えんま様にもお休みの日があるって聞いたよ。
本当なのかな??
と、仏教系の園に通っていたせいかそんな話をされたことがあります。
もちろん、わたしは全然知りませんでした!
えんま様といえば閻魔大王。
死後の世界で、現世での行いをもとに地獄行きか天国行きかを決める…というくらいしか知りません。
そんな閻魔大王にお休みの日なんて、本当にあるんでしょうか?
良かったら一緒に学んでみませんか?
「閻魔賽日」についての基本
閻魔賽日とは?
1月16日と7月16日を“閻魔賽日”と言われ、閻魔大王を祀っているお寺では開帳が行われたり縁日が行われたりします。
この日は藪入りともいい、江戸時代の奉公人たちが休みを取り実家へ帰ることができました。
いつからか、閻魔大王も地獄の鬼たちも休む日だから、奉公人たちも休んでいいというふうに言われるようになったそうです。
なぜこの日なの?
閻魔賽日の前日、1月15日は小正月、7月15日は旧暦でのお盆でした。
その日は旧暦では今の正月とお盆のように大変重要な祭日とされていました。
奉公人たちは奉公先でこの祭日を過ごしますが、そのうえで実家でも過ごせるように翌日が休みとされたと言われています。
その休みの理由付けとして、いつからか“地獄の釜も開いて閻魔様も鬼たちも休むのだから、みんな休もう”と言われるようになったと考えられています。
遠方から奉公に出ている人は、芝居や買い物などで休日を楽しんだそうです。
年に2回のお楽しみだったんでしょうね。
閻魔賽日に行われていることは?
閻魔堂などで開帳が行われる
閻魔大王を祀っている寺院では、閻魔堂などで閻魔像が開帳されます。
閻魔賽日のみの開帳となっている寺院もあり、江戸時代から“閻魔参り”が行われてきました。
閻魔像だけでなく、地獄絵図を公開している寺院もあります。
閻魔賽日に読みたい絵本
閻魔賽日に読みたい、閻魔大王に関する絵本と地獄を扱った絵本を紹介します。
地獄を扱っている絵本の中には、子どもを脅して躾ける目的で描かれたものも残念ながら存在します。
個人的に許し難いことですが、そういった絵本には母親が地獄で責められているといったような子どもたちにとってかなりショッキングな絵を掲載していることがあります。
絵本は絵本として割り切れるタイプのお子さんなら問題ないかもしれませんが、子どもの心は親が思う以上に繊細です。
大切なお子さんの心を傷つけない為にも、こういったテーマの絵本を読むときは必ず読み聞かせる前に確認してくださいね!
閻魔大王の絵本
えんまのはいしゃ
「将棋ばかりして怠けていたな!」いいかげんな治療をえんま様に怒られた「てんか一のはいしゃ」のお話。痛くて笑っちゃう絵本です。
偕成社「えんまのはいしゃ」
えんま様は何でもお見通し!!なんだけど、さすがのえんま様も鬼たちも虫歯には勝てないのがおかしくて。
見ているだけでも痛すぎる治療、こちらまでぞわぞわしちゃいます。
だけどほら吹き歯医者とのやり取りがとにかく面白くて笑っちゃう!
なんとなくえんま様に親近感まで抱いちゃいますよ。
読み聞かせにも盛り上がるのでオススメです!
えんまとおっかさん
えんまは、おかあさんを恋しがっていました。ある日、おかあさんに似ているようなばあさんが鬼たちに連れられてきます。えんまさんはなんとか助けようとするのですが…
岩崎書店「えんまとおっかさん」
えんま様が勝てないのは、おかあさんも!
こちらの作品のえんま様も威厳がありつつも可笑しさが止まりません。
閻魔大王の意外な一面とともに、えんま様について学ぶこともできます。
読んだ後は、閻魔参りに行きたくなるかも!
じごくのラーメンや
「えんまさまぁ~ ラーメンまだですかぁ~」じごくにラーメンやができたらしいよ。名物は、からーいからーい”ちのいけ”ラーメン。
Amazon「じごくのラーメンや」商品説明より
ぜんぶ食べたら天国へ行けるんだって! 店は毎日だいぎょうれつ。「うっはっはー、大繁盛じゃあ」とえんま様。ラーメン食べに、天国から神様たちもやってきた!弾けた設定にとぼけた絵が光るすかっと笑えるてんやわんや爆笑絵本。
これも気さくなえんま様が楽しい絵本!
おいしいラーメンは地獄でも幸せを呼ぶんですねw
西村さんの描く地獄の様子も、細かく描き込まれていて必見です!
怖いはずの地獄へ行ってみたくなっちゃうような、笑える絵本です。
地獄を扱った絵本
じごくのそうべえ
「とざい、とうざい。かるわざしのそうべえ、一世一代のかるわざでござあい。」綱わたりの最中に、綱から落ちてしまった軽業師のそうべえ。気がつくと、そこ は地獄。火の車にのせられ、山伏のふっかい、歯ぬき師のしかい、医者のちくあんと三途の川をわたってえんま大王の元へ。4人はふんにょう地獄や、針の山、熱 湯の釜になげこまれ、人を食べる人呑鬼にのみこまれます。そうべえたちははたして生き返ることができるのか、あとは読んでのお楽しみ。
童心社「じごくのそうべえ」
地獄の絵本といえばこの作品が思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
ロングセラーの人気絵本ですね。
とざい、とうざいの掛け声は、聞いている方も読み聞かせている方もなんだか癖になっちゃいます。
関西弁ですが、とてもリズムが良いので読み聞かせもそんなに難しくはありません。
何より子どもたちの反応がとてもいいんです!
大人数での読み聞かせ会などにもオススメですよ。
続編「そうべえごくらくへゆく」などを含めたシリーズは全6冊!
蜘蛛の糸
地獄へ落とされた大泥坊カンダタに、そこをぬけ出す最初で最後の機会が訪れる。芥川の名作を気鋭の画家が精魂込めた絵で描く。
偕成社「蜘蛛の糸」
大人が読んでも心動かされる絵本がこちら。
あの芥川龍之介の名作を絵本にしたものです。
ストーリーは知っていても、迫力のある絵が心にぐいぐい迫ってきます。
小学生以下のお子さんには少し難しいかもしれませんが、さすが名作!
いつの間にか引き込まれてしまいます。
高齢者向け施設など、大人向けの読み聞かせ会にもおすすめです。
オニのサラリーマン
赤鬼のオニガワラ・ケン、地獄カンパニーの平社員。一男一女あり。びしっとスーツで決め、愛妻弁当と金棒持って、満員バスで出勤です。社長みたいな閻魔大王の指示で、今日は血の池地獄の見張りにつくことになりました。釜ゆで地獄の火の番を言いつかった同僚からは「ええなぁ、らくちんやんか」と羨ましがられますが、亡者どもは決まりを守らず、てんやわんや。そして、ちょっと油断したすきに、大変なことが起きてしまいました!
福音館書店「オニのサラリーマン」
地獄といえば鬼! 鬼なのにサラリーマン!?と気になっちゃう、大人気の絵本です。
作者の富安陽子さんは「まゆとおに」という作品でもお馴染みですが、そちらでの鬼と同じくこちらの鬼もどこかコミカル!
コミカルというよりは哀愁さえ感じられる、大人が読んでも楽しい作品です。
地獄を会社に見立てて、そこで働くオニのサラリーマン。
オニにも人と同じような苦労や楽しみがあるのかも…しれませんね!
人気シリーズ化していますが、2023年12月発刊の最新作はこちら↓
じごくにアイス
子どもたちの好きな 地獄+アイス=最強絵本!?
楽天ブックス「じごくにアイス」商品説明
ちょっと怖くて、とってもユーモラスな地獄絵本の誕生です。
澤野さんの描く鬼たちは愛嬌たっぷりなので、ぜひ親子で楽しんでください。
ただ、アイスを食べたくなること間違いなしなので、ご用意をお忘れなく。
怖がりな小さい子にも安心して楽しめる地獄絵本がこちら。
アイス屋さんをしているこたろうがバナナの皮ですべって転んで、気付けば地獄に!?
てんやわんやの出来事が面白いのはもちろん、澤野さんが描かれる地獄もユーモアたっぷり。
本筋とは関係のない描き込みまでじっくりゆっくり味わいたくなります。
読後はもちろん「アイスが食べたい!」と言い出すこと間違いなしなので、寝る前の読み聞かせにはご注意ください。
読み聞かせには注意が必要な絵本
絵本 地獄
悪いことをしたら地獄に落ちる──その真意は命を粗末にするなとのメッセージ。
Amazon「絵本 地獄」商品説明より
千葉・旧安房郡延命寺秘蔵地獄絵巻をもとに、死ぬことの怖さ、
命の大切さを子供たちに培うロングセラー絵本。
絵がかなりグロテスクで怖いです。
早く寝ないとオニが来るよ!いい子にしてなきゃ地獄に落ちるよ!
こんな言葉だけでも怖いのに、この絵本を見せてリアルな地獄を思い知らせると堂々と語る大人とは価値観が合いません。
絵本は幼い子どもを脅す道具ではありません。
この作品そのものはとても素晴らしいと思います。
悪いことをすると地獄に落ちるかもしれない、そういったぼんやりとした恐怖は誰しも持っているはず。
死というものを考えさせられる絵本ですが、悪さをしている幼い子どもを脅すために読んで欲しくありません。
幼い子に読むとトラウマになり、絵本の読み聞かせそのものを嫌がるようになってしまうかもしれません。
出版社としては売れればいいのかもしれないけど、しつけ絵本として紹介するのは本当にやめてあげてほしい…
日付シリーズは他にもありますよ!
こちらは文化の日に読みたい日本芸術文化の絵本。
こっちは勤労感謝の日!
お米絵本とお仕事絵本を集めてみたよ。
コメント