハティという名前にしたのは、ツバメたちが冬を過ごす東南アジア風の名前にしたかっただからなんだとか。
ツバメたちがより一層身近に感じられる1冊です。
つばめこうくう
つばめこうくうのパイロットは、つばめたち。背中に飛行機をのせたら、ひゅひゅーんと南の島へひとっとび! 機内食や美しい夜景など、カエル親子の空の旅はワクワクでいっぱいです。
Amazon「つばめこうくう」商品説明より
こちらはツバメが飛行機になった楽しいお話。
初めて空の旅をするカエルの親子とともに、ツバメ飛行機の旅気分を味わえます。
周りの風景の描き込みも楽しく、飛行機好きなお子さんにもオススメ!
これを読んだあとツバメを見掛けると嬉しくなっちゃいます。
二十四節気でえらぶ絵本でより一層身近に四季を感じてくださいね!
12月の二十四節気“大雪”に読みたい絵本はこちら。
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